VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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深海三強の不世出(エクゾーディナリー)戦、終結





帝王を穿ち、貫く意志が御業と成る

アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"の超々火力のブルーレーザー砲撃の刹那、サキガケルミゴコロを発動したサンラクは、自身が『三秒後にレーザーで蒸発死する』未来のビジョンを脳内に発現。

 

封雷の撃鉄(レビントリガー)の親指に在る琥珀を叩き付けて、行動速度をドーピング&重ね掛けるように真界観測眼(クォンタムゲイズ)で攻撃の波を可視化及び行動速度を更に補強して、インベントリアを起動する。

 

サンラクが消え、彼を呑み込む筈だった超々火力のブルーレーザーは塔の中腹を直撃するが、反転都市ルルイアスの塔に施された力は冥帝鯱のビームにも、破損する事無く其の絶大なる一撃を受け止め。

 

そっくり其のままの威力を以て帝王の槍を『反射』、まるでトランポリンに跳ね返ったように飛ぶレーザー砲撃は、冥帝鯱の首周りを直撃。あまつさえ其の巨体を『貫通』して風穴を穿ったのだ。

 

「よっしゃあああああ!直撃、直撃したぁぁぁぁぁぁ!」

 

巨体が空中から落ち、地鳴りを起こしてルルイアスの大地に横たわる。あれだけの破壊力のレーザーを受けて尚、アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"は倒れず、あまつさえ起き上がろうとしている。

 

ペッパーは此の機会を逃すまいとレディアント・ソルレイアのブーストを乗せて、一気に冥帝鯱へと肉薄。其処から一秒後、封雷の撃鉄(レビントリガー)による強化を解除したサンラクが、格納空間から現実空間に舞い戻り、墜落した冥帝鯱を見る。

 

「━━━━━ッふぅ…………!ジャストタイミングでブチ込めたみたいだな。と、いけねぇ!まだ終わりじゃねぇ!」

 

攻撃の波を可視化する真界観測眼(クォンタムゲイズ)に、敗北のビジョンを脳内に報せるサキガケルミゴコロ。複数のスキルを組み合わせる事で、切り開ける新しい可能性。ゲームの楽しみ方を思い出しつつ、彼もまた空中に飛び出し、フリットフロートで進路変更を行い、跳躍する。

 

「サンラク!アトランティクス・レプノルカもそうだったが、アイツの皮膚に斬撃武器は重ね掛けて斬らないと『効果が薄い』!やるなら格闘か打撃が良いぞ!」

「解った!なら、煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)だ!」

 

ペッパーが風雷皇の御手(サルダゲイル・アトゥヌ)を、サンラクが煌蠍の籠手を取り、バフスキルを全開に起き上がろうとする冥帝鯱の顔面を、渾身のラッシュでタコ殴りにし始める。

 

「おおおおおおおおおおおおおおお!!!脳震盪になりやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「はぁあああああああああああああ!!!倒れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

蹴りが、拳が、冥帝鯱に叩き込まれる。ポリゴンが次々と溢れていき、ダメージが積み重なる。

 

「サンラク、全力で叩き込み続けろ!起き上がられたら、もう機会(チャンス)は無いと思え!」

「ならぁ、俺は『フェアカス』にやられた分をエネルギーに変えるわァァァァァァァァァ!!!アアアアアアアアアアアア!!!!あんのクソアマァァァァァァァァァァァ!リュカオーンもぜってぇ許さねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

チリチリと燃える蒼炎によるスリップダメージが、二人の体力をじわじわと削っていく。特にサンラクは神秘(アルカナム):愚者(フール)の影響で、受けるダメージは『倍増』している。あまり時間は残されていない。

 

「なら、格闘の『とっておき』だ。歯ァ食い縛れよ、帝王鯱!」

 

其の宣言と共に、ペッパーは一つのスキルと二つの『致命(ヴォーパル)』の名を冠するスキルを起動する。

 

一つは致命秘奥(ヴォーパルひおう)【ゲッカケンセキ】━━━━━━自身が繰り出せる最速・最短・最大威力の『寸勁』を叩き付け、相手の肉質や防具を無視した『貫通攻撃』を行う、単純明快な拳撃スキル。再使用時間(リキャストタイム)致命秘奥(ヴォーパルひおう)系列では短い部類に入る、強力な大技。

 

もう一つは致命極技(ヴォーパルヴァーツ):闘撃型(とうげきがた)那由多轍(ナユタワダチ)】━━━━━━此のスキルは『拳撃・脚撃・格闘のスキル発動後』にのみ使用出来、発動した対象スキルの再使用時間を『十倍』にするという重い『制約(デメリット)』を持つ代わりに、其のスキルによって発生するダメージを『十倍』で計算するという、ロマンと破壊力を両立した極技。

 

渾魂注撃(ストライク・インストーラ)による衝撃の一点集中を行い、那由多轍によって十倍の威力と成ったゲッカケンセキを乗せし、双皇甲虫の籠手が冥帝鯱のシンボルたる頭角に直撃。貫通攻撃+一点集中によって衝撃が頭角を通じて脳髄にダイレクトで伝わり、バキン!と大きな音を鳴らして根元から折れて、宙を舞って地面に突き刺さった。

 

「サンラク、フィニッシュ!」

「任されッたぁ!!!」

 

跳躍からのアガートラム、ハリケーン・ハルーケン、テンカウンター、燐砕拳(りんさいけん)の拳撃と格闘スキルを点火。ブラストアップによるダメージ倍率のブースト、ストリームアタックの加速に、アルシャダームの衝撃強化を乗せた、煌蠍の籠手の右ストレートが冥帝鯱の鼻先に炸裂する。

 

「うぉぉ!?」

「サンラク!」

 

衝撃が爆ぜ、冥帝鯱の巨体がビクン!と一際大きく跳ね、其の身体を構成するポリゴンが崩壊を始めて。空中でサンラクが飛び、ペッパーが空中で彼をキャッチした。そして冥帝鯱は崩壊する身体から、蒼炎が漏れ出して膨張を始める。

 

「…………フィールドを味方に付けての勝利、だな」

「………サンラク。取り敢えずアトランティクス・レプノルカは倒したら、最後に『自爆』するから此処から逃げるよ!」

「其れを早く言えェェェェェェェェェ!!??」

 

全速力でダッシュしながら、サンラクは覇頭衝角のシンボルたる頭角を掴み取り、煌蠍の籠手の音声機能による『晶弾(クリスタルバレット)』を放ち。数秒後に冥帝鯱の蒼炎が膨張し爆発、直径『700m』の範囲内を爆炎と熱波が、青一色に染まる街を焼き払った。

 

ペッパーはレディアント・ソルレイアを用い、上空に飛翔。蒼炎が都市を焼き尽くす中で、彼は何とか灼熱の範囲外へと逃げ仰せ。サンラクは晶弾が半分焼き融ける(・・・・・・・)という、圧倒的な大火力を目の当たりにしながら、ポリゴンが崩壊していく冥帝鯱を見て言った。

 

「………成仏しろよ、アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"。此の戦い、俺とペッパーのタッグチームの勝ちだ」

 

最後ッ屁に自爆して爆発四散を遂げた、冥帝鯱の跡地には大量の素材が残り。そして此の戦いのフィニッシャーとなったサンラクには、システムコールたるリザルト画面が表示されたのである………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モンスター不世出(エクゾーディナリー)……解明(クリア)!』

『討伐対象:アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"』

『エクゾーディナリーモンスターが撃破されました』

『称号【帝王終焉(エンペラーエンド)】を獲得しました』

『称号【深海を照らす威光】を獲得しました』

不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)破統昇格(プロモスピア)】を習得しました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、アイツ不世出だったの?………………………マジで?」

 

 

 

 






其の一撃は頂点の輝き


不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)破統昇格(プロモスピア)

習得条件:アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"を討伐する。

効果:使用時にHPとMPを1になるまで消費し、其の際に消費した数値分のダメージを相手に与える。此の時に発生するダメージは、相手の防具を除いた耐久値を無視して計算される。対象へのダメージ計算後、確定で反動ダメージが使用者を襲う。再使用時間(リキャストタイム)は7日。

己の命とマナを捧げ、乾坤一擲の一撃と共に敵を穿つ帝王の威光。其れこそが不世出の奥義。


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