ログアウトまでがゲームです
例えば
例えば
では、サンラクがペッパーの協力で討伐した、アトランティクス・レプノルカ"
「……マジかよ、冥帝鯱。お前エクゾーディナリーモンスターだったのか………」
「えっ、マジで?」
表示されたリザルト画面、そしてレベル99Extend状態ながら直接習得した新スキルにサンラクが。そして何と無く『冥帝鯱って不世出では?』と予想していたペッパーは、其の予想が当たりだった事に驚いて。改めて其のスキルをサンラクが確認してみると、またコレが『ヤバいスキル』だった。
破統昇格は一言で言うなら『槍武器専用攻撃スキル』であり、発動時に『体力とMPを1になるまで消費し、減らした数値が大きければ大きい程、与えるダメージが伸びる』というメリットと、確定で『反動ダメージが襲い掛かる』&『七日間の再使用時間が必要』というデメリットを抱えた大技なのである。
「おいおいおい、スキル使用したら『食い縛り』出来なきゃ確定死ってマジかよ………」
「槍先から『反動持ちのビーム砲撃』でもブッ放すつもりかな?」
減らした数値をダメージに換算するという能力から、此のスキルはどちらかと言えば対モンスターよりも、対人戦で輝きそうなスキルに見えなくもない。
「サンラク、約束覚えてる?」
「約束……あぁ、ドロップアイテムの山分けだっけな」
「そうそう」と頷いて、二人は改めて積み重なった冥帝鯱の素材達を見つめる。幸運200越えのサンラクがフィニッシャーとなったからか、戦闘人数がプレイヤー二人だけだったのか、目の前に在る素材の山は其の多さを物語るには充分な物だった。
「冥帝鯱の凝触羽………其れがアトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角"の
「やっぱ幸運と戦闘時の人数によって、ドロップアイテムが変わる感じだな。お、炎雷機関………こりゃ『エンジン』みたいなヤツか?」
「あ、そう言えば俺がへし折った角。サンラクが貰って良いぞ」
「えっ、良いのか?」
「あぁ。アレは絶対に『槍として使ってねぇぇぇぇぇぇ!!』って言ってるようなもんだし。ラストフィニッシャーはサンラクなんだから、遠慮せずに持っていって」
そんな会話を重ねて、冥帝鯱の素材を山分してインベントリアに収納していた時だった。
「ん?何だ此の『錆び付いた剣』?」
ペッパーが素材の山々の中から見付けたのは、持ち手を含めて『全体が錆びに錆びけた刀身が1m近い片手剣』。剣の形状は『峰に牙の意匠が施されて剣芯は畝った状態』、冥帝鯱の体内に在ったからか生臭さが染み付いており、武器として振るうにはあまりにも心許無く見える。
「ん?ペッパー、何だ其れ?」
「武器みたいだけど、随分変わった形なんだよね……」
何の武器なのだろうと、彼は武器をチェックする。
朽ち果てたアスカロン(
其れは遠く永い時代、誰かが握っていた武器であり、遺された残照でしかない物。されど、嘗て其れは確かに武器として存在し、誰かが命を預けていた物であった。
英傑武器 is 何?
ペッパーとサンラクは互いに首を傾げながら、此の武器はどっちが持つという話になったので、ペッパーは『冥帝鯱の素材を全部サンラクに渡すから、此の片手剣くれない?』と交渉した所、悩みに悩んだ果てに『良いぞ』とサムズアップで承認してくれた。
そうして二人がセーブポイントへと帰還する途中、遠くで様子を見ていたアラバが大慌てで空中を泳ぎながら、此方へとやって来た。
「サンラク!ペッパー!大丈夫か!?」
「おぉ、アラバじゃねーか。此方は無事だぜ?」
「アラバさん、さっき俺達『冥帝鯱』と戦っていたんです」
二人は冥帝鯱との激闘を語った所、アラバが目を見開きながら叫んだのだ。
「な、ななな……!?君達は『深海の帝王』と戦ったのか!?」
「えぇ、俺とサンラクで。ルルイアスの環境が無ければ、正直勝つのは難しかったです」
「あのビームはなぁ………アレはマジでヤバかったわ」
「そ、そうなのか………」
引き吊った顔をしながら、アラバは話をし始める。
「万が一、万が一にも深海の帝王と海中で出逢ったなら、己の死を真っ先に覚悟しなくてはいけないのだ。我々
そう言ったアラバに、ペッパーとサンラクはハッとなる。冥帝鯱のドロップアイテムの中に在った、変わった刀身を持つ錆び付き果てた『片手剣』。おそらくアラバの言っていた、魚人族の英雄・ゲネテレが所持していた武器なのだと。
「あ、あの~……アラバさん?もしかしてですけど………其のゲネテレさんが持っていたっていう片手剣、名前は『アスカロン』だったりしませんか?」
「む?あ、あぁ……そうだが……?」
「えと……
そうしてインベントリアを操作、朽ち果てたアスカロンを取り出して見せると、アラバがペッパーの肩を掴む。
「ま、間違いない!!コレはゲネテレが振るった伝説の武器・アスカロン………!ペッパー、サンラク!二人共、よくぞ……よくぞ生き残った………!」
環境に助けられた形とはいえ、自分達が成し遂げた事はアラバからすれば相当な偉業らしく、彼からは涙を流して抱き付かれ、背中をバシバシと叩かれた。
「あ、あのアラバさん。此の武器、魚人族の宝物ならば御譲りしますが………?」
「本当か!?……確かにアスカロンは我々魚人族にとって『大切な武器』だが……『コレ』は俺では無く、君が手にした物だ。きっと其れには『何か意味』が有る。だから何時か……君達が『魚人族の都』を訪れる事が出来たなら、長たる者に其れを見せて欲しい。約束してくれるか?」
「解りました。何時か必ず」
アラバはそう言い、ペッパーに朽ち果てたアスカロンを託し。ペッパーは力強く頷いたのである。そうして無事、セーブポイントを作った建物に帰ったアラバ・ペッパー・サンラクは、ベッドにて眠るヴォーパルバニーズとスチューデを見て。ペッパーは一足先にログアウトすると言うと、サンラクはアラバに食べられる魚かどうか鑑定して貰いつつ、もう少しルルイアスで稼いでくると言って。
ペッパーは建物二階に在るベッドでセーブを行い、此の日のシャンフロを終えたのであった………。
「はぁ~疲れ………何してんの永遠?」
シャンフロの『
「やぁやぁ、あーくん。シャンフロ楽しかったかな?私、明日の早朝に仕事場へ向かうからさ。最後に最高の交わりをしたいのだよ」
ドヤ顔&ハート目&頬を赤に染め、バニースーツの胸部分から『ゴムの入った3連袋×5』を引き出して来る永遠は、ペロリと舌舐め擦りして其の内の1つを破り、装着してきた。
「…………始発は確認したか?此方は明日バイトが有るから、其れに支障が出ない様にしてくれよ?」
「ちゃあんと確認したよ、あーくん。念には念を入れて、髪型とアイシャドウを含めて変えて帰るからね。其の為の着替えも、ちゃんと用意したんだから♪じゃあ…………『ヤろうか』?」
「…………御手柔らかに、御願いします」
「あーくん………だぁいすき♪」
「俺もだよ、永遠」
口付けを交わし、梓と永遠は身体を重ねる。指を絡め、舌を絡め、熱と熱が繋がり。打ち付ける音と共に、淫らな水音と兎の甘声が、静かな室内で鳴る。
小さなアパートの一室、一つ屋根の下で一組の男女が、何度目とも言える繋がりに至るのだった………。
帝王を倒し、兎が踊る
Q:アスカロンは何で冥帝鯱の体内に在ったの?
A:亡骸に成った当時の冥帝鯱の近くに在ったアスカロンを他の深海生物が取り込んで、其れを他の生物が食べるを繰り返し続けて、現在の冥帝鯱の腹の中に収まってた。
というか単純に消化されたり、砕かれたりする事も無く、ついさっきの自爆にすら耐えて、ペッパーが手にする此の瞬間まで、世界に遺っていたアスカロンの耐久が純粋にヤバい。ずっと昔の片手剣なのに。
因みにアスカロンのモチーフは『バトルスピリッツ』の闇の赤きソードブレイブ『
???『次ログインしたら、驚かせよう』