VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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セーブポイントに帰還して




情報を共有し、開拓者達は答えを導く

「どーしよっかなぁ……」

 

魔法攻撃無効の封将 クリーオー・クティーラの討伐、そして深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)の起動に必要なエネルギータンクの一つを入手したサンラク一行は、ゾンビパニックや人魚の妨害に逢いながらも、セーブポイントへ帰還していた。

 

「取り敢えずバッカルコーン討伐は報せるとして、だ。他の封将が何を無効化するのかは、確認しとかなきゃ駄目だな」

 

魔法を無効にする事から、先ず間違い無くスキルを無効にする封将は居る。そしてクターニッドは反転の力を行使、理を超越して死をも覆してしまう超常存在。其れに勝つには、残りの塔に座す三体の封将討伐は、絶対必須案件だろう。

 

「スキルと魔法………八つのエネルギータンクに八つの反転………。元々の物を変えられるって事は、奴は何を『対』にして反転させている?」

 

対極(・・)━━━━━其れがサンラクが考えるクターニッドの力の『根幹』に当たる物への『予想』だった。水と油、陰と陽、表と裏、そして磁石の極。反転には『二つの要素』が成立していないと、其の出鱈目極まる超常能力は使えない。彼はそう考えているのである。

 

「サンラクさんが、まぁた変な事をぼやき始めたですわ………」

「ふむふむ……サンラクはんも考えるのが好きなのさね」

「何だかよく解りませんけど、迷ったなら突撃しましょう!」

「死にに行く事は、ヴォーパル魂とは言わんで御座るよ秋津茜(アキツアカネ)殿」

「策無しの突撃はどうかと思いますよ…………」

「ぼ、僕様は一刻も早く此処を出たいぞ!」

「一先ず封将の一角は崩せたが……」

 

今居るプレイヤーとNPCが色々と言っている。

 

「…………俺達が見ている此の視界、其の何かを変えられたりとか?…………出来なくは無いか、クターニッドなら」

 

取り敢えずの結論を出したサンラクは、バッカルコーンことクリーオー・クティーラ討伐の報告をする事とし、秋津茜を含むユニークシナリオ参加メンバーで連絡が着く全員に、新しいチャット部屋『ルルイアス攻略最前線』を作り、パスワードを転送。

 

其の時のメンバーのやり取りが此れである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ルルイアス攻略最前線】

 

サンラク:えー、先程クリオネ女こと魔法無効能力持ち封将 クリーオー・クティーラを俺と秋津茜、アラバ・アイトゥイル・シークルゥの五人でブッ飛ばしてました

 

秋津茜:倒してきました!触手が八本、高速で飛んできました!

 

レーザーカジキ:お魚さんを冒涜するモンスターとも戦いました!

 

ペンシルゴン:おつかれ。どうだった?

 

サンラク:正直に言うとバッカルコーンの絡み付け攻撃が早いだけの紙装甲だったわ

 

サンラク:何て言うか………寒天ゼリーみたいな防御力

 

オイカッツォ:きゅうけーい

 

ペッパー:御昼休憩

 

京極:僕も休憩時間

 

ルスト:防御力は低かったの?

 

モルド:参加です

 

サンラク:お、来たな

 

オイカッツォ:で、クリオネブッ飛ばして何か出たのか?

 

ペッパー:サンラク、説明頼む

 

サンラク:大剣でバッカルコーンは仏陀斬れたし、クリオネ女の本体自体も硬くも無かったわ。ドロップアイテムはクリオネ女由来の物、後は………ルストとモルド、二人はクランに入る気は有るか?

 

ルスト:ん?

 

モルド:へ?

 

ペンシルゴン:ん?

 

京極:おや?

 

オイカッツォ:ん?

 

ペッパー:?

 

秋津茜:サンラクさん?

 

レーザーカジキ:?

 

サンラク:ロボットをクラン所有にするつもりだが、参加するか?あぁ、一言付け加えるならノルマ的な物は一切無い。此の情報は話すにしても秘匿して欲しいんだわ

 

ルスト:つまり、其のクランに入れば………ロボットを扱える、と?

 

サンラク:そゆこと。どうする?

 

ルスト:解った、参加する。其の情報も秘匿する

 

モルド:僕も良いかな?

 

サンラク:という訳なんだが、ペッパー

 

ペッパー:即決かよ………まぁ、スカウトするつもりだったので、歓迎します。で、だ………サンラク。其の情報とは?

 

サンラク:クターニッドの一式装備を動かす為の、八つ有るエネルギータンクの内の一個を手にした

 

ペンシルゴン:うん?

 

オイカッツォ:マ?

 

京極:え?

 

レーザーカジキ:へ?

 

ルスト:一式装備………パワードスーツ?

 

モルド:其れ本当?

 

秋津茜:黄緑色の宝石です!

 

ペッパー:マジか………封将倒すと一個出るのか………

 

ペンシルゴン:………………ねぇ、あーくん。其の口調から察するに、君もサンラク君が手にしたのと同じ宝石を持ってるのかな?

 

オイカッツォ:マジ?

 

ペッパー:相変わらず察しが良い…………。何れにせよ、コレに関しては話すつもりでいたし

 

ペッパー:深淵を見定む蛸極王装、読みをオクタゴラス・アビスフォルガ。クターニッドと力を分けた一式装備で、俺は変な女性の石像に嵌まっていた物からゲットした

 

ペッパー:色は緑と紫、因みに石像の奴は謎解きをしなきゃ手に入らなかった

 

ペッパー:緑はエメラルドで、目を閉じて引っこ抜いたらゲット。紫はアメジストで、回復ポーションを振り掛けたらゲット出来た

 

サンラク:……………紫が想像以上に悪辣過ぎて草枯れたわ

 

オイカッツォ:紫の能力エグくね?

 

京極:ヤバいね、其れ

 

レーザーカジキ:えっと……どういう事ですか?

 

ルスト:…………回復の反転

 

モルド:あ、そうか!そういう事か!

 

ペッパー:そう。紫は回復を反転させる。ダメージを与える行為が回復へ、回復する行為がダメージへ変わる

 

ペンシルゴン:毒とかのスリップダメージもリジェネに変わる感じかぁ……。エグいなぁ、其れは

 

サンラク:となると、回復ポーションは残しときたいな。万が一って事があるだろうし。ルルイアスの魚は食べると回復出来る奴が有るって、アラバの鑑定で判明したからな

 

ペッパー:………でだ。多分なんだがクターニッドを撃破すれば、確定で世界の真理書と八つの要素を反転させられる何かを報酬として貰えると思う。其の中には性別反転も有るかも知れない

 

レーザーカジキ:性別反転……ですか?

 

オイカッツォ:マジかよ、クターニッド

 

京極:女性アバターが男性アバターになるって事?

 

秋津茜:凄いですね!

 

ルスト:モルドの性別変わった姿が気になる

 

モルド:えっと、今判っているのは魔法と視界と回復、あとは………スキルと性別も可能性に?

 

サンラク:其の辺りだな。正直、封将の一角がスキル無効能力だとして、残りは何を無効化してるのか解らねぇから、其れを確かめて見るわ

 

オイカッツォ:………ペッパー。其のクターニッドの一式装備、俺に一番で使わせてくれるなら情報渡す用意が有る………って言ったら。お前はどうする?

 

ペッパー:えっ?

 

ペンシルゴン:カッツォ君?

 

サンラク:お?

 

秋津茜:?

 

レーザーカジキ:へ?

 

京極:うん?

 

ルスト:?

 

モルド:?

 

ペッパー:………解った。話してくれ

 

オイカッツォ:女性の石像に嵌まってた、ブリオレットカットのサファイア、エネルギータンクの一つを俺は持ってる

 

ペッパー:……………マジか、ナイスだオイカッツォ

 

サンラク:青はネカマじゃなきゃ取れなかったタイプか………ユニーク自発出来ないくせに、絡んだら仕事はしやがるの流石総受け魚類だわ

 

ペンシルゴン:いやぁ、ファインプレーだねオイカッツォ君。ユニーク自発出来ないけど、要所要所で良い仕事をしてくれるよ

 

京極:ユニーク自発出来ない代わりに、局地的に仕事が出来るのって大事だもんね?

 

オイカッツォ:お?其処の外道三人組、遠回しで喧嘩売ってる?今なら大特価で買い取ってやるよ?

 

ペッパー:まぁまぁ、落ち着け。取り敢えず、オイカッツォはクターニッドの一式装備を手にしたら、ちゃんと一番乗りさせるから。ただ、装備ステータスが足らない場合が有るかも知れないから注意しといて

 

オイカッツォ:よっしゃ!……とは言い切れない、か

 

サンラク:装備出来ないに一票

 

ペンシルゴン:サンラク君に同意

 

京極:前二人に便乗

 

オイカッツォ:装備出来たら、キッチリ煽ってやるから覚悟しとけよ外道組………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、だ。秋津茜とレーザーカジキは此れからの予定は?」

 

話し合いの結果、クターニッドの反転の力の半数近くが判明した事でサンラクはチャット部屋から退出し、他の封将の能力を確かめるべく動き出す為、今居るメンバーの予定を聞いた。

 

「私は昼食と午後はテスト勉強をしてきます!」

「僕はアラバさんと少し話をします」

「私はサンラクさんに付いていくですわ!」

「ならワイは、シー兄さんと一緒にスチューデはん達の護衛兼留守番をするのさ」

「任せるで御座るよ」

「解った。各自武運を祈る」

 

そうしてサンラクはエムルを連れて、ルルイアスの四方に聳え立つ反射の塔の一つへと向かい、動き出したのだった………。

 

 

 

 

 






戦いは続く


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