舞い戻る
反転都市ルルイアスに存在し、幾多もの淡い青に染まる家屋は、昼間の間は腐れつみれ或いはマーマンゾンビ等と呼ばれる其れ等が徘徊する街並みに塔を、七日間という期間で攻略する為に侵入可能な場所では、セーブ&ログインログアウトが出来る様になっている。
其の内の一つ、他と比べれば貧相な街外れの小さな一軒家の扉を丁寧に、壊さない様にゆっくりと開きながら、周囲を確認して
「陽務君………
夜の帝王との死闘で解き放った、アルマゲドンの反動によるデバフは抜けている。足を引っ張り続けた制約と、自身の恋路を邪魔するゴタゴタは、確りと
だがしかし、シナリオ開始から無言でのログアウトに加え、ログイン出来ずに半日経過という事態。其れもユニークシナリオEX開始直後からの離脱、そう簡単に許されないと思っている。
其れでも───────此のまま謝らずに彼等の元に戻ろうなら、其れこそ『旅狼の移籍』に大きく関わる事は避けられない。
「…………急がないと、謝らなくちゃ………!」
ユニーク一式装備・双貌の鎧と
其の刹那、上空を突き破り水柱を上げながら落ちてくる、巨大なヤドカリと其の背中に乗る蝦蛄が、彼女の視界に映ると共に、一人の男の声がルルイアスに響き渡る。
『全員、敵襲ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!』
(今の声、ペッパーさん………!待っていて、
敏捷系強化スキルや魔法を使い、最大火力が走り出す。今までルルイアス攻略に加われず、出遅れしてしまった分を、あの巨大ヤドカリと蝦蛄の討伐を
「何じゃあのヤドカリ!?背中にシャコ乗せてねーか!?」
「でっかいですわ!?めっちゃ大きいですわ!?」
「巨大なお城ですね!」
「何という巨体……!」
「でかい……」
「なにあれ……あんなモンスター初めて見たよ……」
「大きなヤドカリさんに、大きなシャコさん……!」
「あんなモンスターも居んだね……!」
ペッパーの声をトリガーに、同時に動いた捜索隊の面々が建物の合間より見たのは、少し離れた位置に着地した、巨大ヤドカリと巨大蝦蛄のコンビ。
遠かれど尚も巨大な『動く山』或いは『機動要塞』たる其れは、凝視した事により『アーコリウム・ハーミット"
「ねぇ、サンラク。あのモンスターだけどさ……何だったけ?えっと……『えくーぞでぃーなり』ってヤツじゃない?」
「『エクゾーディナリー』な、京ティメット。どうやらモンスターの名前の最後に、四文字が付く奴が其れらしいな」
嘗て死火山にてブルックスランバー"
頭部口元を四本の突起物が折り畳まれて収納され、伊勢海老の如く髭と足を備え。赤い血の色に似る表面の甲殻達には如何にも毒と言わんばかりの、無数の紫の小さな棘達が陳列。
尾節部分が五つに分かれ、各々が蠍の尾の様に分離した其れは、サンラクからすれば『キメラモンハナシャコ』と呼ぶに相応しく、凝視して見た所『キリューシャン・スフュール"
「おいおいおい、嘘だろ!?あのキメラモンハナシャコもエクゾーディナリーかよ!?」
「って事は両方討伐すれば、
事態を重く見たサンラクとは裏腹に、
「ペッパーやべーぞ!あのキメラモンハナシャコも要塞ヤドカリと同じ、エクゾーディナリーモンスターだ!」
「マジかよオイ!?」
まさかのエクゾーディナリーモンスターが二体同時襲撃というヤバい事態に、ペッパーもNPCも居る事を踏まえて、パーティーに指示を出した。
「アイトゥイルとノワ、エムルさんとシークルゥさんは俺と一緒に一度後ろへ!皆はアーコリウム・ハーミットとキリューシャン・スフュールが何をしてくるか解らない以上、一旦様子見と攻撃モーションの確認から!!敵の攻撃から兎に角生き残る事を最優先に、特にシャコの『パンチ攻撃』は地上としても水中としても扱われてる『反転都市ルルイアスの性質』と、相性が鬼レベルでヤバい!注意して!!」
『了解!』
いの一番にやらなくてはならないのが、サンラク呼称のキメラモンハナシャコの進路を変更させる事だ。此のままで進軍を許せば、あの蝦蛄の行く先に在るクターニッドの一式装備を動かすエネルギータンクが埋め込まれた、女性の石像を踏み潰す危険すら有る。
特定のアクションをしなければ引っこ抜けず、攻撃も弾かれる反射の力で護られてはいるが、絶対に安心してはいけない。先ずはあの蝦蛄とヤドカリを倒して、脅威を排除する事が最優先事項だ。
彼等彼女等のパーティーは、今此の刻此の瞬間を以て『一式装備エネルギータンク捜索隊』を改め、新たに『要塞ヤドカリ&巨大蝦蛄討伐隊』へと
強敵を打ち倒せ