VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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君達は如何に攻略する?




死なぬなら 蘇生(おこ)してしまえ ホトトギス

スレーギヴン・キャリアングラー。

 

其れは『冥府(めいふ)深海(しんかい)』に住まい、深海の王 アトランティクス・レプノルカと海の森 アーコリウム・ハーミットと並ぶ頂点捕食者の一体であり、深海三強の一角に座す巨大な鮟鱇のモンスター。

 

此のモンスターは共通して、自分の体内から『特殊なフェロモン』を海中に撒き散らす能力を持ち合わせており、自身と異性の生物をフェロモンによって魅了し、己の眷属として使役し、戦闘に備えて他眷属と合成し、より於曾ましき姿へと改造する事が出来る。

 

そうして眷属として従えた多種多様な生態系と共に、海を泳いで行きながら、更なる生物を取り込んで軍隊とする姿は、まさに『巨大な空母と艦載機』の様相を呈するのだ。

 

 

 

────────────だが。

 

 

 

スレーギヴン・キャリアングラーが取り込んだ異性のモンスター達の中には、極稀ながら『寄生生物』に感染したモノが取り込まれる事がある。

 

其れは巨大な『依り代』を、己の住みかとなる『身体』を求め、食物連鎖を通して次々と『乗り換え』ながら、軈て深海の空母 スレーギヴン・キャリアングラーに辿り着く。

 

身を潜め、牙を潜め、依り代としたモノを『操り』。巨大な空母に接触した瞬間に、其れ(・・)は接触感染或いは媒介物感染を以て、スレーギヴン・キャリアングラーの身体へと潜り込む。

 

其れはまるでカタツムリに感染し、本体を殺して乗っ取る『ロイコクロリディウム』のように、深海の空母の脳を破壊して本体を殺害、己が意のままに生きる為の身体に使い、来るべき時に再び同じ事を繰り返す為に備えるのだ。

 

だが、生命活動を停止したスレーギヴン・キャリアングラーの身体は腐り落ちていき、軈ては深海の世界で朽ち果てて消えていく。死体が消える其の時まで、死した空母は更なる生物達を求めて、フェロモンを撒き散らし続ける『動く厄災』となる。

 

死せるが故に、死なずの怪物──────そうして誕生したモンスターこそが、不世出の存在(エクゾーディナリーモンスター)『スレーギヴン・キャリアングラー"傀儡羅針(コンパペット)"』。

 

死を越えた者は殺せない。其れを救えるのは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!??」

「やべーって!!!何あの『空母』!?さっきから魚飛ばして来てんだけど!?」

「爆撃が止まらないね……!」

「さっきから本体叩いてみてるが、全然ダメージが入ってない!しかもコイツ、多分『死んでる』!!」

「サンラクザン、サンラクザン!?此れヤバいですわ、死ぬ死ぬ死ぬですわぁぁぁぁぁぁ!!」

「エムル、此処がヴォーパル魂の見せ所なのさ!」

『ウォルァア!!!』

 

ペッパーが空中を駆け抜け、刻蓬封点認視界(エディア・キュリス・ウラタナ)&龍脈を映す視覚(ドラスティエル・ナルクト)のダブルスキルコンボを用い、空中から地上に降りてきたスレーギヴン・キャリアングラー、其の不世出存在の体内と電気信号を見たペッパーが叫び、メンバーに状況を伝える。

 

死という一種の『境界線』を越えた事で、フェロモンを効率的に放つといった『タガが外れた』のか、無造作に撒き散らされてた其れによって眷属となり、無作為に改造された生物達が開拓者とNPCに襲い掛かって、ルルイアスの一区画は無差別絨毯爆撃と高速ホーミングによる、地獄の様相を呈していた。

 

しかも厄介な事にスレーギヴン・キャリアングラー"傀儡羅針(コンパペット)"から撒き散らされるフェロモンは、クターニッドの力によって眷属に変えられたマーマンゾンビ達にも適応され、彼等は迎えに来たジャンボジェットマンタによって空母の元へ送られ、其処で改造を施された奴等から順に『特攻爆弾』となって此方に襲い掛かって来る。

 

「此れどーするよ!?アイツ時々降りてくるけど、正直近付ける自信無いんだが!?ウェザエモンの麒麟の方が、まだ勝ち目有りそうなんだけど!?」

「空中移動可能なあーくんか、あーくんが持ってる籠脚(ガントレッグ)で空中戦仕掛けなきゃ、多分近付けないだろうね!」

 

オイカッツォが叫び、ペンシルゴンが答える。嘗て戦ったユニークモンスター・墓守のウェザエモンが呼び出した、戦術機馬(せんじゅつきば)麒麟(きりん)。ビームやミサイルを放っては、縦横無尽にフィールドを駆け抜ける暴れ馬だったが、此の鮟鱇よりも彼方の方がまだ良いと、オイカッツォは言うのだ。

 

「レアエネミーだろうと、ユニークモンスターレベルの理不尽は無いと思いたいけど……!っお、あぶねぇっ!!?」

「おりゃあ!」

「せいっ!」

「はあああっ!!!」

 

ホーミング()に当たりそうになりながら、ペッパーは此れを躱わしつつも、ルルイアスの家屋や地面に刺さるよう誘導し、着弾した所をペンシルゴンやサンラク、オイカッツォにアイトゥイルとエムル、そしてノワが空母に回収されて再利用されないように立ち回る。

 

だが此のままでは、何れにせよジリ貧になるのは目に見えており、何かしらの解決策を導かなくてはならないのは、全員同じ考えに行き着いていた。

 

「全く、気分はウェザエモンさんとの戦いを彷彿とさせる『耐久戦』だな………ったくよ!」

「あっちは飛んでるし、爆撃は仕掛けるし、まともに触れさせるつもりが無いでしょアレは……!」

「クソアンコウがぁ………狩ったら其の素材、色々と利用させて貰おうじゃねぇか………!」

 

ペッパー・オイカッツォ・サンラクが再び空へと上がって行き、眷属として加えたマーマンゾンビ達を改造していくのを見上げながら呟いた時だった。

 

「ねぇ、皆。多分なんだけど私─────あの巨大鮟鱇の倒し方(・・・)が判ったかも知れない」

 

ペンシルゴンが笑う。其の笑みは嘗て無い程に『邪悪』にして、相応に付き合いが有るサンラク・オイカッツォは、額に冷や汗を滴し。そして彼女はこんな『一句』を読んだのである。

 

 

 

「フフフ…………『死なぬなら 蘇生(おこ)してしまえ ホトトギス』………ってね」

 

 

 

と。

 

 

 

 

 






閃いた攻略法


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