VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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一式装備に隠された秘密




倶なる天に示す証明(ホシ) 其の四

高潔度(こうけつど)…………其れはシャングリラ・フロンティアにおける『ヴォーパル魂』や『歴戦値』と並ぶ、ステータス画面では確認出来ない(・・・・・・・・・・・・・・・)謂わば『隠しステータス』の一種に当たる要素である。

 

此の世界を生きるNPCやプレイヤーに対して、如何に『真摯』に接する事が出来るか、自身と戦うNPCやプレイヤー、モンスターに対して如何に『敬意』を持てるかが鍵となる数値。

 

簡単な挨拶等でも真剣に行ったり、プレイヤー・NPC・モンスターとの戦闘でも、『今からお前を倒す』や『戦ってくれてありがとう』等で敬意を敬えば上昇し、煽りを行えば下落するように出来ているのだ。

 

「ペッパー、ちょっと高潔度の数値の上げ方教えてくんない?」

「いや、高潔度って……まさか装備条件なの?」

 

「うん」と頷くオイカッツォに「えぇ……」とペッパーは遠い目をして。

 

「ヘイ、オイカッツォ~???一番乗りしようとしてステータス足らなくて、結局装備出来なかった気分はどーだ~???んんん~~~???」

「ちょっ、サンラク君魚頭で煽るの止めて吹きそうだから………プフッ」

「というか異様に生臭いんだけど………後死んだ魚の目向けないで笑いそうになるから」

「同情するなら高潔度寄越せ外道三人衆………!!!」

 

何時の間にか頭装備をリッチマン・キング・サーモンの頭面(かしらめん)に切り替えていたサンラクが火蓋を切り、ペンシルゴンと京極(キョウアルティメット)がオイカッツォを囲んで煽り、オイカッツォが歯軋りしながら三人を睨む姿を見ながら、嗚呼こりゃ四人とも高潔度がダダ下がりしてるなぁ………と、そう思わざるを得なかった。

 

「因みに六道極円盾(リクドウキョクエンジュン)天獄(テンゴク)の要求ステータスってどんな感じなの?」

「………………体力100・筋力80・器用100、そんで高潔度300」

「…………マジかぁ。取り敢えずクターニッドとの戦闘が終わったら、挨拶してみたらどうかな?」

 

装備に隠しステータスを要求してくるというトラップは知っていたが、まだ見付かっていない他の一式装備の中に、隠しステータスを必要とする可能性を考慮しつつ、自身のステータスを開いた所、規定値を充たしている事を確認して安堵する。

 

他のメンバーを見れば、ステータスが足らずに凹む者や装備出来るとホッとしている者の二極に分かれ、混沌の気配が漂う中でオイカッツォは纏っていた装備を外して、自身は着替えながらペッパーに返してきた。

 

「今回一式は装備出来なかったけど、優先順位は俺が一番だからな。覚えとけよペッパー」

「解ったよ、オイカッツォ」

 

オイカッツォから受け取り、装備を脚から取り替えて。最後に意を決して天獄を左手で握ると、ちゃんと装備出来たので一安心となり。一体どんな状態なのかとステータスを開き…………目を丸くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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PN:ペッパー【天津気(アマツキ)

 

 

レベル:99 Extend

 

 

メイン職業(ジョブ):星駆ける者(スターランナー)

サブ職業(ジョブ):神秘(アルカナム)運命の輪(ホイール.オブ.フォーチュン)

 

 

体力 50130(FCB+50000) 魔力 50

スタミナ 213

筋力 160 敏捷 200

器用 135 技量 135

耐久力 50003 幸運 200

 

 

残りポイント:71

 

 

 

 

装備

 

左:六道極円盾(リクドウキョクエンジュン)天獄(テンゴク)(耐久値+10000)

右:リュカオーンの愛呪(あいじゅ)

両脚:無し

 

 

頭装備:天輪界道(テンリンカイドウ)導羅(ドウラ)(耐久値+10000)

胴装備:天輪界道(テンリンカイドウ)導人(ドウジン)(耐久値+10000)

腰装備:天輪界道(テンリンカイドウ)導生(ドウセイ)(耐久値+10000)

脚装備:天輪界道(テンリンカイドウ)導鬼(ドウキ)(耐久値+10000)

 

 

 

FCB:無限潜航・巨剛触手・状況改変

 

 

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

巨剛触手:無し

 

 

 

 

アクセサリー

 

 

致命魂(ヴォーパルだましい)腕輪(うでわ)

格納鍵(かくのうけん)インベントリア

超星時煌宝珠(クロック・スタリオン)

・旅人のマント(耐久力+2) 

・革のフィンガーレスグローブ(器用補正:小)

 

 

 

所持金:10,941,210マーニ

 

 

 

 

不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)

 

 

 

窮速走破(トップガン)

偉風導動(リーガルック)

守示貫鐵(ファースリィオ)

 

 

 

致命極技(ヴォーパルヴァーツ)

 

 

致命極技(ヴォーパルヴァーツ):太刀型(たちがた)晴謳(ハレウタイ)】……次ノ巻

致命極技(ヴォーパルヴァーツ):闘撃型(とうげきがた)那由多轍(ナユタワダチ)】……始ノ巻

致命極技(ヴォーパルヴァーツ):爆鎚型(ばくついがた)断層激震(ダンソウゲキシン)】……未習得

 

 

 

致命武技

 

 

 

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【タチキリワカチ】改備(あらためぞなえ)

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【オウツキノアカシ】改備(あらためぞなえ)

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【ウツロウミカガミ】改備(あらためぞなえ)

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【ヒゲツオロシ】

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【サキガケルミゴコロ】改備(あらためぞなえ)

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【ゲッカケンセキ】

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【オボロサイダン】

致命秘奥(ヴォーパルひおう)【オウマゼッカイ】

 

 

 

 

星天秘技(スターアーツ)

 

 

・ミルキーウェイ

・グラヴィトン・レイ

 

 

 

晴天流(せいてんりゅう)

 

【風】

・晴天流「疾風(はやかぜ)

 

 

 

 

 

スキル

 

 

死神の斬撃(デス・マサカー)昇華(スタンバイ)

終極刺突(グルガ・ウィズ)昇華(スタンバイ)

真界観測眼(クォンタムゲイズ)昇華(スタンバイ)

・ブランチャイズ・スロー

・シルヴァディ・スティングレイ

頂天律驚歩(ヌフールァウォーク)昇華(スタンバイ)

巨人兵の大厳撃覇(ジャイアント・インパクト)昇華(スタンバイ)

冥土神の裁き(ヘカーティエ・ジャッジメント)昇華(スタンバイ)

聖攣の神覇業(ウルク・フォルセティ)昇華(スタンバイ)

戦帝王の煌炉心(オライオン・スピリッツ)昇華(スタンバイ)

戦神の心構え(モンチュ・レ・プライド)昇華(スタンバイ)

神威光臨進(かむいこうりんしん)

・レーアドライヴ・アクセラレート・昇華(スタンバイ)

神律燼風(しんりつじんふう)昇華(スタンバイ)

獣神斬滅(じゅうしんざんめつ)

神謳万雷(しんおうばんらい)昇華(スタンバイ)

轟烈迅速(ヴスティオ・ファーレ)

・ジャイロヴォース・スロー

神腕魔擲(しんわんまてき)

・トゥワイス・ジャンピング

天空神の加護(レプライ・ウーラノス)昇華(スタンバイ)

奮魂絶闘(オーバード・ソウル)昇華(スタンバイ)

・チューンブレイク・ストライカー

風暴鬼の飛脚(マルトリアス・レッグス)

破戒神の舞脚(カルナダーハ・シヴァ)昇華(スタンバイ)

英雄王の威光(ギルガメッシュ・サイン)昇華(スタンバイ)

絶技(ぜつぎ)太陽斬覇(たいようざんは)

蓮華音穏(れんかねおん)

連刃結(れんじんむすび)九十九(つくも)

刃閃鑼(じんせんら)波狼(はろう)

刻蓬封点認視界(エディア・キュリス・ウラタナ)

龍脈を映す視覚(ドラスティエル・ナルクト)

速刃(そくじん)晴空(はれそら)

・エクストライズ・トリデュート

煌軌連刃(こうきれんじん)

爆芯輪転蹴(メテオ・ドリンラム)

雫波状(しずくはじょう)澄蓮華(スミレンゲ)

・ポルータナリッグ・ゼイリアス

・タイタニアス・スタンパー

拳掌百手(けんしょうひゃくしゅ)

旭天昇昂(きょくてんしょうこう)

局極到六感(スート・イミュテーション)昇華(スタンバイ)

居合(いあい)切空(きりそら)

天空の帝王眼(ラトゥルスカ・インペリアイズ)

天壱夢鳳(てんいむほう)昇華(スタンバイ)

・セルタレイト・ケルネイアー

・フォートレスブレイカー

連剣秀速迅舞(ソードブレイズ・シュティーア)

・グローイング・ピアス

・セルタレイト・ヴァラエーナ

窮極致超越(アレフ・オブ・トランジェント)

輪天翔律(りんてんしょうりつ)

秀越なる鎚撃(オルフェイム・タンザライナ)

巧運勝闘技(デュエル・トリスティル)

境鳴絶壊昴打(シューヴェイト・ラプソディ)

・セルタレイト・ミュルティムス

王斬儀咲(おうざんぎしょう)阿修羅刃理(あしゅらじんり)

刃王斬(ばおうざん)黄泉(よみ)

刃舞(じんぶ)廻旋(りんせん)

・パウリングレッグス レベル1

・デッドオアサバイヴ

・シャイニングアサルト レベルMAX

・ファウラム・チャージング

・グラビティゼロ レベルMAX

五天無双(ごてんむそう)

剣王武心(マスラオ・センス)

・ティオ・チャクラ レベル1

・メダリオンフィスト

・ストレングス・キャリアー

・シャルク・スライダー

反撃衝突(コリージョンカウンター)

皸旒投刹(くんりゅうとうせつ)

・アンストライク・ビリーブ

・ルーパス・アサイラム

・シールディア・サフレィト

徹硬鋼突(てっこうこうとつ)

英雄覇颯(ヒーロースプリーム)

盾士の憤撃(レイジングシールド)

・ハリケーン・ハルーケン

渾魂注撃(ストライク・インストーラ)

魔寅王の掌撃(ギルスティーガ・デクタム)

・スリックランペイジ

・セルタレイト・スラッシャー

守護者の威厳(ヘイルス・ガーディア)

獄貫手(ごくかんしゅ) レベル4

・テンカウンター

・キック・バスター レベル1

眼力適応(ディチューン・アイ)

・ビート・ラン

・ブーストアップ レベル1

・メロスティック・フット

・荒割り レベル1

迅横(じんおう)()

・タップステップ

 

 

 

 

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全種装備状態時には巨剛触手による装備欄が追加されたりだとか、六道極円盾:天獄の耐久値が勇者武器の聖盾(せいじゅん)イーディスの三倍だとか、色々と言いたい部分も有るが、一番は体力が『五万』も上昇するという衝撃の事実であり。

 

此の体力の具合からユニークモンスター・深淵のクターニッドはスレーギウン・キャリアングラー達以上の『体力お化けモンスター』であると、ペッパーは予測する。

 

「あれ………?ねぇ、あーくん。私さらっと流してたけど、君クターニッドの一式装備装着出来るんだよね?」

「ん?あぁ…………へ?」

 

そしてそんな中、ペンシルゴンだけがクターニッドの一式装備の『特殊性』に気付き。ペッパーも時間を置いて、其の能力に気付くに至った。

 

「あ、もしかして………!」

「うん。クターニッドの一式装備、コレ条件を充たせば『男女どっちでも着れる装備』なんだ………!」

 

女性アバターのオイカッツォと、男性アバターのペッパーが装備出来た事で発覚した、ユニーク一式装備の深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)の特色。其れは七つ在る神代の大いなる遺産達の中で、唯一無二(・・・・)の男女兼用装備が可能だったのだ。

 

「マジで?」

「マジ」

「マジかぁ……そりゃ夢が広がるな!」

「ぼ、僕も着れる……でしょうか?」

「必要ステータスを満たせば行けるはずだ」

 

ワイワイと盛り上がる中、一旦話を切り上げて。いよいよ本題たるルストに渡していた、王冠を復活させる方向へとシフトする。

 

「さて、宝石を王冠に嵌める訳だが………」

「あれ、嵌まんない……ッ!」

「サンラク貸して、こう……!」

「いやいや、こうでしょ……っと!あれ?」

「こりゃ壊すのが正解か?」

「私!パズル得意ですよ!」

「微力ですが、御手伝いします……!」

 

サンラクとルスト、オイカッツォが挑んでいるが宝石は一向に嵌まらず、秋津茜(アキツアカネ)とレーザーカジキに王冠と宝石を託され。カチャカチャと弄っている内にレーザーカジキが宝石を反転させた事で、ガッチリと嵌まったのを切っ掛けに、次々と宝石が王冠に埋め込まれていく。

 

「クターニッドが反対にしてたんでしょうか……?」

「反対にしたら嵌まりましたね……あ、王冠が……!」

 

レーザーカジキが王冠を前に出せば、まるで黄金が這うようにして青カビを覆い尽くし、十数秒もしない内に金色に輝く王権の象徴が其処には在った。

 

「このままクターニッドとの決戦か……?」

「どうだろう、まだ解らない…………」

 

取り敢えず未だなのかと思い、城を探索せんとした、まさに其の時。ルルイアス全体(・・)が大きく揺れた。其の揺れはルルイアスのほぼ中央に居る、プレイヤーもNPC達も例外ではなく、漏れ無く全員が其の大規模な揺れによって体勢を崩される。

 

「うおわ!?」

「おいおいおいおい!?まさか、時間差か!?」

「このままクターニッド戦に直行ッ!?」

「……その可能性は、高い……!」

「ルストォ!!」

「ッ………動けない、です」

「わわわっ……!」

「くっ………来るか、クターニッド………!」

「全員警戒!何が起き………!?」

 

 

皆各々の武器を取り出しながらも、立っていられないほどに揺れ始めたベッドルーム。しかし一向に最初に牙を剥いたのは、自分達が居る空間其の物で(・・・・)

 

ペッパーがいの一番に気付き、視認したのはプレイヤーやNPC以外の全てのオブジェクトに、砂嵐に似た『ノイズ』が走っているのだから。だがしかし、他のメンバー全員に伝えるよりも速く───────

 

 

「うわっ!?」

「は?」

「って!?」

「はいっ!?」

「へ?」

「な………」

「え?」

『ワゥ?』

「わっ」

「ちょっ」

「ひゃあ!?」

「うおぉ!?」

「ぬぉあ!」

「ひゃう!?」

「はう!?」

「まっ!?」

 

 

まるで、いや文字通りぐるん(・・・)、と──────『天地が逆さまに引っくり返った』。

 

先程まで足元にあった筈の床が遥か上に、代わりに足元には天井が驚く程に近くに在った。

 

「全員ッ衝撃に備えろォォォォォォォォォ!!!」

 

ペッパーの声が城内で響き渡る中、世界は再び反転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不倶(ふぐ)戴天(たいてん)と呼ばれる言葉が在る。

 

其の意味は絶対的な『敵対』であり、同じ(そら)に存在することすら許容出来ぬ『憎悪』であり、水と油が決して『相容れぬ』が如く、互いが弾かれる様を指す言葉である。

 

遠き時代に人が種族が、世界に蔓延り満ちる『始源』の存在達の驚異に晒されながら生きていた時代。ルールイアを襲った、狂える大群青の暴意を撃ち破った其れ(・・)は、死して染み付いたルールイアの街を監視し、招かれた者達の戦いを見定める為に座していた。

 

全ては()とルールイアの間に交わした契約の為に。

 

だが天地は、摂理は。要の石たるルルイアス(ルールイア)の王権を手放した事で、何もかもが反転(・・)した。故にこそ────────深き海の底で盟主として君臨していた其れ(・・)は、開拓者達との相対を決意する。

 

嘗ての彼等が、彼女が遺した未来を。何でもない明日を迎える為に『世界』と戦った、偉大なる神人の者達。其の後継者達は、自らの足で前に進めるのかを推し量る為に立ち上がる。

 

 

 

 

そして────────『もう一つ』。

 

 

 

 

『墓守の御人』に名を、魂を、鎧を。其の身に託された勇者(・・)が、己と力を分けた鎧を託すに相応しき者であるかを、此の目で見極めんとする為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユニークモンスター』

 

『深淵のクターニッドに遭遇しました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深淵は今ここに、再び(とも)なる(そら)を戴きて、開拓者達に立ち塞がる。

 

 

 

 

 

 






いざ、開戦


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