勝筋を見付けたなら
「だぁー!!!ぐわんぐわん畝って、高い高いしてるんじゃねぇーよ、クターニッドォォォォォ!遠距離攻撃持ち、追撃頼むわ!」
「マナ回復しました!任せてください!!」
クターニッドの一式装備を纏っていない状態では、発光間隔が安定しないという事実の発覚によって、藍色の杯によるステータス反転からの装備不可を避けるべく、近距離攻撃可能なサンラク・ペンシルゴン・
だがダメージを与えるも、もう少しで破壊といった所で再び高い場所へと行ってしまった其れを見上げながらに、青の杯の力で女性に性別が変えられたサンラクが高音で叫びながら怒りを顕にする中、クターニッドが掲げるは崩壊まで近付いた藍色の杯。
此処までアバター反転の白の破壊に成功したものの、破壊後には色調反転の緑を七回・ダメージ反転の紫を四回・性別反転の青を六回挟んでからの、三度目のステータス反転の藍色が再び、開拓者とNPC達に襲い掛からんとする。
「3…2…1……今ッ!『ステータス反転』!藍色の杯への攻撃は一時中断、色調反転の緑を狙う!一回で壊そうと考え無くて良い!紫の『ダメージ反転』を使わせたら、他の色の杯をポーションで攻撃して、着実にダメージを与えていこう!」
放たれるステータス反転の力宿る藍色の光を、ペッパーは其の身に纏う
巨剛触手で握る
「レイ氏、青の杯にダメージを与えに行きます!」
「サンラクさん、私が攻撃、を……行ます……!…上手く、引き付けて……下さい!」
「よっしゃ、やってやろうじゃねーか!ペッパー!近接職組を出来るだけ、効果範囲内に押さえてくれ!ルスト・モルド!ステータスは今何が入れ替わってる!?」
「技量と器用!」
「今回はセーフ」
「把握した!ペッパー、カッツォとペンシルゴンと京ティメットの援護!俺は此のステータス反転は問題ねぇ!」
「解った、けど油断するなよ!」
正常な状態に書き換え直しつつも、振り翳される巨大な触手に対処しながら、彼はある『言葉』の意味を思考していた。
(クターニッドが言っていた『ポエム』………もしかして俺達に対する『ヒント』だったりするのか?)
『届かぬ高みはなく、然れば至りて後に人は何処へ征く……信ずる己を見出せ。世界が変わり果てようが、根幹は決して揺るがない』
色調が変わり、見ている景色が変わり果てても。己の鍛えた筋力が、例え頑丈さに置き換わろうと。自身の操るアバターが、他者が作り上げたアバターになろうが。
クターニッドは
「つまり『此の状態』のクターニッドの攻略法は唯一つ………!」
九つの杯がもたらす妨害を掻い潜り、正常に戻ったタイミングを狙って壊す。其れが今の自分達が、クターニッドに対して行う事なのだ。
「全部の反転が正常に戻った所で、
高い場所にある緑の杯へ肉薄し、グランシャリオの鋒を牙突の構えと共に
「そして追撃!」
グローイング・ピアスを起動、ドリルピアッサーからの進化によって発現した多段ヒットする刺突スキルにして、ヒット回数に応じて威力に補正が入る技であり、特に刺突攻撃によって刃を敵に突き刺した後に繰り出せば、ミキサーの如く敵の内部を攻撃する為、破壊力が桁違いに上昇する。
緑の杯に走った亀裂がグローイング・ピアスによって押し広げられ、ダメージが積み重なっていく。
「30秒になりますわー!」
「っと、そろそろか!何でくる…………『青』か!」
青の杯が光を放ち、性別反転が元に戻る。未だステータス反転が残っているが、此の30秒で青へ集中攻撃を仕掛けて破壊しなくては、NPCが露骨にヘタレてしまって全体的
「『ステータス反転』!青と緑の杯を集中攻撃して破壊しよう、今は元に戻ってる!」
「よっしゃ、ぶちかませ!」
剣撃・槍撃・拳撃に加えて、魔法や矢による射撃と斬打突による怒濤の追撃が青の杯にダメージを重ね。
「決め、ます………ッ!」
フィニッシュはサイガ-0、振り上げたスレッジハンマーの一撃が、遂に青の杯に作った傷口にめり込み、杯の原型を打ち砕いて破壊するに至り。
「レイ氏、俺達で紫にダメージを!」
「はいっ!」
「ペッパー、アラバァ!そっちは緑を頼む!」
「任せろ、向かっている!」
休む間も無く、夜空を泳ぎながらに緑の杯へと先んじて肉薄するは、ペッパーとアラバ。
「アラバさん!剣武器で杯を狙うなら、斬るよりも刺突の方がダメージ入ります!」
「解った!やってみよう………うおっ?!」
「させるかっ!」
巨剛触手を動かし、握り直した
「
ゴズッ!っと重い一撃が緑の杯へ走り、致命的な亀裂が生じた事から、アラバ自身の筋力は凄まじい物だと理解するに至り。
「アラバちゃん、ラストは任せて!」
「頼んだ、任せるぞ!」
「ペンシルゴン、俺の触手を足場に使え!」
「オッケー!」
巨剛触手で作った道を利用し、ペンシルゴンがバフスキルで強化を施しながらに、マサクル・バイトを使って疾走と跳躍。ペッパーとアラバが作り出来上がった亀裂へ、
「はああああああああああッ!!!駄目押しッッッッッ!!!持ってけぇ!!!」
グローイング・ピアス起動、突き刺した亀裂へ荒々しく螺旋のエネルギーが打ち込まれ、緑の杯を穿ち貫いて破壊する。
「緑の杯、破壊完了ッ!」
「後は藍色と紫だけだ!」
「あと少しで30秒ですわー!」
エムルの声が響く、一同が身構える中で起きたのは紫の閃光。
「乱数ァーーーーーッ!!!!」
「『ステータス反転』!回復ポーションを持ってる人は用意、藍色と紫を次の反転で壊せる程度まで削る!」
万が一に備え、回復ポーションをインベントリア内に貯蓄しておいて正解だったと思いつつ、其れは其れとしてダメージコントロールを行い、此の形態での決着を着けに行くのだった………。
戦う事は示す事