最終決戦
ユニークモンスター・深淵のクターニッド。反転の能力を振るい、世界の持つ
「デカい………!」
「吸収した輩が大物ばかりだったからな……。腐れつみれ共は粗方処理したが」
「デカい………けどまぁ、人型に成ったのは僥倖っちゃ僥倖かな?」
処理出来なかったマーマンゾンビや人魚、ハイパーウルティマカイセンオーにアルクトゥス・レガレクス、深海三強を吸収した其の結果、全長10m越えの巨躯─────もっと言うなら『蛸頭のゴリラ菩薩』とでも形容する見た目に成ったクターニッドを見上げながら、しかし皆の闘志は臆する事は無い。
「対巨人戦の心得!先ずは忠実に敵の足を崩して、頭を集中的に狙う!行こう皆、タンクは俺もやる!」
クターニッドの一式装備・
左手に
右手に
巨剛触手二本を用いて通常では装備出来なかった、両手武器のダンジョンアックス。両脚には
「あーくん!?何其の姿!?」
「うわ、ペッパー其の触手武器持てるの?」
「あぁ。やりようによっては、コレ『盾十刀流』とか出来るぞ」
「スゲェなオイ………」
「……対人戦で、相手したくは……ない、ですね……」
クターニッドの一式装備の能力が陽の目を見た事で、オイカッツォはユニークいいなーオーラを全開に、サンラクはコレで両手武器四刀流もイケるか?と思考し、サイガ-0は戦闘スタイルのキメラとの戦いは嫌だなと思い。
そんな中クターニッドの巨躯から豪腕による右ストレートが襲い掛かり、ペッパーはサキガケルミゴコロを使って紙一重のギリギリで回避し、其れをゴングとして全員が一斉に動いた。
サンラクは
VvvvvvvvoooooooooAAAAAAAAA!!!!
「タンスの角に小指をぶつけたら痛いですよね?良かったじゃないですか、生きてる内に一度経験出来て」
アレは人間誰しもが一度は経験するし、例外無く滅茶苦茶痛いと感じる。そして当然ながら、其れを開拓者からやられればクターニッドのヘイトは、此れを行った相手に向くのは必然であり。
「うわっと!?よっし、よし良いぞ!俺にヘイトが向いた!」
繰り出されたストレートパンチを
「おぅ、クターニッド。夜空ばっかり見上げてるなら、土ペロさせてやろうじゃねーか!レイ氏、カッツォ!」
「応ッ!」
「行きます…………!」
星空を踊り、チクチクとダメージを加えるペッパーに御執心になったクターニッドの膝裏に、三つの影が高速で飛来。サンラクは金色の蛇腹大剣・オイカッツォは紫の炎纏う拳を握って右膝裏を、サイガ-0は漆黒の大剣で左膝裏を狙い。
「
「
「アポカリプス………!」
渾身の一刀両断・装甲貫通の拳・黒の重斬撃によって強烈な
「
「オッケー、ペンシルゴン!」
「ワイも御手伝いするのさ……!」
『ガルルァ!』
左手首に肉薄し、翡翠の斬撃で手首の関節部を秘剣スキルで切り裂く京極と重ね掛けて斬るアイトゥイル。切り裂いた事で生まれた隙間に槍の穂先を穿ち込み、追撃のグローイング・ピアスで内部を抉ってダメージを重ねるペンシルゴンと、腕に噛み付いて歯形を刻むノワ。
「後頭部を貰うぞ、クターニッド!奥歯を食い縛れ!」
「ペッパー、タイミング合わせろッ!」
「任されたぁ!!!」
空中を泳いで接近するペッパーと、クターニッドの背中を駆け抜けながらに、蛇腹大剣から大型の籠手に切り替えるサンラクが声を掛け。
「
「
片や夜空を泳ぎ、片や最強種の背中を走り。バフや打撃に拳撃のスキルを拳に乗せて、二人が狙うは後頭部の真ん中唯一つのみ。
『ハリケーン・ハルーケン!!!』
『アガートラム!!!』
巨剛触手の持つ風雷皇の御手と共に、筋力・敏捷を参照する打撃スキルが。右手が持つ金色蠍の籠手に、幸運値を参照する格闘スキルが。後頭部に強烈無比な一撃となって叩き付けられ、クターニッドは誰の目から見ても解る土下座姿勢になった。
「よっしゃ!」
「ハッハー!土下座土ペロの気分はどーだ、クターニッドォ!」
渾身の一発が入った事がトリガーとなったのか、はたまたサンラクの煽りがトリガーになったのか。クターニッドが膝立ちになるや、腹から声を出したように吠えて、同時に背中に生えた骨輪に在る八つの宝珠が光を放ち、輪から分離。
其れは高速で飛来しながら、ペッパー・ペンシルゴン・
「いきなり何だ!?」
「クターニッドの特殊行動か!?」
『───
「何だったのさ………?」
「奇っ怪な光で御座るな……」
『───
「えっ、ちょっと待って!?」
「な、嘘なのさ!?」
背輪に在る橙色の宝珠がクターニッドへ注がれ、巨躯は橙色に染まり。同時に其の手に巨躯たる体が振るうに相応しい『薙刀』が握られる。何よりも───ペッパーは其れを幾度も
「マジかよ、クターニッド………!?アイトゥイルの
「ひぃえぁ!?」
「あっぶななのさァ!?」
薙刀とは棒術と槍術の融合でもあり、同時に斬・打・突・近・中・遠のあらゆる
たった一度の薙ぎ払いでコロシアムの観客席の中腹を回転斬りにした挙句、振り回した際の衝撃波によって発生する爆風で、レーザーカジキやルストにモルドが吹き飛ばされた。
「うわぁぁぁぁ!?」
「今八つの宝珠にコピーされたの誰!?」
「ペッパーさんとペンシルゴンさんに………」
「秋津茜とエムルとアイトゥイルとアラバ!」
「あとはモルドとレーザーカジキか………!?」
クターニッドの手から薙刀が消える。変わりに取り出されたのは、左手に小鎚と両脚に
「今度はペッパーじゃねーか!?」
「全員距離を取れ!というか、飛ばせて堪るかぁ!」
無限潜航によってペッパーがクターニッドの上を取り、地上から空に逃がさぬように立ち回る。振り翳される小鎚を回避し、クターニッドの眉間にショートメイスを叩き付け、更には連続キックで追撃しながらヘイトを自分一人に絞り込ませる。
クターニッド想像態の特徴…………其れは背中に在る八つの宝珠を利用し、プレイヤーやNPCの中から八人をランダムに選択、最も得意とするプレイスタイルを自身に反映する能力。其の上コピーしたスタイルを、クターニッド本体の任意で切り替えられるとくれば、現在八つの形態を持っているに等しい状態だ。
「全く、流石は
「大事なのは、筋力や耐久が優れていないプレイヤーやNPCのスタイルに切り替わった瞬間を狙おう」
「具体的には!?」
「魔法職のレーザーカジキとモルド!」
「確かにそうですけど!?」
「物理は弱いし、仕方無いですから!」
兎に角やるべき事は決まった。先ずは此の高機動になった、
分析と反映を越えろ