VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

395 / 1076


クターニッドの撃破が伝わる


※短い&今章のエピローグです






インパクト・オブ・ザ・ワールド ~神は衝撃に痛み、創世の神は仕組む~

同時刻、現実世界・ユートピア社の地下10階の原典閲覧室。

 

シャングリラ・フロンティアという世界の、全てを知る()が居る此の場所には、会社内でも限られた者達しか入る事が許されない。

 

シャングリラ・フロンティアの創世神たる継久理(つくり) 創世(つくよ)。此の場所に入る事を許されている彼女は、現在深い深い溜息と怒りの感情を纏っていた。

 

「………………はぁぁぁぁ………………。コレでも(・・・・)攻略しきる、か」

 

深淵のクターニッドの撃破によるクリアリザルト画面には、堂々の『S』の表記が映る。クターニッドのサーバーからの『新しい聖杯の解放と難易度上昇の申請』を受けて、水と油より仲が悪い調整神(アイツ)と、自身とアイツの間を取り持つ仲裁神の。

 

二人による承認によって力を解き放ったクターニッドは、十人のプレイヤーと五人のNPCに一匹のイレギュラーにより、此の瞬間を以て討伐された。よりにもよって、大型アップデートが残り『一週間後』に控えている状況下に………………である。

 

「ペッパー………やはりコイツは『危険』な存在だわ」

 

年代物のディスプレイ、其のキーボードをカタカタと叩きながら、画面に表示するはクターニッドを相手に深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)を纏い、仲間達と共に立ち向かうペッパーの姿。

 

ワールドストーリーを動かす為に、開拓者(プレイヤー)が越えなくてはならない試練、ユニークモンスター。ウェザエモンを倒し、クターニッドを満足させた事で、彼等から鎧の継承者(・・・)として認められた其の男は、現時点で天覇・墓守・深淵の三つの、神代の大いなる遺産を入手している。

 

「ただ今回の戦いで『深淵を見定む蛸極王装を纏った状態のペッパー』のデータは手に入った。『オルケストラ』にも観測データは蓄積積み………えぇ、えぇ………『良い感じね』、フフフフフ…………!」

 

ペッパーへの対策としてデータを書き換え、オルケストラサーバーに封印していた『正典(カノン)プログラム』に、今回の一戦のデータが入った。

 

「本来は影法師の試練時点で躓かせたかったけど………。進行した物は戻らないし、やるなら徹底的にやると決めた以上、抜かりはしないわ」

 

何時の日かペッパーが『冥響のオルケストラ』へと挑む時、奴がどんな感想を抱くのかと北叟笑みつつ、彼女はディスプレイを操作して『あるアイテム』を見、そして『あるモンスター』へと語り掛ける。

 

「フフフフフ…………。クターニッドを此の時点で倒されたのは、私からしたら割と不快なのだけど…………アップデート前に第三段階へ進められたのは、ほんのちょっとの『幸運』かしらね?」

 

彼女の視界には『金色の龍王』と『五色の竜』、そして『SFチック漂う瞳のアイテム』が映っている。其のアイテムの名を『別天律(ことあまつ)隕鉄鏡(いんてつきょう)』…………シャングリラ・フロンティアでの『生配信が可能になるアクセサリー』である。

 

成り損ないの竜達(・・・・・・・・)、此の世界を彩りなさいな。そして頑張って頂戴な『ジークヴルム』、私の無聊を慰める為に………沢山のプレイヤーを屠ってね?」

 

創世の言葉に、ジークヴルムは静かに頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界は再び前へと進んだ。

 

深淵の盟主を越えた事で、此の世界に生きる全ての命は『試練』の刻を向かえた。

 

開拓者に、世界に立ち塞がるは、金色の龍王。

 

来るべき時まで人類の『守護者』として世界を巡り、世界に蠢く『始源の胎動』を封じ続けた孤高なる『王』が、人の巣立ちを前に己の全身全霊を以て確かめんと動き出す。

 

そして其れに乗じる形で、五体の竜達もまた動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後にシャングリラ・フロンティアの歴史に語られる、世界に生きる全ての命を巻き込んだ『竜災大戦』が………幕を開ける。

 

 

 

 

 

 






世界は英傑を求める





※新章の骨組みの構築の為、二週間程御休みをいただきます。大体一週間前後を目安に『世界の真理書「深淵編」』を投稿、新章は4/10から開幕します




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。