やらなければならぬ事
ユニークシナリオを攻略したメンバーの一人・レーザーカジキがクラン:SF-Zooからのスカウトを蹴って、クラン:
そしてシャンフロ最高アタッカーのサイガ-0が、
此の二つの内、話題性といえばサイガ-0の方が勝るが、レーザーカジキの方も少なからず注目されている。大手クランからのスカウトを断るとは、どんだけ度胸が有るんだと言わんばかりに。
(今日はバイトは無い………午後三時には帰れるから、今の内に『アレ』を買っておこう)
スマフォを操作、ネットショップを開いて検索キーワードを打ち込む。
「確か………『デュエル・ガンナー』っと、おっ有った有った」
パッケージには青年が『ガン=カタ』のポーズを取り、文字の所々には弾丸で撃ち抜かれた様な意匠、そして謳い文句として『一発の弾丸で勝負を決めろ!』と掲げている
シルヴィア・ゴールドバーグへのリベンジの為、ブシカッツォに聞いた所奨めてきたゲームであり、プレイ動画やレビューで調べてみた結果、此のゲームには『ログインボーナス』や『初心者推奨ミニゲーム』に『ミッション』で手に入る『ゲイン』というゲーム内通貨を使う事で、使用出来る銃のパーツや防具に弾丸の購入・武器の改造が出来るそうだ。
特に初心者推奨ミニゲームは、反射神経に其処まで優れていないプレイヤーの練習場や、先ず何をすれば良いか解らない新規勢の勉強の場。そして復帰勢の現段階の状況確認等々の様々な役割を持ち、かつ稼げるゲインも多くデイリーミッションがてら一周するだけでも、戦闘に必要になる物資の調達が出来る親切設計となっている。
オンラインも、無差別マッチとランクマッチといった形で区分・ゲームコンセプトの『速打ち決闘方式』が取られており、純粋な反射神経と抜き撃ち、弾丸一発が心臓か頭に直撃すればプレイヤーは負け扱いという、まさに『一発の弾丸で勝負を決めろ!』を体現したゲームなのだ。
(要するに『正確』かつ『迅速』に、かつ相手より『速く』弾丸を対象の『頭か心臓』に撃ち込めるか……其れが鍵って事なんだな)
取り敢えずゲームをやってみない事には何も始まらないので、梓は早速『デュエル・ガンナー(パッケージ版)』を購入、翌日には到着するので其れを待ちながら、蕎麦を再び啜るのだった……………。
午後四時過ぎ。
大学の講義を終えてスーパーの食材タイムセールの波に揉まれ、住まいたるアパートへ戻った後に冷蔵庫へ食材や牛乳を、冷凍庫へ冷凍食品を収納した梓は、手洗いと嗽を行って布団を敷き、シャングリラ・フロンティアへとログインする。
「あ、ペッパーはん。目覚めたのさ」
『ワゥ♪』
現時点で最後の街であり、来る大型アップデートでは新大陸への旅立ちの港となる『フィフティシア』。其の某宿にて
「やぁ。………さて、アイトゥイル………『先生』には事情は伝えてくれたか?」
「はいさ。御頭はペッパーはんから直接話を聞きたいのと、ノワを連れて来てくれって言ってたのさ」
「だよね」
先生…………其れはペッパーが世話になっているヴォーパルバニーの国・ラビッツの頭を張る存在たる『ヴァイスアッシュ』の事であり、アイトゥイルの父親。そしておそらくだが………『ある存在の一角』である可能が高い最強のヴォーパルバニーだ。
「………よし、アイトゥイル。ラビッツの兎御殿に門を繋げてくれ。俺はもう覚悟が出来た!指詰めだろうが切腹だろうが、何だって責任を取ってみせる!ドンと来やがれってんだ!」
「いや何でそうなるのさ!?」
其れくらい空元気にならないと、自分を奮い起たせられないからだよ。アイトゥイルやエムルにシークルゥまでも、クターニッドとの戦いに巻き込んだ。其れくらいやらなくちゃ、自分の中では納得しないし男の名折れだと思っている。
「うはははははははは!はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!こりゃあまぁた、面白い事をやったなぁペッパーよぉ!うはははははははははは!」
いざヴァイスアッシュと対面し、リュカオーンの小さな分け身をテイムは愚か、クターニッドとの戦いにアイトゥイルを巻き込んだので、指詰め切腹ケジメ案件を受けます──────そう示した所に飛んで来たのは、ヴァイスアッシュの豪快な笑い声。
其の笑いは嘲笑では無く、寧ろ驚愕や面白いといった感情を含み、自分と御座りしているノワに対して笑っている様な感じだった。
「いやぁ……しっかしまぁ、ションベン掛けられた犬ッコロにぃ『溺愛』されるに留まらず、ソイツと一緒に『行動を共にする』たぁな。
「先生…………」
そう言って煙管を口に加えつつ、ヴァイスアッシュは言った。
「お前さん
背中にじんわりと嫌な脂汗が出てきたし、目の前にいるヴァイスアッシュが閉じた右目を開き、睨みを効かせたのにゾワリと毛という毛が逆立ったし、ノワはジッとヴァイスアッシュを見つめた後に一鳴き『ワンッ』と応えたり、一歩間違えたら腹切りケジメ案件まっしぐらだった。
取り敢えず大事な局面を乗り切ったので、此処からは色々と更なる報告をしよう。
「先生、実は先生に見て欲しい『物』が有ります」
「見せてみな」
そうしてインベントリアから取り出すは、クターニッドの一式装備『
「深淵のクターニッドさんから託された、彼と力を分ける一式装備の深淵を見定む蛸極王装、そして彼が根城としている反転都市ルルイアスで討伐したモンスターの中から出てきた、
どうやらクターニッドとの死闘を演じ、戦いの果てにペッパーが深淵の盟主の鎧を手にした事に、ヴァイスアッシュはまた驚かされた様子で。
「ふはははははははは………!はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!そうか、そうか!クターニッドに認められるだけの力を示したかぁ!はっはっはっはっは!!」
バシバシと自分の膝を叩きながら、実に天晴れ!とでも言いたげな表情をしていた。そして彼の視線は朽ち果てたアスカロンの方へと向く。
「…………成程なぁ、コイツァ
「………ん?今、は………?」
「おぅよ。そうだな………」
そう言ってヴァイスアッシュが立ち上がる。其の瞳はまるで『付いて来い』と無言で言っている様であり。彼と共にペッパー・アイトゥイル・ノワは、ビィラックの鍛冶場へと向かって行った……………。
尚其の道中、ノワと出逢ってしまったピーツは泡を吹いて気絶してしまい、他のヴォーパルバニーに医務室へと運ばれる事となったのである。
責任重大