ペッパーの秘策
シャンフロ第六の街・シクセンベルト。
サードレマから行ける三つのエリアの一つ『
今回ペッパーが目指すのはテンバート。ルルイアスで手に入れた本に記された『ある情報』に従い、後日に備えてランドマークを広げるのが狙いだ。
「御待たせしました。此方が【アクティブソナー】の
「ありがとうございます」
雲上流編の雲海地は、シャンフロのゲーム内エリアでも五指に入る『攻略難易度の高さ』を誇り、其の最たる理由こそがエリア全体に満ちる『雲』が原因でもある。
道中のモンスターは雲の中を泳いだり、雲の下に生態系を構築している為に、思わぬ所から奇襲を受けやすい。パーティーで行動してたら、何時の間にか数人脱落していた…………なる嘘か真か、そんな話も有ったり。
そして神ゲーたるシャンフロにも、当然『救済措置』は用意されている。シクセンベルトの売店の一つに使い捨て魔術媒体を売っている場所が在り、此処で購入出来る『アクティブソナー』こそが、魔法職でない
「ありがとうございました」と店員に見送られ、ペッパーは夕方のシクセンベルトの街並みを歩き出す。
(コートの中に隠したアイトゥイル用の酒も購入し終え、回復ポーションやマナポーションの補充も完了。ノワは影に擬態させてるから、一応大丈夫………とは思いたい)
帽子を深く被り、流離う様に向かうは雲上流編の雲海地。なのだが────────
「あ、あのッ!」
「ん?」
「すっごく格好いいですね!御名前は…………アレ?名前が
「もしかして『NPC』じゃない?」
其の途中、此れで実に『十五回目』の
(ぶっつけ本番で使った『青の聖杯』、まさか此処までの威力とはね………)
使用後に一度鏡を見て確認したのだが、其処に居たのは『黒いコートを身に付ける美形の男装麗人』であり、
彼女等も今まさに声を掛けたNPC(と思われている)が、此の世界でユニークモンスターを二体討伐し、
「あ、もし良ければ『スクショ』でも……!」
「ごめんなさいね、麗しき御嬢さん。御気持ちは有難いですが、先を急いでますから」
丁重にスクショを御断りして歩き出せば、後ろで『はあぁ~………♪』なる声が聞こえたので、聞かなかった振りをする。影からノワの小さな威嚇声が聞こえ、もしペンシルゴンが今の事を知れば、絶対に面倒な雰囲気にしかならないので、さっさと目的地のテンバートを目指して前進するのだった………。
雲上流編の雲海地。シクセンベルトより旅立ち、更に高所へと続く道を登った先に在る、濃密な白雲が大地一面を覆い、大気の流れによって『白い毛糸が編まれ、大河で洗濯されて漂っている』ようにも見える流れを成している。
其の光景たるや、誰もが一度は夢見る『雲の上に立つ』という物を叶えてくれたりするが、人はスキルや戦術機無しでは空を飛べはしないのだ。よく見ると木や岩が雲の海から突き出しているし、自身の腰まで雲が迫っていたりしているが、其れでも神秘的なのには変わり無い。
「ペッパーはん、雲で濡れたのさ……」
『ワゥ!ワゥ!』
「
雲によって下半身が見えないというのは、アクティブソナー有れども事故の元に成り易い。ならばどうするか?実は其の答えをペッパーは既に思い付いている。
「アイトゥイル、ノワ。少し離れてて」
「解ったのさ」
『ワゥ』
一羽と一匹が離れ、愛呪の効力がギリギリで残る『8m』まで離れ。左手に在る
ペッパーの全身を緋色の炎が纏いて包み、其の身より放つ熱が雲という雲を焼き尽くし、自身から『10m』の範囲の雲海を蒸発させながら、足元を含めて道を灯し照らしたのだ。
「アイトゥイル、ノワ、熱くないか?」
「此のエリアの気候と合わせれば、そんなにでも無いのさ」
『ワォウル♪』
「解った、其れじゃあ行こう」
足元が安定したので、アイトゥイルとノワの移動スピードに歩幅を合わせつつ、ペッパーは進軍を再開。
道中では雲海を泳ぐ『ヒレが刃物の飛魚のモンスター』や『巨大な白肌の河馬』が愛呪に反応、反転して逃げ去って行く様子や、雲を纏う事で其の巨体を雲海へ擬態させる『クラウダイブ・エレファント』の家族が、仲睦まじく雲を操る術を子供に伝授する光景を見掛けたり(スクショを撮った)と、新しいエリアだからこそ見える景色が沢山有った。
『ルゥゥゥ……!』
「あぁ、さっきから『羽音』が聴こえると思ったら……こんな所に生息してたんだな」
エリアを移動中、
前にエンパイアハニーを卸した時に、ティークが言っていた『ドミネイオン・ホーネット』、
「
其の内に此のエリアで採れるモンスターの素材や、雲の下に在る鉱石資源等々を探したいと考えつつも、今は最優先で目的地へ向かう事にし、効果が切れた封熱の撃鉄を再発動。
ペッパー達は一路、雲上流編の雲海地のエリアボスにして、周辺に漂う雲を『毛皮として纏う』特性を持ち、雲に隠れて氷結砲弾による砲撃を行う難敵『アイシクル・シープ』の元へと向かうのだった………。
エリア攻略は迅速に
※青の聖杯を使ったペッパーの姿は、身長170cmの剣城あきら似の王子様系女子。バストはCで、声も女性ながら力強さが有り、刺さる人には滅茶苦茶刺さる。
例えば股に膝を挿し込み、壁ドンからの耳元で『悪い子だ………仔猫ちゃん』の台詞を吐いた場合
ペンシルゴン:骨抜きにされて雌の顔
ジョゼット:ワンパンされて過呼吸
男アバターでプレイしてる女子:「ミ"ッッッッッッ」と叫んで引っくり返る
つまりは無自覚で色気を振り撒く、魔性の女殺し&天然バ美肉発見機………!