やって来たのは
慈愛の聖女 イリステラが居る教会にしてクラン:聖盾輝士団の本部を後にしたペッパーは現在、フィフティシアの裏路地を駆使してラビッツの兎御殿へと帰還。アイトゥイルとノワを休憩室に(酒と魚の切り身で)待機させ、エイドルトへ転移して一目散に
「ただ
青の聖杯で反転した性別は『死亡してリスポーンするまでの間』は解除されない特性を持っており、反転させた状態でログアウトしても其のまま。おまけに今回、聖盾輝士団の団長・ジョゼットを色々ヤバめな台詞でノックアウトせしめたので、今後はそう易々と使えないだろう。
「さぁて、行くか…………ゴーイングマイウェイ!」
煌びやかに輝く水晶の地獄地帯、左手に嵌めた
水晶地帯を駆け出せば、現れるは水晶を全身に纏う巨大な蠍こと
「タダでは……殺られないッ!」
ミルキーウェイで空中を駆け走り、ダッシュスキルで加速すれば『
そして押しくら饅頭から復帰するも、影も形も見当たらない侵入者に蠍達は周囲を見渡して、今度は周囲の水晶へ
当然ながら其れを見逃す訳もなく、現れた蠍達は今度こそとばかりに侵入者たるペッパーへ襲い掛かり。
「
小鎚の収納と目を閉じて、水晶群蠍を引き付けながらに両手を合掌。一定以上の心拍数を刻むという、一見変わった発動条件を充たした事によって、
暖かく強い
「解除!からの!採掘フェスティバル!俺の命が尽きるまでェッ!!」
視覚を奪い取り、其の隙を狙い白光を解除。そして彼は命の限り小鎚を振るい翳し、鉱物が埋め込まれた結晶柱を掘るのだった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
…………
………
……
兎御殿・休憩室。
「はぁ~…………
「ペッパーはん、随分清々しい顔しているさね」
『クゥン♪』
水晶群蠍との採掘デッドヒート、
「やぁ、二人共。漸く元の性別に戻れたよ………」
ふと気になったのでステータス画面を開き、インベントリアから深淵の雫を取り出して翳しながらに確認すると、今まで見えなかったヴォーパル魂や歴戦値等の隠しステータスが、雫越しに表示された。
「ヴォーパル魂は………お、上がってる。やっぱり死地と絶望の中で『己を示す事』で、ヴォーパル魂は上がる傾向に有るんだな」
ヴォーパル魂が775、歴戦値は2840に上がっているのを見て、やはりプレイヤーの行動で隠しステータスは変動するのだと確信し。インベントリアに深淵の雫を収納して、彼はベッドから立ち上がる。
「アイトゥイル、ノワ。今からソウちゃん……此処ではSOHO-ZONEさんとの交渉に行くんだけど、二人には此処で待機していて欲しいんだ」
「何か理由が有るのさね?」
『ウゥル……』
「理由としては
黒狼との衝突の可能性を考慮して、自分一人が狙われるなら良い。だがアイトゥイルかノワのどちらかが捕まり、人質に取られた場合に話が面倒な方向になるので、安全第一に尽きる。
「……………解ったのさ。ペッパーはん、気を付けてなのさ」
『クゥン………』
「…………ありがとう二人共」
アイトゥイルとノワを優しく、ギュ~~~と
シャンフロ第15の街・フィフティシア。
其の街から少し離れた小高い丘の上………其処には嘗て明かされる事無く秘匿されてきた『
「今晩は、SOHO-ZONEさん。待ちましたか?」
「いや、寧ろ到着を心待ちにしていたからねペッパー君。何の問題も無いよ」
朗らかな笑顔を浮かべ、クランリーダーのSOHO-ZONE直々の案内でウェポニアの本部を進みながら、ペッパーは過ぎ行く景色やクランメンバーの様子を見る。ある者は鍛冶師として武器の製作に励み、ある者は生産された武器の耐久チェックと使用感を記載し、またある者は得られたデータをシャンフロのwikiに反映している姿を目撃し。
全員が共通の目標を見据え、唯一つの事柄に心血を注ぐ…………其れがクランの『本来在るべき姿』なのだと彼は思う。そしてクラン:ウェポニアの場合、其の目標は『シャンフロの武器を徹底的に調査・研究・解明を目指す事』を目標とする、謂わば『
(黒狼は元々リュカオーンの討伐さえ出来れば良かったのに、何時の間にかトップクランで居続ける事を注力し続ける方向に成っていった…………と、ペンシルゴンが言ってたな)
何処で軌道が擦れたのか興味が有るが、好奇心は猫をも殺すとの諺がある。そんな事を考えて居れば、SOHO-ZONEの脚が一室の扉の前で止まり、開いた先には会議室らしき空間が一つ。ソファやテーブルが並んだ、其れなりの値段がするだろう家具が並ぶのみで、派手さは無く謙虚な空間が其処には在る。
「どうぞペッパーさん、御好きな所へ」
「失礼致します」
テーブルを挟み、ソファへと腰掛ける両者。
「さて……ペッパー君。連絡してきたのは『リュカオーンのヘイトを集める武器』を見せて頂けるのでしょうか?其れとも変化した『
ニチャリ……そんなSEが聞こえる表情を浮かべるSOHO-ZONEを見て、ペッパーは深呼吸を一度行い。
「前置き無しの単刀直入に言うよ、
ペッパーがインベントリアを操作する。彼が取り出すのはウェポニアからすれば、結成当時からずっと探していた
「俺達が示すのは
取り出した武器の種類は『銃』、其の名を『規格外武装:長銃型【サジタリウス】』。
ユニークモンスター・墓守のウェザエモンを討伐し、五人のプレイヤーの共通報酬として贈られた腕輪型のアクセサリー。其の中に眠りし今は
銃の重さ