種明かしへ
「お前達程度………!
「成程。じゃあ連盟を解消しましょう」
「は、ははっ!良いんですか?連盟を破棄するという事は即ち!ライブラリやウェポニア、更にはSF-Zooとも連盟を破棄するという事!貴方々が此迄得ていた恩恵全てを、自ら捨てる事になりますよ?」
愚かな選択をしたと
「其れに関して何だけど、
ペンシルゴンのアイサインと同時に、ペッパーは『皆さん御願い致します』と一言。同時に聖盾輝士団がフォーメーションを切り替え、ジョゼットが移動を開始。そして黒狼館へ複数のプレイヤーが入館してきたのだ。
一見可愛らしいフリフリの衣装を纏う、ピンク髪をツインテールにした魔法少女に、黄金の意匠が施された騎士甲冑を身に付けながら、使い捨ての兵士のような悲哀漂う聖騎士。
角飾りのパーカーと薄黄色のローブを纏い、其の背に肉球を模したクランマークを掲げる陰陽大師と、海賊を彷彿とさせるバンダナや衣裳に身を包む、眼鏡の似合うインテリヤクザ。そして特徴的な白金の盾を背負う、聖女の盾としての役目を担う神々しき女聖騎士。
プレイスタイルやアバターのタイプも違う彼等彼女等だが、共通項目として全員が『クランを率いる者達』であるという事。そして此れをリベリオス唯一人に種明かしとする為に、サイガ-100とペンシルゴンが『密約』して、此処まで仕込んできたのだから。
「改めまして俺達旅狼は此迄の『5クラン連盟』を破棄し、新たに『聖盾輝士団』と『午後十時軍』の二つを加え、旅狼が主導権を握る『7クラン連盟』を構築するつもりです」
ペッパーの発言、そして彼の後ろに付いたクランのリーダー達に、リベリオスの目はカッ開かれて驚愕している。
「ははは………どうも、カローシスUQです。一応クラン:午後十時軍のリーダーを務めています」
「キョージュだ。御存知の通りだろうが、ライブラリのクランリーダーをしている」
「SF-ZooのクランリーダーのAnimaliaよ」
「ペッパー君から誘われて加わりました、ウェポニアのオーナーをしているSOHO-ZONEです」
「聖盾輝士団の団長、ジョゼット。ペッパー殿の要請を受けて馳せ参じた」
午後十時以降をメインに活動する社会人を中心として、大体のメンバーが死んだような目をしているが、社会の歯車らしい際立った組織力を持つ『午後十時軍』。
攻略よりも考察を優先しながらも、様々なクランや情報屋との繋がりにより、シャンフロ屈指の情報量を蓄積している『ライブラリ』。
民度は宜しくないが、クランメンバー全員が動物大好きという意思統一されている為、動物型モンスターには特効レベルの実力を発揮する『SF-Zoo』。
SF-Zooと同じく民度は芳しく無いものの、武器・防具の耐久計算方程式を編み出し、鍛冶師プレイヤーとの独自のコネクションを持っている『ウェポニア』。
クランメンバー全員が同一規格の装備に身を包み、所属メンバー全員が『ロールプレイガチ勢』という、極まった美点を誇る『聖女ちゃん親衛隊』こと『聖盾輝士団』と、此の時点で錚々たるメンバーが揃っている。
「んふふふふ……同盟の条件としては色々考えた結果、こんな感じになってね。勿論此処に居るクランリーダー全員、快く了承してくれたよん♪」
そう言ってペンシルゴンが開示したのは、クラン連盟に当たっての『条件』が書かれた紙であり。其れをリベリオスを含めた強硬派を含め、全員が見れるように『水晶のアイテム』を使い、ズームアップした。そして其の内容というのが、
一つ:旅狼の持つ情報はライブラリを通して他クランに伝えられ、其の後に広く公開される
二つ:旅狼を盟主とする同盟に加わったクランは、盟主を可能な限り支援する
三つ:旅狼のリーダー及び鉄砲玉が獲得したユニークモンスターの情報は、オークション形式で先んじて購入が可能である
四つ:旅狼がユニークモンスターの情報を、ある程度秘匿する事を認める
五つ:旅狼がユニークシナリオEXをクラン内メンバーのみで攻略する可能性を認める
「な、なな……こ、こんな……ッ!?」
リベリオスの動揺も想像するに容易いだろう。見て呉れでは旅狼に対して『メリットしか』書かれていない上に、他クランには何の恩恵も無い様に見える。だが其処にこそペンシルゴンの策謀が緻密に張り巡らされており、一度冷静になって読み直す事で『初めて見えてくる物』が有るのだから。
一つ目の『ライブラリを介した情報伝達』という部分を熟考すれば、ライブラリは
二つ目の『盟主への支援』、此れは『可能な限り』という一文通り
三つ目の『ユニークモンスターの情報をオークション形式で購入可能』の部分は、一つ目・二つ目の条件を巧い事打ち消していて、言い換えれば『旅狼が秘匿している情報も、大金を積めば買う事が出来る』という意味だ。無論ユニークモンスターに関係する一式装備については、公表されたなら漏れ無く戦争不可避の代物なので、ペンシルゴンも秘匿を継続とするだろう。
そして四つ目と五つ目の条件に関してだが、此れはリベリオスを欺く為の『ブラフ』。旅狼に対して有利な事しか書かれていない事を、冷静さを失ったリベリオスに『誤認』させる事に有るのだから。
「
ニンマリニヤニヤと笑うペンシルゴンと、歯軋りで応えるリベリオス。そんなリベリオスを見ていたサイガ-100が、重い口を開いて言った。
「…………私個人としては、此の連盟には参加するべきだと思う」
「っはぁ!?何言ってるんですかリーダー!!?こんな条件、
リベリオスの言う通り、ユニークモンスターに関する努力を全て『
そして黒狼のクランリーダーたるサイガ-100が居るのに、リベリオスは『自分の意見が黒狼の総意』だと言わんばかりに声を荒げているのだ。此れ以上彼に喋らせたなら話が色々拗れる予感を抱いていると、サイガ-100は溜息を一つ付いた後に別の議題を切り出す。
「…………はぁ。同盟の件への返答は暫く待って貰って構わないか?」
「解りました」
「……………では最後になるが、愚妹────もといサイガ-0が『黒狼からの脱退と旅狼への加入を希望している』事についてだが」
「旅狼はサイガ-0さんの意志を『尊重』します。クランへの加入に反対しません」
クランリーダーとして、旅狼の答えをハッキリとサイガ-100に答えを示せば、彼女はサイガ-0が黒狼から脱退する為の条件を提示してきた。
「解った……では黒狼としては、サイガ-0には『此迄の育成にクランが掛けた金額+消費した
至極簡潔に条件を提示したサイガ-100に、リベリオスは何やら物申したい表情であり。おそらくだが『マーニを払うだけで、クラン内最大戦力を手放す事になる』等と言いたいのだろうか。
「ねぇコレって『トントン拍子』の実例として、映像を辞書に保存すべきじゃない?」
「いや寧ろ『茶番』の実例じゃねーか?」
サンラクと
最終段階に至れ