会談を終えて
七対七……自分・ペンシルゴン・サンラク・オイカッツォ・
「…………で、ペンシルゴンよ。何故に俺とサンラクは宿屋に移動した訳さ?」
「おうおう、ペンシルゴン。其処んとこの話を聞こうじゃねぇか」
会談終了後に現地解散したペッパーは、黒狼館から退出後、サンラクと共にペンシルゴン・ジョゼット・Animalia・SOHO-ZONE・カローシスUQ・キョージュによって、フィフティシア内最高級の宿に連れ込まれていた。
「あーくんさ。前に『あーちゃん』の姿でサンラク君と一緒に居た時に、ネチケット成ってないプレイヤーにスクショ撮られてたじゃない?」
「うん、困った事にね」
「まぁ、そうだな」
「其の状態に関して、皆さんからの『問い掛け』が相次いだんだ。此のNPC誰?ってさ…………。なので一度君に証明して欲しいって要請が、ライブラリから来たんだよ」
「……………はい?」
ペンシルゴン曰く『こんなイケ女見た事無い』やら『リュカオーン関係のユニークNPCか?』で、色々な考察やらが飛び交っており、ライブラリも調査に乗り出さんとしていたらしい。そしてクラン談合で集まるタイミングが丁度良いとの事で、こうして自分とサンラクを捕獲して連れて来たのだという。
「其の名前隠しのコートの効果?なのかは解りませんが、佇まいからNPCに見間違えるプレイヤーが多いのですよ、ペッパー君。故に、故にこそ!私は知らなくてはいけないのですよ!其の名前隠しのコートの詳細をッ!」
どさくさに紛れて
あからさまにジョゼットの視線が舐める様な物に変わって、キョージュは興味津々な視線を送り続けており、他のプレイヤーも女性化したペッパーの姿とスクショを照らし合わせ、成程納得といった具合に頷いていた。
「ペッパー君。ペンシルゴン君から聞いたのだが、先程使った『性別を変えられるアイテム』、アレは深淵のクターニッドを討伐して得られた報酬として、見て良いのだね?」
「えぇ」
「………解った。其れが聞けただけで、私は満足だよ」
おそらくだが、キョージュの目的は『クターニッドへの挑戦前の最終確認』が目的だったのだろう。現状判明している『再挑戦可能』なユニークモンスター………再現性も有り、難易度は跳ね上がる変わりに周回も可能にする為、下手をすれば独占等も起きる可能性を孕んでいる。
と、そんな中でペンシルゴンがペッパーの姿をジッ……と見詰めて、こんな事を言ってきたのだ。
「ねぇ、あーちゃん。ちょっと『キザっぽい台詞』を言ってくれない?」
「はい?」
「何でも良いから、早く早く」
チラッと横目でジョゼットを見れば、随分と(悪い意味で)良い顔をしており、絶対にブッ倒れるだろうと心配しながら。少しだけ思考した後、ペンシルゴンに無言のまま近付いて行き。
「えっ、あーちゃん?」
其のまま壁を背にして逃走を阻止し、壁に片手を付けて所謂『壁ドン』体勢に持ち込むや、もう片方の手でペンシルゴンを『顎クイ』して────────
「可愛いね、仔猫ちゃん」
──────────と一言、耳元で囁いた。
其の一言によってペンシルゴンは骨抜きにされてへなへなと、トップオブカリスマモデルの顔が剥がされて雌の顔と成り。ジョゼットは過呼吸で引っくり返ったばかりか、脳波に異常を起こしてシステムによる強制ログアウト。
SOHO-ZONEとカローシスUQは自身の性癖に若干の亀裂が入り、Animaliaとキョージュにサンラクは其の一撃に唖然と成ったのだった。そしてペッパーは羞恥心から窓より身を乗り出して、頭から地面に落ちて投身自殺を行った後、ラビッツにてリスポーンして其のままシャンフロを終えたのであった………。
一時間後、蛇の林檎・フィフティシア通り支店内個室。其処には現在、旅狼のサブリーダーたるアーサー・ペンシルゴンと、聖盾輝士団の団長たるジョゼットという、あまりにも異彩な二人が密談をしていた。
「やぁやぁ、ジョゼットちゃん。どうしたのかな?」
「いやぁさ、性別を変えたペッパーちゃんの
「解るよ………。
議題はクターニッドの聖杯により、男から女へ性別を変更(するように要請)したペッパーが放った、あまりにもキザな台詞で。あの一撃によってペンシルゴンは雌の顔になり、ジョゼットは脳に異常を起こす程の瞬間火力+耳や脳に余韻が深く残る程だったのだから。
「でね、ペンシルゴン。私的にはアレを『録音』して私に卸して欲しいのだけど」
「フムフム、で『御幾ら』まで出せるの?団長ちゃんは」
「
要点によって値段はそちらに任せると、ジョゼットがペンシルゴンに仕掛けて。
「成程ねぇ………実は私もあーちゃんには
「奇遇ね、私もそう考えてた所よ」
「まぁ事業を立ち上げるにも、先ずは『同志探し』から始めないとね…………」
「其れはそう」
見えない場所で、見えざる想いを抱いた者が動き始めたのを、此の二人以外誰も知らない………。
動き出す野望