やって来たのは
シャンフロ第10の街・テンバートと第14の街・フォルティアンの間に存在する、現在
上に行けば行く程に強力なモンスターが
そして今宵、此の地に一人の開拓者が。シャンフロプレイヤー内で最高高度に至った称号たる、
「セーブテントは買った、ツルハシに小鎚の耐久も大丈夫。問題はどうやって『無限掘削の女王』に謁見をするかだが、無難に行くなら『穴を探す』のが一番手っ取り早いんだよな」
反転都市ルルイアスに在った座礁船、其の船に遺されていた本から得られた情報によれば、此のエリアの地中に今は懐かしき『
「
甲虫型モンスターの中でも最高峰の甲殻硬度・圧倒的な馬力・機動力を誇るヘラクレスオオカブトに、単体で超火力・再生能力・全距離対応攻撃を高次元に併せ持った完全無欠の黄金蠍と、ユニーククエストの対象モンスターを思い出せば、ヤバい奴等ばかりだった。
「女王陛下に謁見するなら………やっぱり『配下を探す』のが最適解かな?」
泰山巌宝蛇蟲は自身が産んだ巌喰らいの蚯蚓を育て、兵器として行使する特性を持っており、其れは千紫万紅の樹海窟で何度も戦って、
周囲を警戒しつつ台地の縁側を歩いて行けば、良さげな鉱脈を発見。早速採掘を────というのは『三流のやり方』。ペッパーは此の如何にもな鉱脈を前に、自身のスキル『
「ビンゴ………!」
取り出すはギルフィードブレイカー、無限掘削の女王相手に打撃系スキルを温存する為、普通のスイングで叩けば鉱脈から鉱物が砕ける音とは違う、明らかに『鈍い』音が鳴る。直後にペッパーは回避を選択し、同時に鉱脈が揺れるや台地の壁を打ち破り、現れ出でるは彼にとっても懐かしく、ファステイア坑道にて己に此の世界で初めての『死』を与えたモンスター。
「はははっ、久し振りだな『ムカデミミズ』!」
ゴツゴツとした岩石と鉱物で武装した、巌喰らいの蚯蚓がペッパーを睨み付け、ガチガチと大口に生えた無数の牙を擦り鳴らしながら威嚇してくる。が、彼の右手に刻まれている『リュカオーンの
「あぁ………コレかぁ」
右手に刻まれた赤い印を見つつ、巌喰らいの蚯蚓が戻って行った穴を覗く。夜に加え、何処まで掘り進んだか解らない程に奥まで続くトンネルを見ながら、ペッパーはエンハンス商会で購入した『カンテラ』を取り出して右手に持ち、左手には
「横穴からの突発的な奇襲にも注意しつつ、何処に女王が居るかを探らなきゃならない。そうなるとセーブテント設置は『悪手』かなぁ………、壊されたら『最終リスポーン地点』に再更新されるっぽいし」
ウムム……と周りを常に見渡しながら歩くも、やはりカンテラでは照らせる範囲に『限界』が有る。が、のんびり歩いて居れば少なからず『包囲』される可能性も在る。
「っし、覚悟決めるか!」
左手に装着している
「蛇や蟻タイプのモンスターが『群れで巣を作るパターン』は、大抵ダンジョンの最上階or最下層、もしくは最奥に『群れのボスかコロニーの支配者が居る』のが、ある意味御決まりだが────!!」
前方両サイドから地響き、同時に飛び出すは二体の巌喰らいの蚯蚓。改めて観察して見ると、自分がファステイア坑道で出逢い、死闘を演じたアイツよりも三周り程デカイ。此のトンネルは彼等彼女等か幾度も幾度も掘ったのか、はたまた母たる泰山巌宝蛇蟲が掘ったのかは、ペッパーには解らない。
「女王陛下に謁見したいんだが、君達は其所に向かうルートを知ってる?いや聴いても言葉が通じないんじゃ意味無いし、愛呪のせいでエンカウントしても逃げられるじゃん」
リュカオーンの愛呪に反応し、巌喰らいの蚯蚓が逃走を選択した其の時、左サイドに居た同胞の死角から伸びた『巨大鋏』が、頭と胴体の一区画を一刀両断で断ち切り。右サイドに居た同胞が異変に気付いた其の矢先、自身の最後尾を押し出す様な、強烈窮まる『ノックバック』によって押し出され、トンネルに流入した。
「うぉあ!?」
唐突な異変にペッパーが驚き、緋色の灯りで其れを起こした犯人を見れば、其所には驚くべきモンスターが居た。
片や全長30mの巨体と其の巨体に匹敵し得る、左側が『巨大化した大剣の如き前鋏』に、右側が『分厚い大盾の如き前鋏』を翳す、瑠璃色の甲殻を纏った所謂『シオマネキ』に近しき、大剣と大盾を掲げし騎士を彷彿させる『巨大な蟹』こと『バタリング・ナイツクラブ』。
片や全長20mながら、土竜と同形状の『シャベル状の前肢』を振るい、頭部は『ハンマーヘッドシャーク』に似た横平らな物で、顎は『カミキリムシ』の様に鋭く。後ろ足は飛蝗特有の『長く』そして『異様』に発達し、キリギリスの様な羽根を持った『巨大
女王謁見を前にペッパーの行く手を阻む、二体の巨大モンスター達が立ち塞がって来たのである………。
カニとケラが現れる