此処に決着
暗闇の台地に戦士が一人駆けている。
彼は其の身に緋色の炎と暖かな白光を放っている。
戦士は夜空を舞っていた。
まるで太陽の如く輝きを放ち、己の前に立つ敵を照らして焼き尽くさんと吠えていた。
「おおおおあああああああ!!!!!!!」
夜空を白と朱のペンキで塗り潰し、
「まだ倒れないか!やっぱり出来る────!」
走り、走り、走り抜け。装甲列車と見間違う程の巨体の突撃を、跳躍及び短距離瞬間移動で回避。逆に巨体に飛び乗るや走り出しつつ、重力軽減による補助を得ての再疾走。
脆くなった身体を走って刺激、再びビーム照射を促しながら、真っ直ぐに巨大シオマネキに真正面から突っ込み。ホーミングによって迫り来るビームを残り一回の短距離瞬間移動で躱わし、光線達が着弾。既に熱によるスリップダメージと、加熱・冷却の連打を受け続けた両腕の鋏を繋ぐ関節が、遂に焼き貫かれて吹き飛んだ。
「素材確保からのぉッ!此れでシオマネキはリーサル!」
空中疾走で二つの鋏を取り、
同時にバタリング・ナイツクラブの脳裏を過った幾つもの光景が………走馬灯が流れた直後、其の映像はブッツリと途切れて、巨体は大地に沈んだ。
繰り出されるは
其所に付け加え、
「バタリング・ナイツクラブ。重なる盾と重なる剣を振るいし、機敏にして気高き騎士蟹よ。次に出逢うならば、剣と盾を用いて戦う事を誓う」
ポリゴンの崩壊によって素材が戦場に散乱する中、急ぎ全てを拾ったペッパーがギルフィードブレイカーを翳して、最後の標的ながらビーム照射で体内のマナを使い潰し、豪華絢爛なる彩り満ちた色彩色満ちる甲殻が褪せ、明らかに弱体化の一途を辿った巨大ヤスデに視線を向ける。
同時に緋色の炎を出す
「此れで一対一だ………決着を付けよう、巨大ヤスデ。いや───!?」
だが、此の局面で──────
此の局面
自身の身体に纏う、魔力含有率の高い鉱物を喰らって纏っていた
だが其の代償を対価と言わんばかりに、口内に集うは此迄の比ではない『魔力の光』………まるで己の残留マナの全てを用いて、特大の一撃を。まさに『レーザー砲撃をブッ放して貴様を殺す』と、そんな気概を感じさせる様であり。
今もポンプ状の巨体を流動させて、体内のマナの全てを口内に集束。膨張したエネルギーを潰して凝縮し、再び膨張したなら其れを凝縮し直して、何度も……何度も……何度も繰り返し────────。
其の果てに作り出した小さな、しかしあまりにも膨大な純粋なエネルギーの弾丸が、其所には在って。巨大ヤスデはまるで、自分諸とも此方を一撃で『全て』を終わらせようとしていて。
「……………上等」
ペッパーはギルフィードブレイカーをインベントリに、代わりに取り出したのは『
黒い靄が剣身から溢れて漏れ出し、緋色の炎と白光の輝きに照らされながらも其れさえ塗り潰し返さんと、ドドドドドと凄まじい勢いでオーラを放出し続けながら、彼は正眼の構えで真正面から相対する。
誰かが見ているかも知れない。此処までの戦いを記録されたかも知れない。己の行動パターンを記憶されたかも知れない。此の局面だってそうだ、グランシャリオを取り出す事無く、サキガケルミゴコロの未来予知でタイミングを見計らって逃げ去る事だって可能だった。
だがゲーマーとして此の局面を見た時に、今までの経験から思考が算出した
「ウェザエモン・
世界の真理書『墓守編』を取り、グランシャリオに翳した事で蒼桃色の宝玉へと姿を変えて。剣身の根元に最も近い穴へとセットし、鞘へと納めつつ居合の構え───晴天流【風】派閥の奥義たる『
女王と勇者、互いに現状で放てる最大火力。
用いる手札を全て切り、戦場に恐ろしい静寂が支配する。
そして─────────!
「断風ッ!!!」
唯一つを打ち砕く純粋なる破壊の力と、神代最強と謳われし絶技たる抜剣居合が、夜空の下にて交錯する………───────。
そして何かを『斬った』感触と、何かが『割れた』音。
然れど其れも、二つの『爆発』によって掻き消されて。
「はっ………ははっ…………!」
土煙が後方にて二つ上がる中、抜き放ったグランシャリオの剣身には、ハッキリと『ヒビ』が走っていたのをペッパーは目撃し。
「スゲェ………!初めてだ、グランシャリオに『明確なダメージを与えたのは』!お前が初めてだよ、泰山巌宝蛇蟲"昂華堅巒"!!!!」
切札にして耐久をMAXまで回復していたグランシャリオを、一撃で此処まで追い詰めてみせた女王に対する興奮と感動の声を挙げる。
だが其の一撃を放った代償として、泰山巌宝蛇蟲"昂華堅巒"の身体からは生気がみるみる失われ、装甲列車以上の其の巨体が台地に沈んで、身体を構成するポリゴンが崩壊を開始する。
「泰山巌宝蛇蟲"昂華堅巒"。身体中に研磨された鉱石鎧を纏い、無数のビーム照射による範囲爆撃と巨体を活かす突撃、そして最後に己の命さえも凝縮した光弾を撃ち放った、大いなる女王よ。俺は貴方を忘れはしない。戦って下さり………ありがとうございました」
グランシャリオから宝玉と化していた世界の真理書を取り外してインベントリへ、そしてグランシャリオを鞘に納めながらに礼を述べれば、同時に泰山巌宝蛇蟲"昂華堅巒"はポリゴンと化して消え去り。
不世出個体の
『モンスター
『討伐対象:
『エクゾーディナリーモンスターが撃破されました』
『称号【
『称号【終戦の暁】を獲得しました』
『
『モンスター
『討伐対象:
『エクゾーディナリーモンスターが撃破されました』
『称号【泰山落とし】を獲得しました』
『称号【光輝く戴冠を抱く】を獲得しました』
『
『天貫く大山に居着く無限掘削の女王は、強き者により討ち鎮められた』
『此処に全ての強者を討ち倒した』
『ユニーククエスト【覇道を刻みて、武は形を成す】が進行しました』
彼は単身戦い抜いた
習得条件:
効果:脚撃が命中した際に強力なノックバックを起こす。其の時の威力が小さい場合はノックバックが増大し、威力が大きい場合はノックバックが減少する。
唯一残された者の怒り、一撃に込めた力は戦場に開幕も終焉も告げる。故にこそ不世出の奥義
習得条件:
効果:発動者がパーティーのリーダーであり、発動時点で発動者を除くパーティーとして行動している、プレイヤー・モンスター・NPCの平均レベルを参照・所属人数×30秒間の間、発動者にステータス補正を与える。
弱きを守る使命を成すべく、最前線へと赴き戦いて護らんとする意思。其れこそが不世出の奥義