炎を採ろう
×字の入った赤と白のマグマ浮遊球体。仮称として『✕◯君』…………先ずは此の存在が何を以て動くのかを、確かめなくてはいけない。
『Fululululululululu…………』
「取り敢えず近付いて………熱ッ!?」
およそ25m時点からスリップダメージが発生。多分だが此のダメージは『熱』による物であり、鎧を装備していても内部を『蒸し焼き』にして殺しに来ている。コレはアレだ、ウェザエモンやクターニッド、ジークヴルムにアトランティクス・レプノルカの鎧を着ても意味が無い。此のタイプはリジェネ持ちアクセサリーじゃないと、中心地まで近付けないタイプだ。
そう確信したペッパーは、フィールドにスリップダメージを起こす
『Fululululululululu…………』
✕◯君まで15m、リジェネとスリップダメージは五分五分。ゆっくりと慎重に近付きつつ、此の眠っている存在が『どのような状況で目を覚ますのか』に着目する。先ずは王道としてインベントリから
「ッッッッ!?」
明らかに『警戒音』と思われる声が✕◯君から聴こえ、球体が一瞬『大きく膨れた』様に見えたペッパーは、慌てて距離を取りつつも冷静に武器をインベントリに再収納すれば、其れを良しとしたのか✕◯君からは再び『Fululululululululu…………』と、笑い寝息が深層空間に響く。
(先ず武器展開もしくは敵意を以ての接近は、✕◯君からすると『アウト』の可能性が有る。じゃあ武器を見せる様にするのは大丈夫かな?)
取り出すは
ならばと鋒を向けて見た所、再び彼方から警戒音が響いたので、殴ろうとする此方の『意識』に反応しているのでは?と、ペッパーは『仮説』を立て。同じ様に何度か繰り返し試した事で、✕◯君は此方が放つ『攻撃の意志に反応する存在』と確定付ける。
「………さて、此処からが『本番』だ。
『Fululululululululu…………』
笑い鼾を続ける✕◯君、取り敢えず実物を出さないと話に成らんと思いつつ、インベントリから朽ち果てたアスカロンを取り出した─────まさに其の時。
『Vivivivivivivivivivi…………』
「!」
鼾ではない、明らかな変化。そして球体ながらも、あの存在が此方に
体力が削られて数十秒後には、四肢の末端が焼かれて黒焦げ処か焼却させられる確信を抱き。しかし
「✕◯君よ、取り敢えずアスカロンに炎────入れてくれない?」
『Voooooooooooooouuuuuuuu……………』
其の言葉を汲み取ってか、浮遊球体が『大きく』───否。まるで『蕾が花を開く』が如く、ぶわり……!とマグマで彩られたクシャクシャの
其の翅から鱗粉でも撒き散らすかの様に、だがマグマであるが故に放たれた超高熱の大熱波が、深層空間のあらゆる物を一片残す事無く、文字通り『蒸発』させる。
「あ───────」
ジュワッ!と骨身が一瞬で蒸発する最後を辿る中、ペッパーが見た✕◯君はマグマの翅を広げし、巨体な『蝶』の姿だった。
結果からすれば────
対応とて、そう望んだからではない。そもそも其れには、生物的な
其れは『A』という干渉に対して、簡単に『B』という答えを返す。そんな単純な行動パターンを束ね、臨機応変に見せ掛けただけの。反応と対応の『システム』にして、今も地底でただひたすらに。己の力を蓄え続ける赤色の■■■■。
とある『もう一つの赤』と
『
其れ即ち『己が持つ力で欠損を補填する』という使命を果たす。例え其れが
『焠がる大赤翅』は己の炎を必要としていた『鋼』に、確かに自身の力が込められた事に対し、特に何か感慨を抱くようなことも無く…………再び元の状態へと戻った。
地殻の檻の中で、唯々ひたすらに来るべき時に供えて、己の
其れは羽化を待つモノ