ゴルドゥニーネ(本人)のサプライズ
『だから!
『オマエ、オマエが、死ねぇエエエエエエエ!!!』
突如襲来した、ユニークモンスター・無尽のゴルドゥニーネ。其のゴルドゥニーネに襲い掛かった、ゴルドゥニーネ・レプティカ4。だがゴルドゥニーネ・レプティカ4は知らない、此れが自分の『敗北イベント』である事を。
『生まれたての
『殺ス!死ね!死ェェェェェェ!!』
勧善懲悪、原始的時代から続く悲しき宿命。平和の素晴らしさをヒーローが説いたとしても、ヒーロー
『私の可愛い子供達、どうか
ゴルドゥニーネ・レプティカ4が毒の武器を作るより尚早く、無尽のゴルドゥニーネの底冷えした視線と共に、彼女に仕える四体の
彼女の左上に仕える龍蛇は、蛇女巨人の右肩から先の腕を喰い千切って吐き捨て。
彼女の右上に仕える龍蛇は、蛇女巨人の左肘から先の腕を噛み砕いて破壊して。
彼女の左下に仕える龍蛇は、蛇女巨人の鳩尾を弾丸の如く貫き破壊し、次いでとばかりに左膝をも破壊せしめ。
彼女の右下に仕える龍蛇は、倒れる蛇女巨人の右膝を締め砕いて、四肢を捥ぎ取り達磨に変えた。
そして駄目押しとばかりに四匹の龍蛇達は、各々の牙を蛇女巨人に突き立てて毒を注入しながら、まるでペットが主人に見せ付けるように運びつつ、其れを乱雑に彼女の前へと投げ落とす。此れは謂わば『サンドバッグ』、強者が弱者に必要以上の暴力を強いる光景だ。
だが、其れ以上に。ペッパーとサンラクの感情は現時点で別の物に置き換わっていた。ペッパーにとっては既に虫の息たる者に対し、其れ以上の惨い仕打ちをするゴルドゥニーネに対して。サンラクにとっては勝手に横入りした挙句に、此方の獲物を強奪すんなやボケがという物で。
そして小さな足で達磨にされたゴルドゥニーネ・レプティカ4を踏み付けんとした、無尽のゴルドゥニーネからダッシュスキルによる圧倒的な加速で奪い返し、ストレングス・キャリアーで運送。からの死に体にあるゴルドゥニーネ・レプティカ4へ『
『あら? 何のつもりかしラ?』
「何のつもりか?乱入してきた挙句、彼女を惨たらしく痛め付ける必要は本当に有ったのか?そう聞きたいからだ」
「ペッパーの意見にゃ同意だわ。─────いきなり横からしゃしゃり出て来て、人様の獲物を奪っといて何様のつもりだ
そしてサンラクもまた、ゴルドゥニーネを挟む形で睨み付けており、其の口調から明らかに
『フフフ、
指差し達磨と化し、ダメージエフェクトとポリゴンを撒き散らしながら、絶え絶えの呼吸で無尽のゴルドゥニーネを睨む、ゴルドゥニーネ・レプティカ4を構築していたポリゴンが崩壊し──────そして消滅した。
「貴女が
「別にアイツがフルボッコにされてる事に対して『意義』が有る訳じゃない。どちらにせよ俺が殺るかオマエが殺るかの違い────其れだけだ。俺が『文句』を言いたいのはさ…………『人の獲物を横から掻っ攫っといて、偉そうな
『すくしょ……? ウフフフフ、少しだけ愉快だワ。晒されるのはお前達の屍────』
其の刹那、此処まで近付いていたサンラクがゴルドゥニーネに『デコピン』を噛ましたのと同じタイミングで、小さな少女の背中に放たれた
『ゴァァッ!?!』
『───────』
「邪魔が入った……」
「えっと、おーおー………随分と間抜け面だ。傑作だなぁオイ」
ペッパーの右手には『七つの穴の内の持ち手に近い場所に二つの宝玉が納められ、黒いオーラを業火の如く噴き出し続ける聖剣』が握られており。まるで『居合でも行った後の様な残心を以て』、ゴルドゥニーネに振り返り。其の一撃で仕える龍蛇の一匹が、明確な傷を受けた事に目を見開いたゴルドゥニーネの『全体像』をサンラクはスクショしながら言った。
「良かったじゃねーか、ゴルドゥニーネ。もし俺も加わってたら、軽く五十回は死んでたぜ?」
「従者に感謝して下さいね。───次は其の首斬り落としますから」
胸に右拳を叩き付けて黒雷を、左指で高らかに打ち鳴らして緋炎を纏い。ストンと表情の抜け落ちた表情の無尽のゴルドゥニーネは、笑顔の形たる表情を『作った』後に一言。
『──────殺セッ!跡形も無く……惨たらしク!!』
「殺ってやろうじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!」
「勝負だッ!無尽のゴルドゥニーネェッ!!!」
戦いの火蓋は再び切って落とされた。四匹の龍蛇と一人の最強種、そして二人の開拓者による戦いが………。
ペッパーとサンラクが、
顔が皹割れ掛けて、ずっと片眼でトンネルの中で戦った者が居た。両足が皹割れ掛けて、二度と歩く事が出来なくなりそうな者が居た。全身に皹割れが走って、此れを最後の戦いと覚悟していた者が居た。
ユニークモンスターが刻んだ呪いは、其の存在が世界から消えるまで身体に残り続ける。ましてやゴルドゥニーネの毒は刻まれた瞬間より身体を蝕み、別の生物にも感染・未曾有の大災害を引き起こす『危険』を孕む。
故に呪いを受けたヴォーパルバニー達は家族や友人、恋人に会う事は許されず、トンネルの中でゴルドゥニーネの眷属達と戦い続けて、人知れず………否兎知れず朽ち果て、消え逝くしか無かったのである。
だが、身体を蝕む『其れ』が消えた。即ち自分達が眷属達を押し留めている間に、奥へと向かった二人の開拓者達が、ゴルドゥニーネの分け身を宣言通りに討ち果たした事を意味していた。彼等の、彼女等の、武器を握る其の手に力が籠る。其の勢いは希望を見据え、ゴルドゥニーネの眷属達を殲滅し切るまでに、そう時間は掛からなかった。
そして八股に頭が分かれた大蛇が、致命の槍と金色の槍に貫かれ、全身に炎の槍雨を受け、腹部を致命の大鎚によって叩かれ。体力を全損した事によるポリゴンの崩壊と其の蛇の牙と鱗、体皮がドロップした事でトンネル内には遂に静寂が訪れ。
防衛戦で陣頭指揮を取ったインテリヤクザのヴォーパルバニー・エードワードが、此迄に戦いで散って逝った同胞達への鎮魂と共に瞑目し、其の手に握る業物たる長ドスを掲げ開眼しながら───────彼は勝鬨を挙げる。
「我々の─────勝利だ!」
オオオオオオオオオ!!!!!と、戦いに関わったヴォーパルバニー達の叫びがトンネルに轟く。
「えいッ!えいッ!おー!!!」
『えいッ!えいッ!おー!!!』
「えいッ!えいッ!おー!!!」
『えいッ!えいッ!おー!!!』
まるで合戦の後の様な、彼等彼女等の歓喜の叫びと涙が彩る其の場には、レーザーカジキと
二人の乙女は走り続ける、想い人達が未だに奥から帰って来ない事を心配しながら。そして其の奥に潜む『何か』を確かめんとして。
雄叫びは響く
???『彼が戦ってる。あの子は────そう、