敵陣営の戦力
「モモちゃんめ……メンバーをガチガチに固めて来るとは、
今宵の一戦に参加した十四人の
「
「あ、あの、ムラクモさんって強いんですか………?」
「奴の名は何回か聞いた事がある。レベルダウンビルドやってる奴なら、一度は耳にするくらいのな」
其れは彼方側も同様であり、リベリオスと†
「こうなった以上は仕方無い、切り替えよう。ペンシルゴン、クラン:黒狼に関して解る事を教えてくれ」
「そうだね………ふぅ、よし切り替えた!説明すると黒狼は中身が
「まぁ談合で解ったように、実際の中身がアレだけで『全員プレイヤースキル』も相応に有る。まぁ『対人特化』って訳でも無いけどね」
さらっと黒狼をディスったペンシルゴンと京極だったが、其の表情は硬い。サイガ-0とサイガ-100にマッシブダイナマイト、勇者武器持ちの草餅に最多回数のレベルダウンビルドのムラクモという、ゲームで例えるなら『RPG内のダンジョンで其の階層で出現する、敵編成の中の一番最悪のパターンを引いた』感じになるだろうか。
「モモちゃんと裏で繋がってるから、リベリエス君と無銭飲食君の対策は出来てるんだけどさ。他のメンバーの質から見るに、よっぽど
青筋を浮かべながらジッ………と、サイガ-100を見るペンシルゴンにペッパーは遠い目をしていれば、サンラク・オイカッツォ・京極はニヤニヤと笑い、サバイバアルは意外そうな表情をしていた。レーザーカジキはマナポーション等を確認しているようだ。
「僕やサバイバアルにとっては嬉しい限りだけど、此の戦いって星取り形式の最終戦まで行うパターンだよね?」
「そう。勝ち抜き戦じゃない以上、陣営一人一人の
「しかもモモちゃんは『剣聖』ジョブ持ちな上に
だがそんな中、サンラクがニンマリと。其れは其れは『悪い笑顔を浮かべながら』に、こんな質問をしてきた。
「今回の戦いって『どういう形式』か解るか?」
今更になってそんな事を問い掛けるサンラクに、ペッパーは至極全うな解答を返す。
「形式?そりゃあ『七対七の団体戦』だな、現に七名ずつ各陣営には居る」
「そうだな。じゃあ第二問─────」
サンラクが質問した何気無い其れを、ペッパーは思考し。元々の自頭の良さが出たペンシルゴンが、ペッパーより早く『答え』に辿り着き。数秒遅れたものの、彼もまたサンラクのやらんとした事に『気付いた』のである。
「いや、サンラク君マジで?」
「マジ」
「ハハハ………とんでもねぇな、サンラク……!」
「フフフフフ………!」
「いや、どういう事だよ………」
「何々、何なの?」
「おう、サンラク。何か『仕込んでた』んか?」
「お、教えてください!」
そしてオイカッツォ・京極・サバイバアル・レーザーカジキが答えを聞きたそうにしており、サンラクは対極の黒狼陣営側を指差しながら、とっても
「んー、まぁ凄いシンプルな話。七対七の同数で、其の戦力の隔たりを『手っ取り早く崩す方法』ってさ。『敵陣営のプレイヤーを引っこ抜いて、味方にしちゃえば良いんだ』よね」
旅狼側のプレイヤーがサンラクの指差す先を見れば、サイガ-0が『マーニが入った巨大な革袋』をサイガ-100の前に提出する瞬間を目撃。其れを見たリベリオスと†武閃陰蝕†が唖然となり、サイガ-100・草餅・ムラクモは目を見開き、マッシブダイナマイトだけは朗らかに笑っており。
観客席のプレイヤーやNPC達がざわつく中、サイガ-0は六人に深々と御辞儀をした後、最速最短で真っ直ぐに此方へと走り出して、僅か十数秒で旅狼陣営の所まで辿り着いたのだ。
「ええと、其の………ペッパー、さん」
「は、はい。何でしょうか?」
「えと……私、クラン:旅狼への加入を……希望、します」
「…………はい。よろしく御願い致します」
其の瞬間にコロシアムの歓声は『どよめき』に変わり、同時に黒狼陣営は『六人』・旅狼陣営は『八人』という、戦力状況が完全に引っくり返ったのである。
通常のプレイでも余程の金策術が無くては出来ない、二十億に届き得る可能性が有る支払い金額だが、以前ラビッツの兎御殿にて確認したクターニッド戦後のサンラクとペッパーの称号には『
サンラクはサイガ-0と相談し、
其れによって彼はインベントリアの一角に積まれていた、ルルイアスの財宝をマーニへと換金。ヴォーパルコロッセオでサイガ-0に換金したマーニを手渡し、決行日に備えていた───というのが事の全容である。
『な、ななななな、何という事態!七対七の団体戦が此処に来て急転直下!黒狼陣営の最大火力・サイガ-0が旅狼陣営に入りましたァ!?………こ、此の場合どうなるんだ……?続行して良いの、でしょうかコレ?』
『ふぅむ………確か談合時のサイガ-100君の発言では、育成と使い捨て魔法媒体で消費したマーニの倍の金額を払えば、脱退を認めると言っていたが………。成程、旅狼は『何かしらの金策手段』を用いて、借金を肩代わりしたのだろうね』
『其の金策内容が私は気になりますね~』
司会進行役のプレイヤー・アーネスが、あまりの状況に困り果てている様子の中で、キョージュは冷静に解説し、ミレィも同意する。そして観客席に座る黒狼所属の強硬派プレイヤー達の視線が、旅狼陣営の居る場所に向けられ、今にもブン殴り掛かりそうな雰囲気の中で、ペンシルゴンが大きな声でサイガ-100に言った。
「おーい、団長ちゃーん!人員補充するのも何だし、此処は『六対六』に変更しなーい?」
サイガ-0をブン取った口でいけしゃあしゃあと、よくも口に出せたなと言った顰めっ面を向けながら、サイガ-100は両腕で『丸』を作った。其れ即ち『了承』した事を意味しており、改めて六対六による星取り形式での戦いが取り決められた。
『コホン!改めまして、此の団体戦は『六対六』による星取り形式での戦い!最終戦まで行い、勝ち星の合計が多い陣営の勝利!尚、勝敗は対戦者の死亡を以て決着とします!』
司会進行役が進める中、ペンシルゴンは旅狼陣営を見回した後に言った。
「今回の戦い、最終的に勝ち星を四つ取っちゃえば極論『勝ち』になる。だけど、私達を嘗め腐った態度をした黒狼には、ちゃ~ぁんとオシオキしないと………だよねぇ?」
という訳でと、彼女は世界に誇るトップオブカリスマモデルに相応しい、自身に満ちた表情で『先鋒』を飾るプレイヤーを名指ししたのだ。
「先ず最初に『レーザーカジキ君』。私達が保有する『戦術機獣の一角』を使って、確実に『一勝取ってきて』。君が使いたいロボットと武器は選ばせてあげる。あぁ其れと………ボコボコにして良いからね?此処でキルしても『ペナルティ』一切付かないとの事だから、安心して殺っちゃって?」
「は、はいッ!精一杯頑張りますッ!」
「そして戦闘進行と勝ち星数によって、サバちゃんを投入するか否かを判断する。なのでサバちゃんは、何時でも戦えるよう確り準備してね?」
「おぅ、任せな」
そして旅する狼達による、黒き狼の蹂躙が執行される。
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