レーザーカジキ、往く
『大変長らく御待たせ致しました!此れよりクラン:
クラン対抗戦の開幕、初手でサイガ-0を引き抜くというサンラクの奇策によって、六対六の状態での星取り形式に変更となってから数分後。司会進行を勤めるプレイヤー、クラン:ライブラリに所属しているアーネスの一声と共に、クラン:黒狼からは『†
『クラン:黒狼からは†武閃陰蝕†選手!対するクラン:旅狼からはレーザーカジキ選手だ!』
『見た所、武閃陰蝕君は二刀流のインファイター。対してレーザーカジキ君は遠距離の魔法職という感じだね』
『自分の得意な距離で相手を叩けるか……そんな戦いになりそうですね~』
クラン:ライブラリのリーダー・キョージュと、ライブラリ所属プレイヤーのミレィが軽く解説、そして戦場にて双剣士と魔術師が相対する。
「は、初めまして!よろしく御願いします!」
「あ、あぁうん、よろしく」
遠目でしか見えないが、あの†武閃陰蝕†なるプレイヤーはレーザーカジキを
其れでも余裕を崩していない辺り、彼は絶対に勝てる自信が有るのだろう。だが古今東西の対人戦や戦争ゲームにおいて、共通する『言葉』が有る。曰く『戦いに絶対は存在しない』────と。
「降参したくなったら言ってくれ」
「御気遣いありがとうございます。でも……負けるつもりは有りませんから」
「…………へぇ」
そう力強く宣言して、レーザーカジキは『初期メンバー五人のクラン共有化処理』を経て取り出された、とある物を此の戦場へと出現させる。
「クラン:旅狼の、そして僕自身の為にも!必ず貴方に勝ちます!行きましょう───
初戦を前に彼へと渡された、
前回の使用後からインベントリアの中で充電をMAXまで回復した、規格外エーテルリアクターを装填された事で
会場内はどよめき、興奮の声で染まり始めた。
「ロ、ロボォ!?」
「はい!鳥のロボットの朱雀さんです!あと御喋り出来ます!」
『な、なななんとぉロボットォ!?!?レーザーカジキ選手、まさかの鳥型のロボットを繰り出してきました!?!?しかも赤い鳥の意匠が施されたスーツまで纏っています!!!』
『ほぅ………此れは此れは………』
『凄いですねぇ………会場のボルテージが高まってますよ~』
シャンフロにロボット在ったの!?やら、アレちょー欲しい!なる声が聞こえてくる。紅のパワードスーツに身を包み、朱い鳥型のロボットを従え、何やらロマンチックな機械の長杖を握るレーザーカジキの姿は、一人だけ『別のゲームをしている』様にも見えなくは無い。
『とと!其れでは…………戦闘開始!』
「朱雀さん!『
『
レーザーカジキが走り出し、追従する形で朱雀も飛び立ち。パワードスーツを纏った少年の肩を掴むや、朱雀は上空まで引き上げて徐に手離すと同時に全身を分解。両翼を背に、ブースターを腰へ、胴体は両足を強化し、頭部は艶羽の
「な、なん………!?」
『合体したぁ!?』
「行きますッ!」
朱雀の羽等に仕込まれたブースターが火を噴き、紅蓮に成ったレーザーカジキが、メテオディフュージョンの鋒を言葉を失った†武閃陰蝕†に肉薄、同時に握る長杖に魔力が籠められる。
何とか剣を抜く事は出来ても、朱雀というロボットバード+合体シーンを目の当たりにしてしまった事で、漆黒の双剣士は攻める機会を逃してしまった。そして其の逃した機会を、朱い魔術師は逃がす事無く掴み取った。
超々々至近距離の、本来なら†武閃陰蝕†の
そして其の一撃は謂わば、『ショットガンを零距離接触射撃をされる事』に等しき威力と成り、放たれた拡散の炎魔法は†武閃陰蝕†の全身を、文字通り木っ端微塵に消し飛ばしてしまったのである。
余りの一撃に会場は静まり返り、そして宙返りして夜空を飛行した後、旅狼側選手控え場所まで進んで着地、朱雀との合体を解除したレーザーカジキは高らかに叫んだ。
「えっと、僕の勝ちです!!!」
『…………ハッ!?戦闘終了!!し、勝者!旅狼所属、レーザーカジキ選手ッッッッ!!!何と試合開始から僅か『23秒』という、圧倒的な電撃決着だああああああ!!!』
『─────────────!!!!』
アーネスの叫びに、会場で戦いを見届けていた観戦者達の興奮の声が響き渡り。此処に先鋒戦が決着し、クラン:旅狼が先制する形となって、次鋒戦へと向かう。
朱き鋼の鳥が、勝利をもたらす