次鋒戦を観る者達
「エグいねぇ……端から観てる分にはエンターテイメントだけどサ」
「
バトルフィールドにてビームや実弾を用いた砲撃の雨霰に、リベリオスが言葉に成らない悲鳴を挙げている様にも見える。緑と黒の重装甲パワードスーツに身を包み、四方八方から飛ぶ砲撃の砂煙の中から現れては、リベリオスとの距離を着実に近付ける
其の様子たるや、特撮戦隊作品に例えると『巨大ロボット戦の味方陣営機のスーパーアーマー、敵陣営からすると絶望と破壊の化身が死神の如く迫って来る』以外に形容出来ないのだ。
「うわ、すっげ。滑らかに滑ってリ
「実際四つ在るパワードスーツの中でも、単純な『防御性能』は
「試運転がてら使ったけど、
「すっごく機敏に動いてますね、玄武さん……。メテオディフュージョンと合わせて、大火力砲撃が出来そう……」
「何と言うか、其の………アグレッシブ、ですね」
サンラク・ペンシルゴン・オイカッツォ・レーザーカジキ・サイガ-0が言葉を発する中、おそらく『敢えて』残しただろう攻勢へ転じる
だが鍔競り合うも、ハービンジャーは敵との押し込み合いに置いて、決して『打ち負け無い』という特性を持っている。言い換えるなら『
唯でさえ重装甲かつ重量級、踏ん張り吹き飛ばないだけの力、そしてハービンジャーの力を十全に使いこなせる剣豪。其の三要素によって逆に弾き飛ばされたリベリオスが、後ろから高速ホバーで体当たりをブチ咬ました玄武によって、再び京極の
「何だアリャ」
「あぁアレ?アレはウェザエモンの報酬達。太刀がハービンジャーで、パワードスーツが富嶽、そしてロボットタートルが玄武。私とあーくんにサンラク君とカッツォ君、そして今戦ってる京極ちゃんの五人が獲得した報酬の一つに、共有状態で入っていた代物なんだよ」
「いや、まぁアレは気になってたんだがよ………。因みに其の中に『銃』とか在ったか?」
サンラクはサバイバアル……『バイバアル』時代の事をよく知っているし、何なら殺り合った経験も有るので銃を見せた日には『ハッスル』する未来しかない。そしてペッパーはサバイバアルの気配から、SOHO-ZONE並に『面倒臭い雰囲気』を感じつつもこう答える。
「サバイバアルさん。此の戦争が終わったらSOHO-ZONEさんが『ある物』を公開するので見てください、其れが『答え』になります」
「ほぉ?」
ギザッ歯を見せつつ、ギラリとした視線を向けられながらも、其れに対してペッパーは怯まない。此の手のタイプは此方の挙動から、嘘か真かを見抜いてくる手合だ。ならば揺らぐ事は、此のプレイヤーに対して嘘を付くに等しい事だと。
少なくともペッパーの此の行動は、サバイバアルを知るサンラクは『其れで良い』と心の内にて、ペッパーに対するサムズアップを行い。サバイバアルはペッパーの其の言動から、少なくとも嘘は付いていないと信じるに値して。
「カカカ、そりゃあ楽しみだ。
そう言いながら京極とリベリオスの戦いに視線を戻し、ペッパーも同じく戦いを見ると、京極とハービンジャーに押し負けては押し飛ばされたリベリオスが、玄武のブチ咬ましでバウンドし、再び京極に押し負けて玄武にバウンド………という『壁ハメ』に等しい、エネルギーが続く限り終わらない『無限コンボ』の餌食になっていた。
「サッカーしようぜ、お前ボールな!を地で行く光景だな」
「マブダチにバレーボールにされた記憶が蘇るぜ……」
「俺もつい最近、
染々と語るサンラクとペッパーを他所に、リベリオスが隠し玉らしき炎の剣を取り出したが、其れすらもハービンジャーで押し込み転倒させた、其の直後。ある程度の高さまでホバーしていた玄武が、京極のオーダーによって浮遊を切り、其の巨体と重量でリベリオスにボディプレスを敢行。
「ごきゅぷ!?」と明らかに人の口から出てはいけない声が響き、リベリオスの体力が全損手前まで追い込まれ。「此れで
同時に規格外エーテルリアクターのエネルギー残量が、遂にゼロとなった事により玄武が消えて、続く形で全身に纏う富嶽が消え、ハービンジャーも消えた事でバトルフィールドには京極のみが残され。
『!!!!!』
大歓声と共に次鋒戦の勝者が決まったのだった。
『本当に凄まじい光景でした……実況なのに、殆ど実況出来てなかったです……』
『アーネス君の気持ちは解らなくもないよ。しかし本当に凄まじいな、あの亀のロボットは。重装甲重砲撃に加えてホバーによる高速機動………制限時間付きとは言え、アレが敵に回った場合は恐ろしいな』
『空戦はさっきの朱雀で、地上は玄武の砲撃で制圧……絶対相手したく無いですよぉ~。ただ砲撃でフィールドがボロボロなので整地してから再開しましょー』
玄武と京極によるリベリオスをバレーボールにする戯れを行い、勝敗が決してからの実況のアーネスと、解説席のキョージュ及びミレィからの反応。そして観客席から見ているプレイヤーやNPCも、玄武のスペックにどよめきが止まらずに、興奮に煽られているようにも見える。
「ペンシルゴン、オーダー通り勝ってきたよ」
「御疲れ、京極ちゃーん!此れでまた一歩、私達
ケラッと笑いつつハイタッチを決めた京極とペンシルゴンを見ながら、此れで旅狼が二勝を決めた事で後一勝すれば、後々の状況にもよるが『引き分け以上が確定』する事。そして当然ながら、此処から
『十五分の整地時間という名の休憩を挟みまーす』との事で、ペッパーは「皆。ちょっと話を聞いて欲しい」と、旅狼陣営を集めて『作戦』を伝え始める。一方の黒狼陣営は『サイガ-100派閥組』で作戦会議をしていた。
「………さて、どないしましょうか。サイガはん?」
「彼方が残り二体のロボットを、使うか使わないかはさておくとして、だ。可能性として『ペンシルゴン』は、ロボットを使う可能性は有り得るだろう」
「アレだけの馬力だもの~、殴り合ってみたいわぁ~」
「対人じゃなくて、対モンスター想定として戦うのが良いと思うよ団長」
旅狼陣営が持ち込んだ二体の戦術機とパワードスーツに武装、そして残り四人の内の二人が少なくとも其れを用いて、確実に二勝を取って来ると見定めていた。
もし此処から黒狼が巻き返して逆転した場合、現在負けた事で縮こまって居る強硬派───リベリオス派閥の面々が旅狼を傘下に加え、悪い方向で益々増長する未来しか見えない、というよりは『確実』にやりかねないだろう。
だがやられっぱなしでは、流石に黒狼としての面目が立たないのは明白だ。故にこそ─────
「此処が分水嶺になる。『ムラクモ』───確実に一勝を頼む」
「オッシャ、任されたで」
「此の盤面なら相手も大戦力を切る、なら此方も『切札』を切ろう。『サンラク』、次戦で戦術機も用いるつもりで勝って来てくれ」
「OK、行ってくるわ」
旅狼 対 黒狼。
其の中堅戦にして、
そして中堅戦に