其の武器の能力
其れは千紫万紅の樹海窟に在る隠しエリア、双皇樹を根城とする颶風の申し子こと『ティラネードギラファ』、雷嵐の申し子こと『カイゼリオンコーカサス』。
二体の双皇甲虫の素材を用いて、
槍の穂先は雷及び刺突属性、斧の刃には風及び斬撃属性の異なる属性が付与されており、ハルバードという武器種の特性故に斧槍武器・刺突・斬撃の三種のスキルに対応し、
そして
クラン対抗戦までの僅かな時間、ペッパーは風雷皇の擊貫斧の説明文を読み、そして其の能力を理解し。同時に彼は、自身の想い描いた『ギミック』を再現してみせたビィラックに、深い感謝の意と敬意を評した。
風雷皇の擊貫斧が持つ超過機構──────名を『
だが此の轟弾撃、
其の問題点は、SOHO-ZONEから託された土錆びた拳銃の遺機装をペッパーがビィラックへ届け、彼女が其れを修復する過程で、銃には『装填された魔力を区分けして保有が出来、其の区分けした魔力を個別に撃ち出す』という機能───所謂『シリンダーとトリガーの連動』に気付き。
シリンダー及びトリガーの要素と、ペッパーが渡した設計図を照らし合せた事により、彼女は此迄なら一発しか放てなかった超過機構:轟弾撃を『複数回打ち出し』と、武器への『負荷軽減』を可能にするという、甦機装の新たなる『革命』を起こしたのだ。
そして今宵─────レトロゲーム『ウェポニアメーカー』のクリア者たるペッパーとSOHO-ZONE。嘗て二人が想いを馳せて共に描いた武器は、ビィラックの手によって産み出され。シャングリラ・フロンティアという世界の、狼達の戦の大将戦という大一番で遂に陽の目を見る事と成る。
風雷皇の擊貫斧の持ち方を変えて、構えたペッパーが
「なっ────!?」
「隙有りッ!!」
レーアドライヴ・アクセラレート起動でサイガ-100との距離を詰め、
直撃し雷属性による追撃が入り、エクスカリバーが金色の光を放つ。聖盾イーディスを持って、勇者のユニーククエストを経験したからこそ解る。アレは
『じゅ、じゅじゅじゅ!?銃ぅぅぅぅぅぅぅぅ!?』
実況のアーネスの叫びが聞こえるが、そんな事に気を取られていては勇者は倒せない。何回食い縛りが出来ようと、勇者がスリップダメージ等の『多段ヒット』に脆く弱いのは、ペンシルゴンが実証済だ。
「其処から追撃─────!」
「さ、せるかぁ!」
振り払う様に飛んで来る従剣が、ペッパーとサイガ-100の間を隔てる。そんな事は此方にとっては関係無いとばかりに、ペッパーは銃の機能が込められたアドバンテージの塊たる斧槍を収納。
黄金の剣刃にして弓と剣の融合武器『
何よりも今のサイガ-100の従剣操作は、明らかに
だが─────『人は目の前で提示された予想外の結果に対して、動揺してしまうのが常である』と昔に、ペンシルゴンが言っていたのをペッパーは今も覚えている。
(止めるな、全力で押し切るんだ!)
斬撃に聖剣が光る。刺突に聖剣が輝き。盾の打撃に聖剣が瞬く。揺れるサイガ-100を倒されぬように踏み留まらせ、支え続ける聖剣エクスカリバー。不撓不屈の言葉が相応しき彼女にペッパーもまた、自分自身の力をぶつける。
全力疾走で距離を離して、右手に持っていた聖盾イーディスをサイガ-100へ、投擲スキル:ブランチャイズ・スローを用いてブン投げて、左手に持っていた金弓宝剛剣を空に高々と放り上げ、両手を無手状態に『長銃を使う腕の形をしながら』、走り出して接近してきた。
急カーブを描きながら迫るイーディスを回避しながら、其の動きを見たサイガ-100は、再びペッパーがあの斧槍と狙撃長銃が合体した武器を使うと読み、他の従剣達を収納してエクスカリバーを構える。どんなに速かろうと、人間は急には『止まれない』────そして其れは現実世界の現象を忠実に再現した、シャングリラ・フロンティアであるならば同様の現象が起きる。
己が持つ聖剣に全てを託し、炎人となったペッパーを最速の刺突による一撃で、心臓を穿ち貫く…………其れがサイガ-100の『選択』だった。
「【
剣聖のジョブを獲得すると同時に、其の奥義は獲得出来る。そして使用期間が長い程に、積み重ねた努力を称賛するかの様に、此の奥義は威力を上げる。
至高の其の名に違わぬ、剣の道を究める研鑽の末に到りし、飛翔する一刀。真っ直ぐ迫り来るペッパーと視線が重なり、己の直感からなる一撃が飛び出し。
「──────────
「…………………………………!?」
目の前に写り、貫いた筈のペッパーは『陽炎』と化して消え去り。其の頭上からペッパーの声が響く。
「サイガ-100さん。貴女ならば『此の局面』で、サードレマの正門前で阿修羅会のプレイヤーを相手に見せた、あの超速刺突を使ってくれるって────そう
サイガ-100が、観客達が見上げた先。空中で天地が逆転状態で『金色の弓』を握り締めながら、弦に矢を乗せて引き絞り、そして『矢を放った』ペッパーの姿を見た。
走り続ける中で感じてきた、
蹴り飛ばして地面に突き刺さった巨大メイス、風雷皇の擊貫斧の衝撃的機能により、完全に存在を隠された
プレイヤー達は見た。ペッパーが掴んだ黄金の剣、其れの『中央が割れて』弓へと変形した瞬間を。サイガ-100の胸に、ペッパーが放った矢が突き立てられた瞬間を。
しかし、其れでも。修正前剣聖勇者は、此の一撃を耐えてみせ。
『カチン』
「───────っあ」
そして着弾と同時に鳴った
『仕掛け
其の能力は至ってシンプル、鏃が着弾と同時に『爆発』するのだ。
「やられた──────!」
サイガ-100の声と同時、仕込み鏃が起動。修正前剣聖勇者を、八度目の食い縛りという奇跡と可能性を、爆発によって纏めて粉砕し。彼女のアバターを構成するポリゴンが崩壊して、バトルフィールドから消滅。
そして天地逆転状態だったペッパーが体勢を元の状態に戻す中、彼の前には幾つかの『リザルト画面』が表示された。
『聖なる盾に認められし勇者は、聖なる剣に認められし勇者と刃を交えた』
『気高き盾は我と共に』
『称号【聖なる盾の勇者】を獲得しました』
『ユニークシナリオ【勇ましの試練】が進行しました』
『強き者は覇道を成した武器で強敵を討ち取った』
『称号【強く気高き剣の者】を獲得しました』
『称号【勝利を射抜く者】を獲得しました』
『ユニーククエスト【覇道を刻みて、武は形を成す】をクリアしました』
『産まれた技術がフロンティア中に広まった』
『武器カテゴリー【
『シャングリラ・フロンティアの各街の武器屋にて、武器カテゴリー【
『ユニーククエスト【インパクト・オブ・ザ・ワールド】が進行しました』
『ユニーククエストの進行により、レディアント・ソルレイアの装備可能ステータスが変更されます』
『レベル40以上・筋力85・技量70→レベル120以上・筋力150・技量120・英雄値300』
『ユニークシナリオEX【打ち立てし誓い、交せし約束を果たす時】を開始します』
完 全 決 着