VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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戦いを終えて


※少し短いです





インパクト・オブ・ザ・ワールド ~勇者は魔王と予定を交わす~

シャングリラ・フロンティア第15の街・フィフティシアにて起きた、クラン:旅狼(ヴォルフガング)とクラン:黒狼(ヴォルフシュバルツ)による大決戦から二日。

 

其の大将戦で修正前剣聖・サイガ-100との一戦で大立ち回りを繰り広げ、此の世界(ゲーム)の知名度を一気に跳ね上げたゲーム内レコードの一つ、最大高度(スカイホルダー)の所持者たるペッパーこと五条(ごじょう) (あずさ)は現在、ゲームの一切を御休みしていた。

 

「よし出来た、春巻き定食………!」

 

冷凍春巻きを熱した油で揚げて、春雨とミックスベジタブルのサラダに、卵とレタスの中華スープ、炊飯器で炊いた白米で完成した夕食をスマフォで撮影。「いただきます」と合掌し、カリカリの食感とジュワッと滲み出る具材の旨味に舌鼓を打ちながら、十五分掛けて作り上げた食事を完食し終えた。

 

「ふぅ…………」と一息付くや、食休みに何をするでも無く天井を見上げて。そしてスマフォを操作してシャンフロ運営の問い合わせフォームへ、アクセサリー・封熱の撃鉄の意見を送った梓は一人息を吐いた。

 

思えばVRゲームに挑戦するという形でシャンフロを初めて、ユニークモンスターやレコード保持者になったり、天音(あまね) 永遠(とわ)とゲームやリアルで再会に、恋人同士の関係へ発展。他のゲームで様々な強者と刃を交えたりして、大学の講義やバイトで忙しくとも充実した毎日を送っている。

 

(まぁ、シャンフロに戻った後も色々有るんだよなぁ………。イベントというか、オハナシ会というか…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其の切っ掛けは双つの狼の戦の後、質問会が行われていた最中であり。考察クラン:ライブラリのクランリーダー、キョージュから放たれた一言から始まった。

 

「では、ペンシルゴン君。『始めても良いかね』?」

 

其の一言にペンシルゴンはニッコリ笑顔となり、事情を知らないペッパー達は一体何の事だと首を傾げ。キョージュの目配せを合図としてか、彼女()を筆頭にカローシスUQ・Animalia・SOHO-ZONE・サイガ-100、そして近くまで歩いて来ていた慈愛の聖女 イリステラの護衛をしていたジョゼットがペッパーの前に立ち。

 

いや何が起きてるの!?と、ペッパーがペンシルゴンと六人のクランリーダー達を交互に見つめる中、キョージュの口から知らされる事となった。

 

「我々は此の日此の瞬間。クラン:旅狼を筆頭とし、黒剣(シュバルツシルト)・ライブラリ・SF-Zoo・ウェポニア・午後十時軍・聖盾輝士団による、仮称:7クラン連盟を改め『七極天星(グランシャリオ)』の発足を宣言する。そして七極天星発足を踏まえた座談会を、7クランのリーダー及びサブリーダーを『7/10の午後十時から一時間半を目処』とし、エイドルトに在るクラン:ライブラリの拠点に招いて行いたいと思っている」

 

──────と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(永遠の奴………多分ラビッツの実践的訓練の合間合間を突きながら、見えない所でクランに色々根回ししてた可能性が大だな。というかコレ、旅狼が7クランの筆頭って事は俺が頭張るみたいなもんじゃん………。絶対に永遠がウッキウキで、参謀ポジから魔王ムーブするヤツじゃん………)

 

黒狼相手にド派手な花火を打ち上げたと思っていたら、実は此方までサプライズを花火を仕込んでましたと、完全にしてやられた梓は大きな溜息を付いていれば、突如スマフォから鳴り響く着電アラーム。

 

電話の主として表示されたのは『永遠』の二文字、狙っていたのかは定かでは無いが丁度良いタイミングでの入電だった。

 

「もしもし」

『お。やぁやぁ、私のあーくん。君なら多分此のタイミングなら、電話に出てくれるって思ってたよん♪』

 

相も変わらずケラケラと笑い声が聞こえて来そうな口調を聞きつつも、梓は永遠へ単刀直入に要件を伝えるべくこう言った。

 

「なぁ、永遠」

『ん〜?何かな、あーくん』

「此の間、休みの日が出来たら自分の部屋に遊びに来てって、永遠は言ってたけどさ。9と13と17に24・25はバイトが休みで、9・24・25は『講義もバイトも無い一日休み』なんだ。で、其の24・25の二日間で──────」

 

 

 

 

 

 

『永遠の両親と俺の両親に挨拶』に行きたいと考えてる。

 

 

 

 

 

 

梓の言葉に、電話越しの永遠から言葉が消える。彼自身も何時かはやらなければいけないと考えていたし、其れが早いか遅いかと言えば、早い方が良いとも思っていた。だからこそ、此のタイミングで言うべきだったと確信していた。

 

『あーくん…………本当?』

「あぁ。男に二言は無い」

『………解った。其の二日間がフリーに出来る様に、私御仕事頑張るから。あーくんも、其の二日間をちゃんと空けてね?』

「任せろ。俺にとっても永遠にとっても、大事な日になるからな」

『ッ〜〜〜〜!うんっ!』

 

何れ訪れる二日間はきっと、自分と永遠にとっての大きな分岐点(ターニングポイント)になるだろう。だからこそ………堂々と胸を張って「永遠は俺の彼女です」と、誰にでも言い切れる様に成りたい。そんな覚悟が、梓には宿っていたのだ。

 

そして其れが己の運命を決める物で有ったとしても、其の道を突き進む事こそが、己の成すべき事だと信じているのだから……………。

 

 

 

 






両親への御挨拶





500話記念、設定開示コーナー


五条家の面々




五条(ごじょう) 全逸(ぜんいつ):梓の父で嘗てはプロゲーマーとして名を馳せていたが、現在は一線を退いて様々な新作ゲームのプレテスター、時折匿名を条件にプロゲーミングチームの助っ人として活躍し、家では子供達の面倒や家事を助けている。ゲームに真剣に取り組む姿勢は、梓に少なからず影響を与えており、プロゲーマー時代の通り名として『Z-A』と名乗っていた。シャンフロには関わっていない。


五条(ごじょう) 比奈(ひな):旧姓は菊池(きくち) 比奈(ひな)。全逸とは幼馴染であり、小中高が全部同じだった。世間に隠れての恋愛をしていたが裕貴と晴香の妊娠が判明、全逸と出来ちゃった婚をし其の翌年に杏と梓を妊娠し出産、以降は蓮・鈴・晃・雪を数年置きに妊娠・出産した。現在はパートとして働いており、全逸と共に家事を助け合いながら生活。夜の営みが激しい。


五条(ごじょう) 裕貴(ゆうき):五条家長男で晴香とは双子の兄、大手企業で働く期待の新星ITエンジニア。最近父親から見合いの催促が来て頭を悩ませている。


五条(ごじょう) 晴香(はるか):五条家長女で裕貴とは双子の妹、容姿は母親の比奈に似て美麗であり、何度かモデルのスカウトが来たのだが、本人は全て袖に通して夢だった教師になる為に猛勉強中。


五条(ごじょう) (あんず):五条家次女で梓とは双子の姉で、新卒社員として会社で働く。最近配属部署が決まったので、頑張るぞいと気合を入れている。


五条(ごじょう) (あずさ):五条家次男にして本作の主人公であり、大学一年生。裕貴・晴香・杏の弟にして蓮・鈴・晃・雪の兄。レトロゲームが大好きな凄まじい思考深度を持つ青年。


五条(ごじょう) (れん):五条家の三男で、絵を描くのが好きな少年。画家を志している。


五条(ごじょう) (すず):五条家の三女で、天音 永遠のファン。五条家内の邪教徒其の一


五条(ごじょう) (ひかる):五条家の四男で、魚臣 慧の大ファン。何時か慧と対戦したいと、父親に弟子入りして日々格闘ゲームに打ち込んでいる。


五条(ごじょう) (ゆき):五条家の四女で、天音 永遠のファン。五条家内の邪教徒其の二




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