目下の問題解決へ
「よっし、着いた」
(ダルニャータさんには御世話になっているし、感謝の気持ちも込めて『やってみたい事』も有るからね。残り時間は十分ちょっと…………なら『一分』でケリを付ける!!)
此れ迄に培い、習得してきた
(バフ全開、速度良し、やるなら迅速かつ、確実に行くべし!)
ダッシュスキルを開放し、漆黒の流星となったペッパーは
ドロップキックの要領で爪先蹴りを『威力重視』で放ち、まるで突撃槍の如く柱状の採掘ポイントの根本へと突貫。激突と衝撃が水晶巣崖に木霊し、ボコン!といった音が鳴って。
柱状の採掘ポイントが
「殺られる前にッ!速攻回収ッッッ!」
空中跳躍でブレーキを掛け、バーに弾かれ盤上をカッ飛ぶピンボールめいた挙動で採掘柱を掴み、左手首に在る
そして彼は死の間際に考えた…………あれ、水晶群蠍や其の変異体の
「あ、ペッパーはん。戻ったのさね」
『ワン!』
「ただいま、アイトゥイル。ノワ。後五分だからセーブして………よし、行こう!!」
蠍達に感謝をしつつ、男の姿へ戻った上で休憩所を飛び出し。謁見の間の襖の前に立ち「失礼致します」と述べて開けば、ヴァイスアッシュの姿は無かったが、ポポンガの姿が在る。彼の周囲には光の円が出来ており、どうやら此れがファストトラベルを行える【
「ホホホ、ペッパーにアイトゥイル、そしてノワよ。準備は出来たかの?」
「勿論です」
「ワイも準備万端なのさ」
『ワン!』
「うむ、どうやら備えは出来たみたいじゃの」
近う寄れと手招きするポポンガに従って、一人と一羽と一匹は円の中へと入る。
「其れじゃ行くぞい──────【
老ゴブリンにして数多の叡智を修めた
赤々と燃える巨大な火山をバックする峡谷に、表面の石を切り出して整地した道路や階段から成る街並みが広がり、木材等で住居を補強した様な、ある意味『マテーラの洞窟住居』に近しい形状だった。
加えて街の至る所に石を切り出し、加工して造っただろう『巨大な猫の石像』が峡谷に刻まれる様にして置かれたり、街のシンボルとして鎮座し、そして其の奥にはヨーロピアンな大きな城が一つ在る。
そして現在ペッパー・アイトゥイル・ポポンガ・ノワは、キャッツェリアの巨大な正門と思われる物の前に転移したのだが──────
「まぁ…………うん、そうなるよね」
門番として警備していたケット・シーの兵士達が、小さな夜の帝王たる夜襲のリュカオーンと、其の帝王の強い気配を纏うペッパーに対し、ビビり散らして慌てふためき、カンカンカンカン!!と備え付けられた警鐘を鳴らした事により、国中が大混乱になる。
そしてポポンガが状況説明の為に浮遊魔法を使って、彼等彼女等含む王族達に事情を説明する光景を、ペッパーは非常に遠い目をしながら、尻尾を足首に巻き付けて身体を擦り付けるノワを見つつ、身を屈めて彼女に説く様に言ったのだ。
「ノワ、君は影に擬態して大人しくして欲しい。もし国王様や国民に手を出したら、先生は大激怒するだろうし、俺も物凄く怒る事になる………だから良い子に出来るかな?」
『ワゥル!』
ノワの手綱を確りと握らなくては、ラビッツから追い出されてしまうのは目に見えている所か、最悪の場合はヴァイスアッシュの手で『ケジメ』を付けられて、
「ペッパーよ、戻ったぞい」
「ペッパー殿!ペッパー殿!!『見張りの者達が夜の帝王と其の気配を纏う黒の者が、ポポンガ様と共に現れた!』と伝令を受けて飛んで来たが、やはり貴方だったか!そして黒き乙女の妹君もまた、御変わり無い様で何よりだ!」
と、そんな状況でポポンガと共にやって来たのは長靴騎士団副団長にして、
「アラミースさん、御久し振りです」
「久し振りなのさ、アラミースはん」
「すまんな、アラミースよ。突如の訪問をしての」
「………ポポンガ殿は国王陛下に
アラミースが指をパチンと高らかに鳴らせば、門は開かれて。彼の案内の元、ペッパー・影にノワが擬態・アイトゥイル・ポポンガは門を潜り抜け、キャッツェリアへと足を踏み入れる。
案内の途中で周りを見れば、やはりノワの気配やリュカオーンの愛呪の放つ威圧に当てられて、皆住居の中へと引っ込んでしまった。
「まぁ、うん……そうなるよね」
「皆、良い者達なので大目に見て頂ければ幸いです。城まで御案内致します」
アラミースが案内し、一向はキャッツェリアの国王が住まう王城へ向かって進むのだった………。
やって来ました、猫の王国