VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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実戦的訓練(最終戦)




塞ぐ強敵、何するものぞ!

ラビッツのユニークシナリオ、延いては『ユニークモンスター・不滅のヴァイスアッシュ』へと繋がり、世界の真実へと近付く事になっていくユニークシナリオEX──────【致命兎叙事詩(エピック.オブ.ヴォーパルバニー)】。

 

其の前提となる『ユニークシナリオ・兎の国の招待』でプレイヤーが挑む十体の格上モンスター達は、大きく分けて──────

 

『ハイスペックモンスター』

 

『ギミック解除で大幅に弱体化するギミックモンスター』

 

『ギミック解除しなくてはマトモなダメージが通らない上、解除後もハイスペックを維持するモンスター』

 

此の三種類の中から選出され、致命武器オンリーという『大前提』以外ではアイテム使用可能のルール下に『十戦を行う』。

 

途中休憩やアイテム補充等の抜け道もある為、そう苦戦はしないだろう等と『甘い思考』をしていられない。何故なら此のクエスト、本来は『低いレベル』の内に攻略した方が高レベルのモンスターとの戦いを避けれるので、其処まで苦戦せずに済む。

 

そして当然ながら『受注者が高レベル・ハイステータスであったり、何回もレベルダウンビルドを繰り返した場合』に出されるモンスター達は、一筋縄で攻略出来る程、軟な相手は一体たりとて居ないのだ。

 

其れが『十体目』、実戦的訓練の『総仕上げモンスター』ともなれば。其の難易度は文字通り(・・・・)『桁違い』の一言に尽きるのだから………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

実に『十回目』のデスポーンを経験したペンシルゴンが怒りの籠った叫びと共に、ヴォーパルコロッセオの控え場所に備え付けられたベッドから起き上がる。

 

「HEY、ペンシルゴンさーん?『よぉーし!おねーさん、十回以内にあの蠍ヤローをブッ飛ばして来ちゃうぜ〜?』とか、息巻いてたペンシルゴンさーん!今度はビームに貫かれて一分落ちの気分はどうですかねぇェェエエ???」

「うっさいよ、鳥頭!そっちも同じ目に遭いなさいよ!」

「はいはい、サンラク煽らない!全員が十回落ちたので、今から『作戦会議』を開きます!!レーザーカジキ・ペンシルゴン・秋津茜(アキツアカネ)・サイガ-0は着席して下さい!!」

 

ギョロッギョロと鳥面から出ている目を動かし、端的に見て『ウザい』と解る煽りをするサンラクを叱りつつ、ペッパーが数回手を叩いて注目を集めるや、四人を座らせ執り行う。

 

「では、一人一人戦いの中で感じたモンスターの特徴を言ってくれ。先ずはレーザーカジキ」

「はい!僕が戦っている要塞蜘蛛は『小さな蜘蛛を砲弾代わりに飛ばして、其の子蜘蛛達が連鎖自爆した』ので、次は『砲撃前に穴に押し返せないか』を試してみます!」

 

レーザーカジキの最終戦の相手は『フォルトレス・ガルガンチュラ』。シグモニア前線渓谷(フロントライン)なる場所で、秋津茜が九体目に戦った列車砲搭載巨大百足の『トレイノル・センチピード・グスタフ』と生存競争をする間柄………というよりは、ヴァイスアッシュの説明的に『不倶戴天』の関係に有るのではと思う。

 

そんな巨大要塞雌タランチュラな奴は、腹部に備え付けた穴から『砲弾』の代わりに小さな蜘蛛を、其れも人間大(・・・)サイズの雄蜘蛛『アーミレット・ガルガンチュラ』を飛ばして来る。おまけに其のアーミレットは対象を捕捉したら近付き、盛大に自爆するという厄介極まりない攻撃を仕掛ける。

 

だがレーザーカジキもタダではやられず、十回のデスポーンの中で、最近習得した【瞬間転移(アポート)】で回避したりし、アーミレットの自爆までには『ラグ』が有る事を見付け、更にフォルトレスが一回に繰り出すアーミレットは『一定量』である事を解き明かした。後はあのフォルトレス、奴が支配下に置いている『アーミレットに()が有るか否か』が判れば、戦局は大きく変わる事は間違い無い。

 

「成程な、じゃあ次はレイ氏」

「はい。あの………ライオン、は……走った場所に雷が通電、したので………。蒼雷が『何処から』………発生しているか、を突き止め………ます」

 

シャンフロで最大火力(アタックホルダー)の称号を持つ、サイガ-0の最終戦の相手は『レオ・ネメアレクス』。蒼雷の鬣を靡かせ、走った場所に時間差で高出力の雷が『通電』する上に、元々の馬力も高い。

 

天高く吠えれば、自身を中心に雷の波動が『音ゲーの様に地を這って広がる』上に、近接戦闘も脳筋でゴリ押しを仕掛け。あまつさえ蒼雷獅子の攻撃を受けたら『感電』するともなれば、攻略は一筋縄ではいかないだろう。

 

後、リュカオーンに挑む事を恐れないというだけ有ってか、サイガ-0が倒された直後に自分とサンラクに飛び掛からんとして、ヴァイスアッシュに何度も取り押さえられていた。

 

「OK。ペンシルゴン、あの蠍はどう感じた?」

「あのビーム蠍、鋏と針からビームを放つ時に『甲殻』?というよりは『水晶』だよね?アレが『変色』した後にビームを放ってきたのと、ビームを何か『受信』してるのかな………そんな気がする。後、金晶独蠍もだったけど蠍達って『脚』潰すと動かなくなって、『固定砲台化』するっぽいよね」

 

ペンシルゴンの最終戦の相手は帝晶双蠍(アレクサンド·スコーピオン)。シグモニア前線渓谷(フロントライン)にて居場所を確立した水晶群蠍(クリスタル·スコーピオン)の亜種らしい其れは、水晶群蠍………では無く戦闘特化の変異体の金晶独蠍(ゴールディ·スコーピオン)に近しい戦闘能力と、有ろう事か『シンボルの針や武器の鋏からビーム』までブッ放してくる個体だった。

 

赤と翠へ変色した後にビームを放ち、其のビームも金晶独蠍の毒液と同じく三種類に撃ち分けが可能、更には其のビームも『体外に放出したビームを受信する時間』と『敵との距離』に応じて、近距離は単発・中距離は戦闘中に自身の身体から欠け零れた水晶を利用しての複数回反射・遠距離は極太と、此れまた厄介な技を備えている。

 

しかしながら其処はペンシルゴン。金晶独蠍を越えただけの事は有り、蠍達が脚が欠けると機動力が目に見えて失われ、死角を叩けるという事実に気付いている様である。此れにはサンラクもニヒルな笑みを浮かべながら、ペンシルゴンに言う。

 

「ほほぅ、ペンシルゴンよ。貴様も(ダチ)の事を、少しずつ理解してきたみたいだな………。んじゃ、最後は秋津茜」

「はい!滅茶苦茶パワーも有るので、最初は兎に角回避に専念しながら、あのティ……ティラ………『ティラミスサンド』の動きを観察します!!」

「ティラノサウルス、ですね…………」

 

秋津茜の最終戦の相手は『ジュラ・ヴァルカンレクス』。白亜の表皮に赤い業火を背に纏った巨大なるティラノサウルスであり、古代種なる出自を背負った其のモンスターは、四人の挑戦者の中でも頭一つ抜きん出てレベルが高く、そして何よりも最終戦の四体の中でも一番の『ハイスペックモンスター』。

 

口からは秋津茜の切札【竜威吹(リュウイブキ)】と真正面から鍔競り、タメを張り合う程の大火力の火炎放射を矢継早に吐き出し、殺られぬ様にと使った【空蝉(ウツセミ)】ごと片足でヴォーパルコロッセオを踏み鳴らし、本物をゴリ押しで看破して。

 

あまつさえ本体の格闘能力には重装甲のプレイヤーさえ粉砕どころか、木端微塵にされると確信する圧倒的なパワーで秋津茜をホームランした瞬間を見て、此の場に居たプレイヤーとヴァイスアッシュ以外のヴォーパルバニー達全員が、揃いも揃って『えぇ………』と呟いた程である。

 

だが同時に、アレだけの出力を生物や機械に精霊を問わず、永久に維持し続ける事は先ず『不可能』に近い。少なくとも其の出力が落ちるタイミングが必ず有ると、ペッパー達は確信している。

 

「さてと、だ…………俺は今から『要件』を済ませて来る」

「……………あぁそうか。そういや『今日』か、ペッパー」

「まぁね。じゃ、行ってくるよ」

 

ペンシルゴンが心配そうに此方を見てきたので、ペッパーは彼女の頭を優しく撫でつつ、更にはノワとアイトゥイルにも同じ事を行い、彼女にエイドルトへと続くゲートを開いて貰い、一羽と一匹を待機させて其の足で『去栄(きょえい)残骸遺道(ざんがいいどう)』へ赴いた………。

 

 

 

 






諦めない、折れない、へこたれない


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