VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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話し合いを始めよう




七天極星(グランシャリオ)会談、堂々開幕す

7/10・午後十時──────エイドルトを拠点としてシャングリラ・フロンティアという世界に隠された、真実を解き明かす事を目的としている『考察クラン:ライブラリ』。

 

現実世界で言う所の『図書館』をイメージした建物の中に在る一室……………謂わば『会議室』程の広さの室内に、円卓状にセッティングされたテーブルと椅子が並んでおり。

 

其処には『7クラン連盟』もとい『七天極星(グランシャリオ)』と改名し、連盟となったクランのリーダーとサブリーダーが集い、座談会という名目の『ペッパー尋問会』が執り行われようとしていた。

 

また他のプレイヤーによる情報漏洩防止と、ライブラリへの侵入禁止の為に聖盾輝士団のプレイヤーによる警備、及び『慈愛の聖女 イリステラ本人』も此の会談に参加したいとの要請が有り、彼女を挟む形で二人の聖盾輝士団所属のプレイヤーが護衛として付き、クランリーダー・ジョゼットとサブリーダーらしきプレイヤーが、目を光らせて居る状態で始まり。

 

一番に発言したのは、開催を申し出たキョージュからであった。

 

「さて…………長い前向きは省きつつ、座談会を始める前に軽い自己紹介から行こうか。…………とは言っても皆御存知だろうが、私がライブラリのリーダー・キョージュだ。今回、貴重な時間を頂けた事に感謝する」

「初めましての方は初めまして、私は『セート』と申します。ライブラリのサブリーダーをしてますので、何か有りましたら気兼ね無く御相談を」

 

ライブラリの自己紹介を皮切りに、他のクランも次々と自己紹介を行い始めた。

 

「じゃあ、次は僕ですね……クラン:午後十時軍の『カローシスUQ』です。本当ならサブリーダーが来れる筈だったんだけど、急用が入っちゃってね…………。代わりに『ヤシロバードさん』に来て貰いました」

「どうも、サブリーダーの『寂斬(ジャクザン)』の代理で来ました『ヤシロバード』です。有意義な会談にしましょう」

 

午後十時以降を主戦場に活動し、歯車の如く噛み合った統率力を発揮する『午後十時軍』。

 

「クラン:黒剣(シュバルツシルト)のリーダー『サイガ-100』だ。真新しいクランだが、よろしく頼む」

「サブリーダーの『草餅(くさもち)』…………。本当はムラクモさんにやって欲しかったんだけど………多数決に負けて、サブリーダーになりました」

 

黒狼から分離し、サイガ-100を中心として嘗ての目標たるリュカオーン討伐を最優先事項と定めた『黒剣』。

 

「クラン:ウェポニアのリーダー『SOHO-ZONE』、よろしく御願いします」

「初めまして、ウェポニアのサブリーダー『アヴァランチ』と言います。武器や防具の情報は、一片残さず記録する所存ですので!」

 

シャンフロにおける武器と防具を徹底的に追求、解明し尽くす狂気的なモチベーションを持つ『ウェポニア』。

 

「クラン:SF-Zooのリーダー『Animalia』、そしてサブリーダーの『ヴェット』よ」

「どうもどうも」

 

シャンフロの生態系及び動物達を調査し、観察と撮影に情熱を燃やし滾らせる『SF-Zoo』。

 

「クラン:聖盾輝士団団長『ジョゼット』だ。よろしく頼む」

「聖盾輝士団副団長『クラリス』と申す!初めての方は以後御見知り置きを!」

 

ロールプレイガチ勢として知れ渡る、同一規格の装備を全員が身に着ける『聖盾輝士団』。

 

今此の場に在る六つのクランは、シャンフロの中でも『ガチ勢』と呼べる集まりであり、其れを束ねるリーダーとサブリーダーともなれば、其の実力もまた凄まじい限りである。

 

そんな彼等彼女等の自己紹介が終わり、残りは此のクラン達を率いる連盟の頭を張る、クラン:旅狼(ヴォルフガング)だけとなり。

 

「では改めて。私はクラン:旅狼のサブリーダー『アーサー・ペンシルゴン』。もし私の(・・)あーくんや他のメンバーに聞きたい事がある場合は、私に一報をよろしくね?」

「初めましての方は初めまして。そうでない方は御久し振りです。クラン:旅狼のリーダーを務めております、ペッパーと申します」

 

ライノベレーの帽子を頭から取って手に持ちつつ胸に当て、深々と御辞儀をし。此処に7クランによる会談が幕を開けたのである………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ペッパー君。今回の七天極星の座談会は、発足を踏まえた『情報共有』の部分が大きい。無論此方も答えられる事に関しては、答えるつもりでいる」

(まぁ普通に(・・・)喋った場合、損をするのは俺達旅狼なんだよなぁ………)

(ライブラリのおじーちゃん的に、此方が隠してる手札を引っ張り出させたいんだろうけど………そう簡単にはさせないよ?)

 

会談開幕で自己紹介を行い、更には一番初めに会談で成す事について説明を行ったキョージュだが、アイトゥイルとノワを隠すペッパーと、ゼッタを隠すペンシルゴンは彼女()の動きに注意しつつも、他のメンバー達を見て。

 

そしてペンシルゴンは、キョージュに問い掛けた。

 

「ところでおじーちゃんさ、ライブラリのメンバーには『攻略班』が居るじゃない?六月末日に先んじて新大陸に行ったそうだけど、何か発見とか有ったのかな?」

「新大陸か………実はライブラリと午後十時軍の『先行組』は、既に新大陸に上陸・調査をしているのだが、其処には『動物と恐竜のキメラ』と化したモンスターが多く生息しているらしく、レベル99 Extendに到達したプレイヤーですらも苦戦を強いられていてね」

「一応『レベルキャップ解放を可能にする場所』に目星は付きつつ有るらしいんだが………。如何せんモンスターの()が此方の大陸の比じゃ無いんだってさ」

 

キョージュの言葉に続いたのはカローシスUQ、どうやら新大陸の攻略難易度は地図も無いので、かなりの苦戦している様だ。

 

「『N.M.M』の面々もかなり頑張ってマッピングを行っているのだが、其れを加味しても順調…………とはいかない様でね。情報によると広域調査に乗り出したライブラリや午後十時軍、他のプレイヤー達は道中で『三ツ首のティラノサウルスらしきモンスター』により、全滅に等しい大打撃を受けた………という報告が挙がっている」

「新大陸は魔境ですか…………。そうなると其処から採れるモンスターの素材も気になりますね、恐竜タイプだったりキメラであるならば、良い武器防具が作れそうな予感がします」

 

相変わらずのSOHO-ZONEの言葉を聞きつつ、ペッパーはキョージュ達が何を言おうとしているのかを予想し。そして答え合わせをするかの様に発言する。

 

「……………もしかしてですけど、自分が『新大陸に到着したら空中写真を撮影して欲しい』、みたいな流れだったりしますかね?」

「ほぅ、察しが良いじゃないか。最大高度(スカイホルダー)の保持者としての実力、今一度見せて貰いたい所だよ」

 

ニッコリと笑ったキョージュに、ペッパーは遠い目をしながらも「此方も新大陸については気になっていたので、其の依頼承りましょう」と答えた。

 

「コホン。其れから我々ライブラリより、黒剣・SF-Zoo・ウェポニア・午後十時軍・聖盾輝士団にちょっとした『御誘い』をしようと思っていてね。あぁ此の件に関しては、旅狼側からの要請で『取り扱いに厳重注意をして欲しい』事と、もし万が一に()()しようとするなら──────漏れ無く『戦争』が起きるという事を意味している」

 

一つ目の話が終わり、次なる議題へと移り。キョージュはペッパーとペンシルゴンをチラリと見て。セートを除き、他の面々は一体何だと首を傾げる中、似非魔法少女(インテリジェンスネカマ)は真剣な眼差しと共にこう言ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「旧大陸に残ったライブラリの調査班からの報告で、我々は『深淵のクターニッドに挑戦出来るユニークシナリオ』を発見した。どうだろう?クターニッドの住まう海底都市に突撃を掛ける為に『連合軍を構築し』、攻略に赴きたいのだが………参加したいかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キョージュから放たれた言葉に、旅狼のペッパーとペンシルゴン、ライブラリのセート以外の全員が目を丸くし、一斉に彼女()の方を見た。

 

其れ即ち、ユニークモンスター・深淵のクターニッドはシャングリラ・フロンティアの中でも現状唯一の『再挑戦可能なユニークモンスター』でも在る事が、遠回しに説明されたのであった…………。

 

 

 

 






其れはクターニッドのユニークシナリオの御誘い


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