今日も今日とて、彼は征く
本来なら明日はバイトが休みで、大学の講義に集中出来ると思っていた所に、担当の教授が夏風邪を拗らせたとの連絡が、大学の掲示板に貼られていたのを確認。
コレにより急遽一日休みの完全フリー状態を手にしたペッパーは現在、パートナーのヴォーパルバニー・アイトゥイルが開いたラビッツとテンバートを結ぶゲートを越えて、ユニークモンスター・天覇のジークヴルムの休息地たる『
「予想はしていたが、やっぱり
思い出すのはテンバート内に在る武器屋での一幕。女鍛冶師のNPCが自分の来店に反応してか出て来るや、『他の街の鍛冶師が強化して繋いで来た小鎚達を、アタシに見せてくなんしょ!』なる
ペッパーがギルフィードブレイカー・ヴァンラッシュブレイカー・ライダメイズブレイカーの三種の小鎚達と、ロックオンブレイカーの製造秘伝書・改参式を取り出した事で、ユニーク小鎚に関するイベントが発生した。
其の女鍛冶師のNPC曰く──────
「此の小鎚達は更なる進化の為、新しい鉱石を求めてる………。ギルフィードブレイカーは
ヴァンラッシュブレイカーは
そしてライダメイズブレイカーは
──────との事らしい。
「最近は色々有り過ぎたからなぁ………。こうやってソロでの採掘は何時以来だろう」
此のエリアでしか出て来ないで有ろう、様々な鉱石アイテムに件の風土鉱岩等を叩き出し、レア度の低い鉱物はギルフィードブレイカーの耐久回復に用いて、レア度の高い鉱物はインベントリアへ加えていく。
鉱脈に擬態して
其の上、
「とは言え、此方の身体に付いている気配にも動じずに来る敵モンスターも居るよ──────ねっ!」
採掘の手を止め、感覚強化スキルで敏感になった首筋に走る幕末システムに搭載された、静電気の流れる感覚と共に小鎚を振るって攻撃を弾く。鋼鐵がぶつかり火花が散りて、夜闇と月光が照らす台地に降り立つは、鷲の翼と上半身に獅子の下半身を持った『グリフォン』で。
鷲の上半身に纏う羽毛達は『帷子』の如く並び、獣体の重要器官を守るが如く。ペッパーの身に刻み付けられている、リュカオーンの愛呪の気配にも怯む様子を見せない其のモンスターは、
『キュルルル………!』
「轟襲鷲獅子か、成程良い名前だな………!」
前足の爪で地面を削り取る猫科の威嚇モーションに、鳥類特有の喉の鳴らし方でペッパーと対峙して来た其のグリフォン。いきなり飛び掛かる───────等と愚直な真似はせずに、ペッパーの周りを歩きつつ様子を伺って来たので、ペッパーもまた敵の動きに追従しつつも反対側に動き続けて。
そして夜風が吹き、舞い上がった砂塵が僅かに月光を遮った其の刹那、ペッパーと轟襲鷲獅子はウェディングケーキ状の台地にて…………激闘した。
「ハアッ……!ハアッ………!」
楽しい時間というのはあっという間に過ぎる、というのはゲーマーの真理の一つであり、其れは人間が集中状態に没入するという、所謂『FLOW』に入った其れに近い感覚でも有る。
一時間に近い激闘の果てに息は絶え絶えの膝が震え、今にも座り込みそうになるペッパーの視線の先には、地面に倒れ伏してポリゴンを崩壊させていく轟襲鷲獅子の姿が在った。
「轟襲鷲獅子よ。天を音速で駆け、地を高速で走り、有翼の幻獣に相応しき其の身体能力と強さ………。同じ視点に立ち戦ったからこそ解る、お前は本当に強敵だったぞ………!」
ペッパーの言葉をトリガーとして、轟襲鷲獅子を構築していたポリゴンが崩壊。神秘:運命の輪により幸運値が倍増した状態で討伐した事により、ドロップアイテムは通常よりも多く落ちていた。
「轟襲鷲獅子の風切羽根に烈風爪、隼動前脚と剛毛獣皮………やっぱり羽根が多い。コイツで『矢』を作れないかな?」
インベントリアにドロップアイテムを突っ込みつつ、耐久が削れたギルフィードブレイカーは採掘で出た鉱物アイテムを砕いて回復し、ペッパーは風土鉱岩を大量確保した事を確認。
其の脚でテンバートへと戻り、武器屋の女鍛冶師NPCにヴァンラッシュブレイカーと強化素材の風土鉱岩を渡し、彼女は「三日で完成させるから取りに来て!」と述べて。
ペッパーは彼女に「よろしく御願い致します」と依頼し、キュルアの所で買った『
彼の次なる目標は、『颶風の申し子・ティラネードギラファ』と『雷嵐の申し子・カイゼリオンコーカサス』の、双皇甲虫達の討伐。そして其れを成す事によって、ずっと夢見ていた『
進化の為に
※轟襲鷲獅子との戦闘はユザパしました。御互い譲らない地上からの空中ドッグファイトになり、最終的には