ひたすらに前へ
移動と休憩と移動と休憩…………もう既に五回は行い、此れで六度目の休憩になった。果てまで続く砂の海には当然ながら『オアシス』が在る、其れも絵本に描いた様なアラビアンテイストでコッテコテのオアシスが、其処には在った。
「探してみるもんだな、オアシス」
「涼しいのさね〜」
『グルル〜♪』
堂々と立つ大きな椰子の木、青々と茂り天を向く草花、沸き出す透き通った綺麗な水。現実世界にも砂漠地帯にはオアシスが在るとは言うが、過酷な新大陸の未踏たる砂漠地帯に休息地が存在しているという情報は、一部のプレイヤーやライブラリの様なクランにとって、値億金に匹敵する価値が有る。
アクティブソナーを使って此のオアシス付近の地形情報を収集し、次に沸き出す水が飲めるか否かのチェックを踏まえて、空っぽになった水筒に汲んで見れば『飲料水(良質)』との表示が。其れだけでは未だ確証は出来ないので、試飲してみれば普通に美味しい水だった。
「此の手の類って、中毒性の水で獲物を此の地に釘付けからの、最終的に草花に取り込ませて体液を搾り取って、オアシスの水にするパターンがあるあるなんだが…………」
「自然怖いのさね………」
『ガルル』
取り敢えず水質に問題は無かったので、水分補給と簡易食料で腹拵えをした後、ペッパーはセーブテントを設営してアイトゥイルとノワを入れ、万が一に備えてセーブし。
自身はグラビティゼロとセルタレイト・ケルネイアーをダブル点火で跳躍から、続けて
一回、また一回と。空中を踏み締めて蒼空へと跳ね上がった
「此処まで来たら、後は単身………!更に高く跳躍して、レッツバンジージャンプ!」
蹴り跳ねて、更に高く飛び上がり。下を見渡せば、何時の間にか地上は遥かに遠く、新大陸の
そしてペッパーはライノベレーの帽子と
無論落下時の衝撃は増大する上、打ち所によっては大型アップデートにより一定以上の幸運値を持った状態で、自傷ダメージを被っても死ぬ事が有るのだが、四の五の言っている場合でも選り好みしている暇も無いので、さっさとデスポーンして元の性別に戻すに限る。
結論から言えば頭から大砂海に突撃したペッパーは頭から砂に突っ込んだ際に、自身を襲った反動ダメージで体力が1になった後、熱を含んだ砂によって皮膚を火傷して死んだのだった……………。
「やっと戻れた………」
「ペッパーはん、元の性別に戻れたみたいなのさ」
『クルル♪』
セーブテントで目覚めれば、アイトゥイルとノワが顔を覗き込み、ペッパーは静かに起き上がる。
「樹海の方角は確認した、其れじゃあ行こうか」
「はいさ!」
『ワンッ!』
セーブテントを畳んでインベントリに、アイトゥイルとノワをコートの中に入れ、ペッパーはライノベレーの帽子を頭に装備し直して。両脚に着けている
唯真っ直ぐに、己が目指す場所を。樹海に在るレベルキャップ解放施設を目指して、只々真っ直ぐに走り出して行き。
其の刹那──────。
「ッッッッッッッッッッ!?!?!!!?!!?」
其れは自分のスマフォに突発的な着電が届く様に、或いは明かされていない状態でビリビリシャープペンを掴まされた様な反応で。脚が崩れて派手にスッ転びそうになりながら、
「アイトゥイル、ノワ!確り掴まっていて──────!」
ペッパーの声が聞こえた直後、彼はまるで『雷光』の如く大砂海を駆け走り、高速の世界に示された道筋と俯瞰の視点から見た景色で見たのは。
『砂海をブチ抜きながらに畝る十メートル以上は確実に有ろう巨大
『させるかバッカヤロォォオオオオオオオオオオオオオ!!!【
空中を踏み締めて、足裏に吸着したマナを弾き飛ばしての加速。
「吹き飛べッッッッッッ!!!」
ある意味ではフィニッシュブロー、ある意味ではオーバーキル。ブーストするのは、
ヴォゴオン!か、ブガァボン!な
「ふぅ…………此れで大丈夫か」
メロディは鳴り続けている事から、どうやら救助は間に合ったらしい。此の黒の名前隠しの三部位一体の装備から音が聞こえる事、其れ即ち自分が助けた者は『ユニークモンスター・冥響のオルケストラ』に密接に関わっているだろう、鍵を握る存在『
「
一昔前のアイドル衣装に、小麦褐色の肌と銀白色の髪と真紅色の瞳から成る、明らかにコレを作った製作者の
出逢ったのは、メカ少女
※カルネ型のイメージは、Lobotomy Corporationのセフィラの一体『ゲブラー』の生前の姿たる『カーリー』の肌色が小麦肌に変更、髪を赤から銀髪、オッドアイだった目の色は赤になった物と思ってください。