探し出せ、レベルキャップ解放の場所を
ペンヘドラント大樹海地帯。
シャンフロの旧大陸、第15の街であり第二の旅立ちの地とされるフィフティシアから、七日間の船旅を終えた開拓者達が辿り着く新大陸の始まりの地であり、此のジャングルには数多にして未知のモンスター達が居る。
大まかに分類を区切るなら、恐竜型のモンスター・恐竜と動物のキメラ・其の何方にも属さないモンスターの、何れか三種類に当て嵌まる。
「全く、タフなもんだな。新大陸のモンスターは………だが良い実戦経験になった」
「
「当然!未開の大地に知らないモンスター、
リュカオーンの愛呪による圧に怯まず襲い掛かった『トライケラス・ディノブレッド』なる、トリケラトプスと馬のキメラモンスターをペッパーはアイトゥイル・ノワの協力の下に討伐し、ドロップした素材達をインベントリアに収納する。
因みにヒトミは戦闘区域内の『ある物』を探し、其れを発見した。
「報告:300メートル先、樹海地帯に点在する『空洞』の一つを発見。付近及び空洞内に敵影反応無し、一時的休憩地点として使用可能だろう」
「ありがとう、ヒトミさん。取り敢えず、油断しない事は確定だな。行きましょう、其処に付いたら少し休憩で」
「はいさ」
『グルル』
樹海地帯突入から一時間半、トライケラス・ディノブレッドやドラクルス・ディノウル、ドラクルス・ディノコアトル等の新大陸の恐竜キメラと戦いながら進むペッパー達は、ヒトミから様々な事を聞いていた。
先ず此の一帯に居る恐竜モンスターと恐竜キメラは、其の全てが共通して『ディノ』か『ドラクルス』、或いは『其の両方』を名前に持っている事。特に両名を含む恐竜モンスターや恐竜キメラは、同族ですらも平気で襲撃して狩りをする特性を持っている事。
次に各所に生える巨樹の根本には、小型の恐竜達でなくては入れない空洞が在り、中身もバスケットボールコート程の広さが存在する為、緊急の避難所としても使用可能である事。実際数十分前に空洞内でセーブテントを張ったが、野営地としての判定が下ったのでセーブ&ログアウトし、レトルトハヤシライスで昼飯を取って、ペッパーは
更に樹海地帯………ペンヘドラント大樹海地帯には、どうやら『とんでもなく強い三つ首のティラノサウルスが居る』らしく、全身が
「傷だらけの三つ首ティラノかぁ………。何か其のティラノサウルス、まるで『エリアボス』的な感じがする。いや、寧ろ『樹海の王者』的な奴か?」
ヒトミがキャッチした巨樹の根本に在る空間に迅速に移動後、水や食料をパーティーメンバー其々に配布し、束の間の休息に入った所でヒトミがペッパーの問いに答えを出す。
「
「そうなのか…………」
シスター…………つまり征服人形にもカルネ型を除いて複数、或いは数十の型が存在しており、環境調査や生態調査中にモンスターに襲われて、生命を落としている事例が有るらしい。そう考えると此のジャングルや砂漠地帯、果てにはキャッツェリア近くの火山や深海にも、征服人形は点在しているのだろうと思う。
「が、其れ以上に現時点で征服人形に最も被害を与えているのは『ドラクルス・ディノコアトル』。あの翼竜は『一定以上の高度を飛行する存在を、目の敵にする程に強い執着を以て』襲い掛かる。当機が五体満足で生き残れたのは、演算を何度繰り返しても僅か『1%にも満たない』程の確率だった」
「ドラクルス・ディノコアトル…………あ、其のモンスターって『頭が二つのプテラノドン』だよな?其のモンスターなら前に見た事が有るよ」
「
ペンシルゴンがラビッツのユニークシナリオにて戦ったツインヘッドプテラノドンは、どうやら征服人形にとって大きな被害を齎している存在であり、ヒトミの手が僅かながら
其れは其れとして、ドラクルス・ディノコアトルが空中戦を得意としているならば、
「
「えっと、何ですか?ヒトミさん」
「答えはとても
「………………成程?」
何やら『フラグ』を踏んだらしい。おそらくは『征服人形をパーティーに加えて』、『特定の条件を達成する事』で征服人形側から開拓者に対し、契約を持ち掛けて来るのだろうか?
「新大陸でレベルキャップ解放施設を探してたら、ユニークモンスター・冥響のオルケストラに関係有りな征服人形と接触、パーティー組んで一緒に冒険や戦闘してたら、彼女からいきなり契約を持ち掛けられました」──────等と口走ったならば、先ず間違い無くペンシルゴンや他のメンバーからの『オハナシ案件』になるだろう。
だが逆に考えれば、征服人形に関する情報は現状『自分以外に持っていない』ので、やりようによっては交渉の手札を増やす事にも繋がる。彼女の存在を爆弾と取るか鬼札の一つと取るかで、見方や考え方も大きく変わると言っても過言では無い。
ペッパーは少しの間、自身の思考を巡らせた後に「解りました、よろしく御願いします。ヒトミさん」と、彼女の眼を見ながら言った。
「
「解りました」
彼女が見ている視線に合わせ、ペッパーが身体の位置を調節すれば、何やら『カシャリ』とカメラで写真を撮るかの様な、シャッター音が鳴った。
「網膜情報登録完了。続いて当機の両掌に、貴方の両掌を合わせて欲しい」
「はい」
ペッパーが両方の掌を翳すと、ヒトミの掌に青い光のラインが走り、重なれば検査が行わる。そしてノワのジットリと湿度を含んだ、重い視線がヒトミに注がれるのを見たペッパーはアイトゥイルとノワに、大丈夫という視線を送って落ち着かせる。
「指紋及び掌紋情報登録完了。最後に私の前に、貴方の腕を出して欲しい」
「了解です」
此処までの流れで網膜・指紋と掌紋と来れば、おそらくだが『血液登録』もしてくると彼は読み。アイトゥイルとノワを手招き右手で夜の帝王の分け身を抱え上げ、アイトゥイルは自力で頭の上に乗った所で、自身の左手を彼女の前へと差し出す。
「では失礼」
「ッ…………」
カプッと、まるで『甘噛み』に似た其れで体力が僅かに減少。血を模した赤いダメージエフェクトがヒトミに吸い込まれて行く中、其れを見ていたノワが『グルルルル!』とあからさまに嫌悪感をMAXに、喉を鳴らしながらにヒトミを睨み付けているが、彼女は其れに構う事は無く。
そして中世の王宮に仕える女聖騎士を彷彿とさせる姿勢で、ペッパーの前で膝を付いた彼女は述べる。
「血液情報登録完了………此れにより
「…………はい。此方こそ、どうぞよろしく御願い致します」
こうしてペッパーはアイトゥイルとノワが見守る中、新たに征服人形カルネ=
契約完了
※カルネ型の契約条件は『歴戦値:一定量以上』・『高潔度:高』・『パーティーリーダーorクランリーダーとして一定以上の成果を出す』・『一定回数の戦闘中に体力が一度も全損しない』になります。
Q.こんなん誰が契約出来んだよ!?
A.リュカオーンにムシャムシャされても折れる事無く自分を鍛えてる剣聖勇者だったり、其の剣聖勇者に勝った思考深度がオカシイ有名になっちゃった盾の勇者だったり、ガチレズ疑惑満載のシャンフロのアイドル・聖女様の一番盾たる女団長が該当する。