征服人形の事
此れにより契約者は、征服人形の四肢や胴体等の『損傷率をパーセンテージで可視化出来る』様になっているのだが、関節が球体である事を除くと『人間に近い見た目をしている人形』に色々やっている絵面は、最早『アウト』側の領域に在ると言っても差し支えない。
次に征服人形は
他にも征服人形には回復アイテムによる回復や、食料アイテムによるエネルギー補充が可能だったり、極め付けには『
其れ即ち『ユニークモンスター・冥響のオルケストラ』を相手取る場合に、征服人形が『何らかの理由で必要になる場合の解決策』、そしてスロットを一枠潰す代償に装備者に『無限インベントリ』を齎すアクセサリーが、他にも存在する事が判明したと言って良い。
「
ヒトミはそう言いながら、ペッパーがインベントリアを通じて渡した、墓守のウェザエモンの撃破報酬として共有状態に在る『規格外特殊強化装甲【
「援護とヘイト管理は任せて欲しい」──────其の言葉を信じ、彼女にサジタリウスを渡してみたが、モンスターの生態調査と共に自衛を行う為の『距離感と間合い管理』が完璧だった。アイドル衣装じゃなくてコート&サングラス姿ならば、完全に仕事人の其れに等しい状態と言って良いレベルだろう。
「まぁ、誰にだって得手不得手は有りますからね。其処は自分の『得意分野』で勝負しましょう、ヒトミさん」
「
コクリと頷く横顔と出で立ちは、まさに王子様系女子の其れであり。そうなると尚の事、アイドル衣装が悪目立ちを加速させそうな気がすると考えたペッパーは、彼女に提案をしてみる。
「其れとヒトミさん、今持っている『衣服』ってアイドル衣装以外に無いのでしょうか?他の開拓者に見付かった場合に、厄介な事になりそうだなって思いまして。もし無ければ、此方の所持している一式装備を御渡ししますが」
「……………成程:確かに目立つか。では
プロトコルとは何じゃそりゃの疑問を唱えるより早く、ヒトミはアイドル衣装と規格外装甲のミキシングをパージ、其の姿を『地味なコート・シャツ・ジーンズの三点セットにサングラスを着けた状態』という姿へ、一瞬で早着替えしてしまった。
しかも其の姿たるや、裏路地で煙草を吸っている少し強面の女傭兵としか思えない見た目で、何かしら得物を持たせたならば『黄色い歓声』が巻き起こる事は不可避である。
「どうだ、
「………………本当に凄まじいです」
征服人形、恐るべし。此れを作った創造者は、一体どんな人物だったのだろうか?そうペッパーは思わざるを得なかったのだ…………。
樹海地帯をかなりのハイペースで進み続け、時折巨樹の根本に在る隙間に入る事で休憩を挟んでを繰り返す事で、ペッパー達のパーティーはモンスターと戦いつつも、確実に此の地域の中心地に近付きつつある。
空洞での休息中に、ペッパーが確認したのは『シャンフロの最前線を語り合うスレ』であり。其処に載った情報によれば、どうやら新大陸の樹海地帯の中心地付近には『破棄された里らしき集落と祭壇の様な建造物が見えた』という情報が記載されたらしく、プレイヤー達は其処を目指しているらしい。
尤も三つ首のティラノサウルスやらに阻まれているせいで、未だに其の場所に辿り着いたという報告は現状挙がって居ないのだ。
「此処等辺で一回、休憩をしよう。ヒトミさん、近くに地下空洞は有りますか?」
「了解:前方200m先に空洞を確認。温度確認………………『異温』を検知した。此の反応は『開拓者』だな、空気中の振動からして何やら『鍛冶』をしている」
「鍛冶を?」
「
開拓者で鍛冶ともなると、先ず間違い無く面倒臭い方向になるだろう。しかし今更引き返したり出来ない上に、敵が何時襲撃を掛けるか解らない中、前へ進むor空洞に向かうかの二択を選ぶならば、自分はパーティーの状況を踏まえて判断する。
「ヒトミさんはインベントリア、ノワは俺の影に、アイトゥイルはコートの中へ。多少のリスクを被るが、休憩を踏まえて空洞に向かおう」
言うが早いか、ペッパーはヒトミをインベントリア・ノワを影擬態・アイトゥイルをコートの中に各々避難させ、一目散にヒトミが検知した其の場所に走り込む。
近づく程に金属を叩く音が鳴り、熱気が肌を撫でる中で、彼は
「あぁ?いきなり誰だ、此方ァ鍛冶の仕ゔぉ──────!?!??!?!!!?!?!?!」
薄暗い空間に灯る、カンテラと炉の灯に照らされる『如何にも職人という、髭をたっぷりと生やしたキャラメイクの壮年男性のプレイヤー』が、綺麗な二度見と言った反応を見せながら、此処で三度見を行って。
其の手に握り締めた『金色の槌』を落とした事で、シャンフロエンジンに従って右脚の親指にぶつかり、声に出せぬ程に悶える姿を見ながら、ペッパーが其のプレイヤーを確認した所、彼の頭上には『イムロン』というPNが表示されたのであった…………。
遭遇、シャンフロ最高峰のプレイヤー鍛冶師