VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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事を成して




輝くモノを見る時、人は足下か本体かで割れる

「いやぁ〜………凄いパワー………。三桁スキル含めて恐るべしだな。うん…………」

 

ドラクルス・ディノサーベラスを斬り裂き討ち果たし、素材を回収してレベルキャップ解放施設・覚醒の祭壇が在る彼の地を目指し、再びペンヘドラント大樹海地帯の空と木々のギリギリの境界線を空中全力疾走で駆け走りながら、ペッパーは自分が繰り出した一撃に想いを馳せていた。

 

武器の特性、持てる技能(スキル)の連続使用、パワーアップしたステータス。其の何れか一つでも欠けていたなら、アレだけの火力は引き出せなかっただろう。

 

「ただなぁ………あの場面はドラクルス・ディノサーベラス単体だけじゃなくて、他の恐竜キメラモンスターも倒してから戻るべきだったか………?いや他にも対処してたら、間違い無く面倒な事になってだだろうし。うん、そうだな。そうだったと考えよう、きっと其れが最善手だったと考えよう」

 

自問自答の果て、真に正しい答えかは解らないが其の時の最善だったと、己が納得する様にして。再使用時間(リキャストタイム)を終えた星天秘技(スターアーツ)・シューティングスターを起動した事で、踏み込んだ一歩目は流星の速度となったペッパーの身体は真っ直ぐに吹き飛び、前へ前へと押し進められていく。

 

「ぅぅううう──────おわあああああああ!?!?」

 

此の爆発的な初速は閉所や屋内で使おう物なら、先ず間違い無く衝突事故やらが発生する。他にも使用していない未知のスキル達も使用し、其の能力や効果を体験して身体に染み込ませなくてはいけない上、三桁レベルに上がった事で漸く『アレ』を試せる様になったりと、やる事は本当に満載と言って良い。

 

其の脚は新大陸の夜空を黒い流星と化して飛んで行き、数分経たぬ内に覚醒の祭壇が在る廃墟まで戻って来たのであった……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ペッパーはん、戻ったのさね」

「戻ったか、契約者(マスター)

『ワンッ!』

「ただいまアイトゥイル、ヒトミさん、ノワ。何か異常は無かった?」

「調査結果:廃墟周辺にはモンスターは居らず、比較的平和だった。おそらくはリュカオーンの分け身であるノワが、此の近辺に居る事で一種の『縄張り状態』であるが故に、モンスターの接近を許さなかった可能性が高い」

 

小さい身体であるとはいえ、こんな姿でもユニークモンスターにして夜の帝王と怖れられている存在だ。よくやったと思いっ切り撫で撫でし、ドロップアイテムのドラクルス・ディノサーベラスの生肉を適度な大きさに切って渡してみた所、クンクンと匂いを嗅いで咥えるや、美味しそうに食べ始めた。

 

「あ、所でイムロンさんは?」

「報告:契約者(マスター)が手渡したティラネードギラファとカイゼリオンコーカサスの素材を凝視していた」

「アレは怖かったのさね。あ、其れと暫くは此処を活動拠点にするとか言ってたのさ」

 

おそらく銃を…………ハンドメイドガンでも作るつもりだろうが、何にせよシャンフロ最高峰の鍛冶師プレイヤーとの繋がり+協力要請が出来るという事実は、双皇甲虫達の素材の全てを手渡すに値する出費だ。

 

と、ペッパーのEメールボックスにメールが着信した事を報せるSEが鳴って。開けば『ペンシルゴン』からの未確認の空メールが、既に『59件』にも上っているという非常に不味い状況。

 

彼は無言でセーブテントを畳みアイトゥイル・ノワ・ヒトミを連れて空家の一つに移動後、恐る恐るクランチャット【旅狼の溜り場】に入ったのである……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【旅狼の溜り場】

 

ペンシルゴン:あーあー、あーくんあーくん。空メールを無視して何かやってる、私のあーくーん?インベントリアの中に恐竜系の素材を大量にブチ込んでる、私のあーくーん?今何処で何をしてるのか、洗い浚い吐きなさーい

 

サンラク:はーけ!はーけ!

 

ペンシルゴン:事によっては七極天星の人員全員を使って、君を引っ捕まえなくちゃいけなくなるぞー???

 

オイカッツォ:なーるぞ!なーるぞ!

 

秋津茜:なるぞー!

 

レーザーカジキ:何してるんでしょう、ペッパーさん………

 

京極:まぁペッパー御兄様なら、また僕達の知らない事でもしてるんじゃない?もしくはユニークシナリオ発見………おっと

 

オイカッツォ:お?今、聞き捨てならない言葉を聞いたぞ?煽る気か??んんん???

 

サンラク:まぁ、総受け魚類じゃなぁ……………

 

オイカッツォ:おっしサンラク、便秘で喧嘩しよーぜ?今ならタダで買ってやるよ???

 

モルド:流れる様に喧嘩の日時決めようとしてる…………

 

ルスト:便秘?

 

サイガ-0:あの、こんばんわ………です

 

サンラク:お、レイ氏。どうも

 

レーザーカジキ:こんばんわ!

 

秋津茜:こんばんわです!

 

ペッパー:やぁ。すっごい簡潔に言うと

 

ユニークNPCのお陰で、新大陸に在るキャッツェリアにランドマークを作れた。因みに其のNPCはファストトラベル持ち(自分は行って此方が行った事無い場所にも行ける特殊なタイプ)、キャッツェリアってのは猫の国

アイトゥイルとノワを連れて其処を出発、砂漠地帯を地上ギリギリで走ってたら、途中で巨大なワームに襲われてた征服人形(コンキスタ・ドール)を助けて、樹海地帯に入って暫くパーティー組んでたら契約を持ち掛けられた。名前はカルネ=103でヒトミ、小麦褐色肌・銀白髪・赤目のメカ女子。アイドル衣装だったり、別の目立たない服装に変えたり出来る

新大陸の樹海地帯には巨樹の根本に空間が在って、其処で適度な休憩を取って進んでいたら、途中の空間に先客が居て声を掛けたら勇者武器・聖槌ムジョルニアの所持者兼シャンフロ最高峰の鍛冶師イムロンさんと遭遇。何やかんや有って旅狼と七極天星に協力して貰える事になった

イムロンさんがパーティーに加わって樹海を進み続け、レベルキャップ解放が出来る集落(?)と言うよりは、蛻の殻になった田舎町を発見。蔦や茨で天然の防壁が出来てる場所で、ツリーハウスやらで作られている。あと多分だけど、新大陸の樹海地帯の中心地に在るっぽい。レベルキャップ解放施設は覚醒の祭壇という名前らしく、其処でレベルキャップを取り除いた事でレベル99 Extendからレベル121まで上昇

試運転がてら樹海地帯の上を超高速で空中疾走してたら、開拓者の港町を発見。恐竜型のキメラや三つ首のティラノサウルスことドラクルス・ディノサーベラスに襲われてたから、ヒーロー着地決めてティラノサウルスを居合斬りで仏陀斬って仕留め、レベルキャップ解放施設が在る集落に戻って来た

 

……………というのが事の顛末だが、文句は無いか?

 

ペンシルゴン:あ、やっと反の

 

ペンシルゴン:えぇ…………

 

サンラク:うわぁ…………

 

レーザーカジキ:わぁ………!

 

オイカッツォ:半日でエグい事してるよ………やっぱ普通じゃない…………

 

秋津茜:大冒険ですね!

 

京極:凄いなぁ………

 

サイガ-0:イムロン、さん…………?えっと、付かぬ事を御聞きしますが、ペッパー、さん。そのイムロンさん、は…………あのイムロンさん………ですか?

 

ペッパー:特徴は髭を蓄えた、職人気質な見た目をしてる壮年男性のアバター。腰に金色の槌・ムジョルニアをぶら下げてた。モンスターのドロップアイテムや鉱石を、電撃鍛造なる勇者武器のスキルか鍛冶師のスキルで使い捨ての武器を生成。後はロールプレイしてたね

 

サイガ-0:特徴一致してます………

 

モルド:凄いなぁ…………

 

ルスト:新大陸って旧大陸から行くと、どれくらいの時間が掛かるの?

 

ペッパー:船だとリアルタイムで七日間掛かったって、イムロンさんは言っていたね。ファストトラベル様々としか言いようが無い………

 

ペンシルゴン:で、あーくん。今君は新大陸に居て、征服人形と一緒に居るんだよね?

 

ペッパー:あぁ。其れと征服人形はインベントリアや同系列のアクセサリーを装備していると、其の中に入る事が出来るんだって。新大陸に居るから直ぐには戻れないが、共有状態のインベントリアを経由してペンシルゴン・サンラク・オイカッツォ・京極とは会えるとは思う

 

ペンシルゴン:OK、解った。サンラク君カッツォ君京極ちゃんはシャンフロに居たらインベントリアに、ログインして無いならログインしてインベントリアへゴーね

 

サンラク:ラジャー

 

オイカッツォ:OK

 

京極:了解

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………よし。ちょっとインベントリアに行ってくる。ヒトミさん、付いて来て欲しいんだ」

「了解した」

 

そうしてペッパーは、ティアプレーテンにてランドマークを更新し、【転送:格納空間(エンタートラベル)】と唱えて、ヒトミとインベントリアの中へと入ったのだった。

 

 

 

 

 






インベントリアで、オハナシしましょ


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