顔合わせ
「さてさて、
インベントリア内で十数分待機、格納空間が共有状態に有る此の場所に
空間内にはペッパーが新大陸での行軍中に狩った恐竜や恐竜キメラのモンスターの素材や、サンラクが狩猟したであろう
そしてPKerにPKされて押収されては困る武器である、
「聞きたい事は大体見当が付くけど…………。予想としては『レベルキャップ解放施設の場所』と『キャッツェリアの場所』。後は『イムロンさんとどうやって協力体制を敷いたか』に『
「せーいかーい。さぁ、キリキリと吐いて貰おうか…………の前に。其の子が
ペンシルゴンが指差す先、プロトコル『オシノビ・カモフラージュ』でコートとサングラスを着け、裏路地に居るガラの悪い女傭兵的姿に成っているヒトミは、彼女の問い掛けに対してサングラスを外した。
口にシュガースティックでも咥えさせたなら、先ず間違いなく黄色い声が上がりそうな見た目であり、ヒトミはペンシルゴンの問いに答える。
「
「…………なんつーか、作った奴の性癖が見て取れるデザインしてんなぁ…………」
「刺さる奴には刺さる、そーゆー風に作ったってのは解るわ」
「服装一つで随分と印象が変わるね」
サンラク・オイカッツォ・
「ヒトミちゃん、私はアーサー・ペンシルゴン。そして半裸の鳥頭がサンラク君で、金髪ツインテールがオイカッツォ君、撫子女侍が
ニッコリ笑顔で微笑んだペンシルゴンだったが、彼氏として付き合っているペッパーと、ゲーム仲間として交流を交わしているサンラクとオイカッツォは、あの笑顔は『怒っている時』の笑顔である事に気付き。
「あぁそうそう──────」と言いつつ、ハイライトの無い見開かれた目でヒトミを見据えながら、彼女はこう言ったのである。
「あーちゃんは私の
最早伝統に成りつつ在る、ペンシルゴンによるペッパーの独占宣言に当の本人は引き攣った顔を、サンラク・オイカッツォ・京極はニヤニヤニマニマとペッパーを見ている。
だがそんなペンシルゴンの独占宣言という名の威嚇に対し、ヒトミは一切表情を崩す事は無く。逆に彼女は演算の果てに、一つの答えを導き出したのだ。
「……………
「ちょっ、ヒトミさん!?」
「お〜凄いねヒトミちゃん、当たりだよん♪」
「ペンシルゴン!?!?」
突如として関係を暴露されたペッパーは慌てふためき、サンラク達からはニヤニヤニマニマされ、其の後に「おめでとうございまーす!」やら「結婚式の日程決まったら連絡よろしくー」やらと、色々言われる事になった。
「さてと………じゃ、あーちゃん。色々話して貰おうかな」
「…………先に断って置くけど空中写真は撮影してはいるが、
色々と弄られながらも、始まった説明会。新大陸のほぼ全域を収めた空中写真は撮影こそ出来たものの、現時点で破壊力が高過ぎる代物だ。何せ
「イムロンさんとの協力要請に付いては、昨日ティラネードギラファとカイゼリオンコーカサスの戦いで勝利し、ドロップした素材を『全部無償』でイムロンさんに渡した。此方から金額を提示してマーニを取る事も考えてたが、今回は誠意を見せる事で後々に繋げる方を優先した感じ」
「無償でって…………、あーちゃん其れマジなの?」
ペンシルゴンの問いに、ペッパーは無言で頷いた。此れは
「…………世の中
「成程ねぇ…………。今、鍛冶師プレイヤーの間じゃ『ハンドメイドガン製作』に躍起になってるから、其の点を踏まえれば上々とも取れるか………」
協力要請に関しては自分の持っている武器の修繕依頼と、武器の情報で取引した様な物なので、其処まで大きな出費では無い。
「そして
「
「ねぇねぇ、ヒトミちゃん。私が仮に征服人形と契約する場合、どんな娘と相性が良いのかな?」
「其れ俺も気になってたんだよね、判るかな?」
二人の問いにヒトミはペッパー以外の四人を見て、そして暫く演算して答えを出す。
「
「え"っ、どゆこと?!!」
「解答:其のままの意味だが?」
オイカッツォの荒げた声に、ヒトミは其れだけ答える。自分とペンシルゴン、サンラクや京極には『有って』、オイカッツォには『無い』物が在るらしい。
サンラク・ペンシルゴン・京極がドヤ顔で勝ち誇り、オイカッツォが歯軋りで目を血走らせる、ギスギス不可避の光景にペッパーはオイカッツォを落ち着かせ。
インベントリアに浮遊しているアイテムや素材に武器の中から、ユニークモンスター・深淵のクターニッドの撃破報酬の一つ『深淵の雫』を手に取り、自分のステータス画面で照らし合わせながらに四人に問い掛けた。
「なぁ皆、皆の『歴戦値』ってどれくらい有るんだ?因みに俺は『7593』有る」
「あ、其れってクターニッドの報酬だよね?ええっと………僕は『8444』だね。其れなりに、かな?」
「深淵の雫だっけか。武器の習熟度とか隠しステータス確認出来るって、やっぱ反則級のブッ壊れアイテムだよなぁ。俺は………おっ『10597』だわ」
「私は『8879』、此れは高い方なのかな?」
水晶群蠍達を相手にしているサンラクや、つい最近までPKerとして戦っていた京極、ラビッツのユニークシナリオで激闘を繰り広げたペンシルゴンは、軒並み高い数値になっている。やはり強いモンスターとの戦いと、死した回数が数値に加算されているのだろうか?
「俺は…………『2160』だね」
「「「うわカッツォ(君)、低過ぎ…………?」」」
「女だろうがブッ飛ばすぞコノヤロー」
京極の数値では判別出来て、オイカッツォの数値では判別出来ない、ヒトミの征服人形型式判別診断。ペッパーは二人の数値から、一つ答えを導き出す。
「此れは俺の仮説になるが…………征服人形が仮に全員が『歴戦値』を参考にしているとした場合、最低数値は『5000以上』必要になるかも知れない。そして一番最初にクターニッドを攻略した
そしてライブラリに深淵の雫の
ペッパーの真剣な警鐘に、四人は同時に『異議無し』と答える。自分達が手に入れた逸品の価値と重大さを、改めて胸に刻み込んで此の日のオハナシ会は御開きとなったのだった…………。
深淵を覗く、無類のチカラ