やって来た面々に
「いやはやペッパー君、外に居たプレイヤーや攻略中のプレイヤー達から聞いたよ。ベヒーモスを起こしたのは君であり、世界の真実に関わる答えを導き出したとね」
「…………もしかして怒ってます?」
「いいや寧ろ其の逆さ、ペッパー君。私やライブラリからしてファステイアとプレイヤーに何かしらの関係が在ると睨んでいたが、まさか此の様な物が在ったとはね。ペッパー君には改めて、色々話を聞きたいのだよ。そして………そちらの『御嬢さん』についても、ね」
ベヒーモス第二階層。ペッパー達が
「キョージュ、此処凄いです!俺此処に一生住みます!」
「ペッパーさん、ペッパーさん!そちらのメカガールは何なのですか!?NPCですか!?」
「褐色!赤眼!銀髪!スリーストライクぅ!!!」
「ペッパー君!ペッパー君!」
「ペッパーさん!」
「ペッパーさーん」
「ペッパー君ッッッ!」
契約したヒトミにノワとアイトゥイル共々囲まれて、包囲された此の状況。ペッパーは今ならば、パパラッチに絡まれた芸能人の気持ちが痛い程理解出来る自信が有った。何せ此れは精神にダイレクトアタックを仕掛け、ワンターンキルしに来るアレに近しい物。
そして此程の危機的状況下に在るからこそ、同じ様に好機は存在している。ベヒーモスが産み出している物、自分が契約している
「えっと…………一先ず全員落ち着いて欲しいのと、此の階層では80点以上取らないと先に進めないので、此方に協力して欲しいのですけども。彼女と此の名前隠しのコートに関する事を、ちゃんと御教えしますので」
「其れは重畳。ライブラリの諸君、ペッパー君が着ている装備に付いてありがたい御話を頂ける事になった!クラン:
『『『了解ッッッ!!!』』』
ライブラリのトップ・キョージュの一声に、メンバー達が一斉に旅狼メンバーの問題用紙と自分の問題用紙を照らし合わせを開始。
続いて其の情報から対応する資料を見付け出し、喜々として調べ始めた挙句に「此の解答用紙の問題って五十問はランダムだけど、其の問題の最大数に上限が有るね」と割り出し、遂には「コレって三百問の中から五十問がランダムで選ばれてるから、模範解答作っちゃえば全員解けちゃいますね」と自信満々に言い切った。
更に言えば「他のプレイヤーにも理解り易くする為に、問題文を頭文字順に並べちゃいましょー」等と言い出して、着々と攻略が進められていく状況を見たペッパー達は、唯々唖然となっている。
「あ〜良い………こんなに情報が在るって、ライブラリからしたら幸せですよ~」
「キョージュ!俺此処に永住したいんすけど良いですか!?!」
「時々ライブラリに顔を出してくれ」
クランメンバーに対処しつつ、キョージュやSOHO-ZONEを含めたプレイヤーの視線が向いた。深呼吸を一つ、ペッパーは此処まで隠していた己の装備・奏でる者の旋律羽衣という手札を開示する。
「
「うむ、以前SF-Zooと共に其のモンスターに関する調査をした事が有るね」
「確か他のプレイヤーによれば、黒い自分と戦わされる事になるやら何やらとも聞きました」
「其の影法師と全力で『遊ぶ』事で手に入るのが
「恐怖体験かな?」
「下手なホラゲーよりリアルなんで、心臓が弱い方は御気を付けて」
アレに関しては演出的な面も相俟って、怖い人には其れだけでトラウマ級になりそうだが。
「………で、引き摺り込まれた先に在る『中世の劇場で女性が歌い始める』と、自分の影から影法師が顕れて名前隠しのコートを纏ってプレイヤーに襲い掛かってきます。其の影法師は『プレイヤーが倒したモンスター相手に当時使用した或いは習得している、スキルや武器をコピーした状態』、後は多分『魔法やアイテム』も同様にやって来そうな気がしますね、其の状態で戦闘します」
「いや其れヤバない?!」
「過去の自分と戦うって事?!」
「因みにランダムだったの、其の歌って?」
「苦戦したモンスターだったり、倒したモンスターが同じでも倒し方が違ったりするパターンが有ります。そしてある程度ダメージを与えると『倒した時の状況再現』を求められるので」
「え、何其の攻略法」
「特殊勝利系かな?」
「歌………吟遊的な何かか?ペッパー君」
キョージュの問いに「まぁそんな感じですね」と答えていれば、ライブラリの面々が情報を纒めている。明かされた爆弾的な情報に質問が殺到する前に、此方が主導権を全て持って行く。少なからずの抵抗だ、只々成すがままにやられて堪るか!
「此の戦闘に勝利すると、影法師の愉快合羽が強制装備状態になって外せなくなるので此れを計四戦行い、勝てば女性………『冥響のオルケストラ』の手によって影法師の愉快合羽は装備解除、今自分が来ている胴・腰・脚の装備枠を使う三部位一体装備『
「ちょっ?!!」
「待って今何て言った!?」
「冥響のオルケストラ!?」
「其れユニークモンスター関係有りの装備なん!?」
当然の反応だろう。まさか名前隠しのコートがシャンフロにて未だ全容が掴めていない、ユニークモンスターの一柱たる冥響のオルケストラに関連する装備等と、一体誰が予測出来たか。
「そして此の装備を着けた状態で『新大陸』を走っていたらメロディが流れて、其の方角に向かって行った所で彼女と………『征服人形』のカルネ=ヒトミさんと出逢いました。此の装備は持ち主と相性の良い征服人形を探し出す上で有利になるのと、征服人形自身が冥響のオルケストラを『攻略』する上では必要不可欠な存在だと思います。因みに影法師の愉快合羽を手に入れられれば、おそらく誰にでも出来そうなので『再現性』は有るかと。他にも征服人形には『複数の型』が在り、ヒトミさんを通じて判明しているのは──────」
語りつつも周りを見ると、
「ペッパーさんってファストトラベル持ちなんですか!?」
「新大陸にどうやって行ったの!?」
「知り合いのNPCに『特殊なファストトラベル持ち』が居てね、其の人の御陰で新大陸に一飛び出来た」
「ペッパーって、もう既にレベルキャップ解放してる?」
「レベル99 Extendから121まで上がったのと、其の影響で三桁スキルの習得に、スキルの一部が
「ちょっと待って、昇華って何!?」
「多分スキルの習熟度を最大まで高めた場合に付く、スキル版のレベル99 Extendみたいな物かな」
手札を開示したら、質問が爆増した。七天極星含めて他のプレイヤーからの質問攻めに遭っていると、包囲網の合間を縫いペンシルゴンが割り込み、足下からはリュカオーンの分け身であるノワが顕現して。
サイガ-100の視線がノワに対して注がれたのを見て、ペッパーはノワを抱え上げ。ペンシルゴンは周りを見渡しつつも「もし
そしてノワとペンシルゴンがバチバチと火花を散らし合い睨み合う状況に、ペッパーは非常に遠い目をしていればアイトゥイルが頭の上で震えており、其の方角を見ればAnimaliaとSF-Zooの面々がダルンダルンな恵比寿顔でノワとアイトゥイルを見つめているという、此れまたカオスな事態が巻き起こっている。
「キョージュ〜!サンラクさん達の問題用紙の答え、大体判明しましたー!」
「ペッパー、ペンシルゴン。先行ってるぜー!」
「御二人さん、おっさきー」
サンラク達クラン:旅狼のメンバー達がライブラリの協力で問題を解き明かし、次の第三階層へと向かって。他のプレイヤー達も彼等彼女等を追い掛けんと、ライブラリが調べた答えを次々と問題用紙に記載し、ペッパーとペンシルゴンも遅れてなるものかと行動を起こそうとした──────其の時。
「ペッパー君、少し良いか」
真剣な眼差しを向けた修正前剣聖勇者、サイガ-100が声を掛けて来たのである。
剣聖勇者、来る