新生のグランシャリオ
「行くぞ、
ギラリと煌めく剣身を振るえば、
「地面から引っ張り出すなら、やっぱり振動だよなッッッ!!!」
一際大きな揺れと共に地面を潜行し、迫り来ていた爆泳魚達の身体が跳ね上がって宙を舞い、同時にペッパーは右手に握るグランシャリオを左腰へと置き、まるで『居合』の姿勢を整える。其の姿勢をブリュバスの上から見ていた
「ウェザエモン・
そう述べつつ構え、一瞬目を閉じて。開眼と同時に
「
抜剣と同時、刃先より空を切り裂く風を起き、風は葉を巻き上げて嵐を呼び込み、嵐は巨大な竜巻を起こして。宙に浮かばさせられた爆泳魚達と枯れ笹の葉を巻き上げ、其の身体は竜巻の中に引き込み・吸い寄せ・取り込み。
同時に其の身を無数の斬撃が、竜巻内部で叩き込まれて風に揉まれて、文字通り『斬々舞』になりながら次々と爆発してポリゴンを崩壊させていく。
「──────『
静かに納刀する様に………腰にグランシャリオを置き、ペッパーは息を吐く。アトロフォスの
マナ粒子で出来た道に重力ベクトルを変更・上空へと駆け上がりつつ、インベントリアから『世界の真理書「深淵編」』を取り出してグランシャリオへと翳せば、書物は『中心が黒く虹色の輝きが渦を巻く宝玉』に変化。持ち手から二番目の穴に収めて、ペッパーは述べる。
「ウェザエモン・
黒と虹色の宝玉が光を放ち、同時にペッパーの身体の内側から体内電流が迸り始めるや、己の体力が一気に『10%』まで減少していく。
晴天流:雷系統の技達は使用者の身体を流れる生体電流を増大させ、其れを落雷攻撃や自身への強化に転用、或いは当たれば即死級の貫手を放つ『奥義』が在る。
「
そして今回、ペッパーがグランシャリオの力を借りて示す其の奥義は、其の雷系統の中でも『体力を消費して発生させた生体電流』を自身の筋肉や神経へ流し、全ステータスと五感に発動者のモーション全てを強化する奥義。
遠い昔より人々は、雷を神の怒りと喩え、畏れて恐怖し。そして人が人の身にて、神の領域に踏み込む事を極致として目指し、其の心構えとしての名を。
「──────『
バリバリッ!と空気を揺らし迸る雷音、蒼雷に包まれ溢れ出るパワーに背中を押されながら、ペッパーは雷速の其の身を翻し、サンラクとオイカッツォにルストが戦っているドミネイト・グリズリーの元へ走る。
「サンラク!オイカッツォ!ルスト!生きてるか!?」
「生きてるよ!ってか、何だ其の身体!?後コイツの攻略法、やっと思い付いた!名付けて『グレネード作戦』!」
「内容はシンプル、ヤツの口にボンバーフィッシュを投げれない様にしつつ、頭にボンバーフィッシュをぶつけ続ける!捕まえてから五秒以内に投げれば、自爆ダメージを受けずに済む!」
「私は狙撃中」
「解った、俺も手伝うぞ…………っと来た!!」
背後から殺気、此の中で一番危険なペッパーに噛み付かんとする爆泳魚の飛び出しだが、成神によって視神経が大幅に強化された彼は、擬似的で超人的な動体視力により其れ等を次々と鷲掴み。体内から放っせられる電流が、爆泳魚を痺れさせて動きを封じ、一投目を晴天流「荒波」を使い殺人ライナーの如く投げ込み、立て続けに痺れた爆泳魚達をドミネイト・グリズリーにピッチャーマシンめいて投げ込みまくる。
『グロロロロロ!?!』
ボボボボボボッ!!!!と爆撃により、決して看過出来ないダメージを負ったドミネイト・グリズリーに、迫り来る三人の猛者達が視界に映り。サンラクは
「トドメ……!」
「食らえ、竹熊!アガートラム!」
「
「赤・青・黄………三色混合!拳気「
こめかみへ矢が、鳩尾に金の籠手による銀の拳撃が、極致に至った刺突が喉を貫き首骨を断ち切り、赤・青・黄を織り混ぜ合わせた黒い一撃が顎に突き刺さった瞬間、三人の手にドミネイト・グリズリーを仕留めたという感触を齎した。
「ドミネイト・グリズリー。近接攻撃に対して竹槍というカウンターを用い、爆泳魚を喰らいて竹の破片を飛ばす強き竹林の猛獣よ。俺達と戦ってくれて………ありがとうございました」
仰向けに倒れ伏し、ポリゴンを崩壊させてドミネイト・グリズリーが消滅。同時に件のカンムリタケノコがドロップアイテムとして、ゴロンと地面に落ちたのである。
「ふぅ…………。おっと、効果も終了か」
「おつかれー」
「ペッパー。さっきのスキル何?」
「俺も其れについて聞きたいんだが良いか?」
「噛み砕いて説明すると、グランシャリオの御陰で繰り出せた晴天流の雷系統の『三つ有る奥義の中の一つ』でね。体力を代償に減らした分だけ、一定時間全ステータスにバフとモーション強化に神経伝達速度アップ、更に敵と接触時に相手に感電の状態異常を付与する技」
「……………晴天、流…………?」
「マジかよ、とんでもねーな晴天流…………」
赤子程の大きさを誇るカンムリタケノコをオイカッツォが拾い上げる中、ルストにサンラクが晴天流【雷】奥義「成神」の事を聞きに来たので、ペッパーは簡潔かつ理解り易く説明を行う。そんな中、浮遊していたブリュバスがゆっくりと着陸し、他のメンバーも合流して来た。
「やぁやぁ皆、お疲れ様だねぇ。あと、あーくんには後日ちょ〜っとした『オハナシ』が有るから、覚えておいてね?」
「ルスト、お疲れ様」
「ペッパー御兄様、さっきの晴天流の事について聞きたいんだけど良い?」
「サンラク、さん………お疲れ様、です」
「サンラクさん、お疲れ様ですわ」
「お疲れ様なのさ、ペッパーはん」
『ワゥル♪』
三者三様十人十色の感情が渦巻く中、ペッパーはグランシャリオから真理書を二つ取り外して、急ぎ鞘に剣を収め直し。オイカッツォが紫の聖杯で反転させていたダメージが振り返した事で倒れ、危うく死亡しそうになったので再誕の涙珠で蘇生を行い。一行は
そして其の一分後、サイガ-100・キョージュ・Animalia・SOHO-ZONE達が此の第四階層に到着する事になる。
放つ、放ち、放て
晴天流【風】系統、「
失敗した場合は竜巻に吸い込まれた上で、多段ヒットによる斬撃ダメージに晒される。当然ながら食い縛りは此の技には無力で、巻き込んだ物体に激突して追加ダメージが発生する事も。
イメージはONE PIECEのロロノア・ゾロが使う技の一つ、『三刀流:黒縄・大龍巻』。
晴天流【雷】系統、「■■」派生の奥義。発動時に使用者の体力を10%まで減少させて其の減少数値×秒数の間、使用者の全ステータスに強力なバフ・モーション感度の強化・神経伝達速度を大幅に向上させ、接触時に敵を感電させる能力を持つ。(仮に体力が500なら50まで減らし、450秒間分の発動時間を獲得する)
出力的な意味合いでは
発動時のイメージとしてはONE PIECEのエネルが使用した、『二億ボルト・