見付けた物は
シャングリラ・フロンティアには銃が在る…………ウェポニアの調査によって判明して以降、ヤシロバードを始めとした有志のプレイヤー達が旧大陸に存在する地層を掘り出し、集め続けていた
しかしながら其れを修繕・復元する為の方法が一切解らず仕舞いの状態となり、ならばと鍛冶師プレイヤー達はハンドメイドガンを作る為に奮戦し。
結果は挫折と敗北による歴史が刻まれた其の武器が、ベヒーモスの第六階層のショッピングモールに商品として売られていたとなれば、確実に彼等彼女等の狂喜と狂乱からなる声が上がる事は不可避だろう。
「象牙さん。因みに商品として置かれている銃達は遺機装なのでしょうか?」
「いいえ、ペッパー・
「
象牙の説明とヒトミの補足を要約すれば、ミル・ト・コルンやサジタリウスに搭載されている超過機構含んだ、諸々の機能をオミットして量産可能にした物が、食品サンプルみたく並んでいる銃器達なのだとの事。
だがシャンフロプレイヤーからすれば、単純な攻撃機能オンリーだとしても、其れだけでお釣りが回収出来るレベルの代物だ。何せ現実世界の現象を突き詰めて、物理エンジンさえも無駄無く取り込んだゲーム、FPSプレイヤーからすれば最高のバトルフィールドに様変わりするに違いない。
「あ、そうだ!?………象牙さん。エムルさんにアイトゥイル、ノワの判定はどうなっているんでしょうか?もしかして、通れなかったりします…………?」
そしてペッパーが此の状況で気付いたのは、自身やサンラクのパートナー・ヴォーパルバニー達と、リュカオーンの分け身の処遇。ベヒーモスに入場時に『モンスター御断り』をされなかったので、一安心かと思ったが彼女達は二号人類等では無い為、此処から先に進めないのでは?と一抹の不安が過ったのだ。
対する象牙はペッパーを見て、暫く思考した後に『…………ではペット枠ならば』と答えた所、其処に物申したのはノワやアイトゥイル、では無くエムルであり。
そんなプンスコと怒って膨れっ面な彼女曰く──────────
「アタシはヴォーパルバニーで、サンラクサン達人間と同じじゃないのは重々承知しているですわ!でもアタシやアイトゥイルおねーちゃんは、知性持つ存在として其の立場は対等な関係なんですわ!だから断じてペットでは無いんですわ!何度でも言いますけど、私達はペットでは断じて無いんですわッッッッッッ!!!!!」
──────と、人類やNPCの母たる存在を相手に怯む事無く、ヴォーパル魂を全力で込めた熱弁をブチ噛ましたのである。其の熱弁に対して象牙は『お前は何を言っているんだ』な表情と視線を向け、仕方無しとペッパー及びサンラクは象牙に拝み倒す形で申し上げ、最終的に自分達と同じ条件での突破とする事が決定した。
サンラクがエムルに宝石やら何やらを渡す中、此方も早速行動を起こす事とし。同時に一つの疑問が浮かんだ。
「なぁ、アイトゥイル」
「何さね、ペッパーはん」
「銃と剣ってどっちが強いのかな」
「ビィ姉さんなら剣って答えるのさ」
「フムフム…………」
ペッパーが抱いた疑問、其れはシャンフロに置ける銃と剣の違い。剣や鎚含めた武器には魔法による付与、人体へのバフによる火力アップが見込めるが、銃は銃本体の出力と弾丸の性質でしか強化が出来ない。アタッチメントがあるカスタマイズ性に富んだ銃なら未だしも、そんな銃は早々手に入る訳では無いのだ。
「試してみるか…………アイトゥイル、此れを持って一回計量器に乗ってみてくれ」
「第四階層で使ってた『ケンジュー』なのさね。やってみるのさ」
ミル・ト・コルンを手渡し、アイトゥイルが計量器に乗れば『6220マギバイト』の表示。続いてミル・ト・コルンと取り替える形で
「………そういう事ね」
「どういう事なのさ?」
「ビィラックさんが言った事は『正しい』って意味さ」
ミル・ト・コルンは二千しか無く、逆に真化を行った短刀は十五万の情報質量を持つ事から、ペッパーは『此処での買い物は罠であり、鍛えた武器を持っていた方が規定量を満たせる』と気付いたのである。
と、サイガ-0がアルマゲドンを放つ装備を変更して、クターニッドの根城にて身に纏った鬼武者装備にしながら計量器に乗っかった所、頭上には『4001億740万271マギバイト』を記録したのを目撃。純白の一式装備と漆黒の大剣は相当な代物であると察しつつも、
リュカオーンの分け身のノワもアイトゥイル同様に短刀を、テイムモンスター専用の装備インベントリたるアイテムを装備させ、収納して乗った事により見事突破と相成った。
ペンシルゴンが計量するまで時間が空いたので、ちょっとだけ見て回ろうかなの気持ちと共に、ペッパーは渡した武器を回収して、アイトゥイル・ノワ・ヒトミを連れながらにショッピングモール状の第六階層を散策開始。
手始めに服屋として並ぶ強化装甲達や、ペットコーナー的場所に並ぶ戦術機達を見る事にし、途中の食品サンプルめいて並ぶ銃火器のスクショを撮った後、彼は象牙に声を掛けた。
「象牙さん、此れって『規格外特殊強化装甲』ですか?」
『そちらですか?此れは『強化装甲』………ペッパー・天津気含む五人が共有し、保有している『規格外特殊強化装甲』のデータを下に開発された、所謂『量産品』と言って差し支え有りません。リヴァイアサンが本格的に稼働すれば、十分でグロス単位は作れる代物ですね』
詰まる所、自分達が所持しているウェザエモンの遺産は、強化装甲及び『おでんの形状』をしている戦術機のユニーク品、という事だろう。
『そちらの三種類の戦術機は『タイプメンシリーズ』。丸型のボールメン、四角形のキューブメン、そして三角形のピラミッドメンになります』
「おでん三兄弟かな?まぁでも、ルストが喜びそうだ……」
量産機とはいえ、シャンフロのクオリティでロボットが扱えるともなれば、彼女にして見ればパラダイス以外の何物でも無いだろう。
其れから暫くロボットやパワードスーツ達を見て回り、象牙から『ある情報』を教えて貰っていた所、ペンシルゴンがエムル共々無事に規定分の情報質量を持った事により、突破出来た事を報告に来た。
何れ第三階層でモンスターハントをするのを視野に入れつつ、集合した一同は次なる階層たる第七階層へと、象牙によって転送されたのであった………。
第七階層へ