VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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ガンスミスライセンス所得へ




勉強し、製作し、実戦す

ガンスミスライセンス所得の試験………先ず第一段階として始まったのは、ベヒーモス搭載AIこと象牙(ゾウゲ)による授業。

 

テーマは銃……………もとい『機装(デバイス)』に関する事であり、神代において掲げられた理念は『制御及び活性』の二つから成り、旧き時代に武器は用いられた素材の力を御し、その真の力を活性化させる事により様々な力を武器という形へと収束させたのである。

 

また遺機装(レガシーウェポン)が『神代時代の武器にして、遺物であり異物なるオーバーテクノロジーの塊』であるならば、ビィラックの様に『職業:古匠が新たに仕立てた』遺機装の事を甦機装(リ·レガシーウェポン)と呼称し、其のネーミングは共通して『何由来であるか・装備名』という事になっているのだと。

 

そして『デバイス』とは元々、人類の活動を補助する『護身用機器』という面が大きかったのだが、度重なる検証と数多の犠牲の上に積み上げられたデータを元にした結果、より原始的な『理解しやすい攻撃力を帯びた形状(モノ)』へと変遷していったそうで。

 

更に機装にも『世代』が存在し、第二十世代デバイスでは刹那式デバイスの基本思想──────「素材の持つ指向性マナ粒子の増幅」という根本は変わらず、アンドリュー・ジッタードールが開発した「同一原子別作用システム」を流用する事で、従来は素材の性質で作成可能な形状に制限が掛かっていた問題を解決。

 

尤も其れが産み出された頃は時既に遅く、神人達の滅びの運命を覆す事は叶わなかったと、象牙は静かに語っていた。

 

「……………要するに遺機装と甦機装を使い熟すんなら、素材となったモンスターの事を『識っておく』必要が有るっちゅうこっちゃな」

『正解です。成程………古匠に至ったというのは、どうやら事実なのですね』

「ワチは見てん通り『ヴォーパルバニー』じゃけんど、此れでも『鍛冶師』の端くれじゃ。銃造りのライセンスとやらも、自分の見解を広げる為に必要不可欠じゃからな」

 

フンスと鼻を鳴らし、ビィラックは言う。其の発言は一切の自惚れも無く、己は未だ鍛冶師の道半ばに在りと、そう断じているかの様で。

 

象牙による機装の歴史やらに関する授業を終え、続けて一同は銃の製作へ。先程彼女が言った通り、銃造りの様々な金型や材料が取り揃えられ、製作に支障が生まれない配慮が為されていた。

 

「象牙さん、象牙さん。ガンスミスライセンスを取る場合に作る銃って、初心者にオススメの物って有りますか?」

『良い質問ですね、レーザーカジキ。製作も比較的オーソドックスで、威力も其れなりに出せる『拳銃』から造るのが一番かと思います』

 

レーザーカジキの質問に象牙が答え、其れを元にして金型や材料を選択した彼は、早速というか一番乗りというか、銃を。ベヒーモスで売られている機装(デバイス)を設計図を参照にしつつも、一部パーツを自分の好みに設定。図面を機械に通せば、複数のロボットアームによるパーツの切り出しと整形、接続に塗装の工程を重ねていって。

 

軈て『ピンポーン!』と、インターホンに似たSEを鳴らして完成品たる其の拳銃は、以前クランメンバー全員集合時に彼が『ベラールフィン』の物からバレル部分が更に延長された、某有名ゾンビゲーの『マグナムリボルバー』に近い姿をしていた。

 

「わぁ…………!」

『完成しましたね、レーザーカジキ。後は試運転兼射撃試験を行って十個の的を撃ち抜く事が出来たならば、貴方にガンスミスライセンスを発行しましょう』

 

ワクワクした表情で完成品を手に取り、レーザーカジキは実技試験へと向かって行った。

 

「皆はどんな感じで作るの?因みに私は弾速重視」

「普通に扱い易いのにするわ。後は壊れ難い頑丈なタイプ」

「万が一近距離での鍔競り合いになっても、頑丈さに秀でた簡単には壊れないタイプにするよ」

「えっと、其の………火力、重視に………」

「軽いタイプにしたいです!」

「ワチは通常の型から始める。何事も基礎から始まるからの」

 

目指す銃の形を見据え、各々が製作に着手する。三者三様十人十色の諺が在る様に、製作されて排出された銃達は皆異なる形の、己が思い描く形状と性能を乗せながら構築され、彼等彼女等の手中に其々収まった。

 

銃が出来れば、最後の試練たる射撃試験。止まっている物や動いている物、不規則な挙動を行う物等の中から十個の的を撃ち抜けば、晴れてガンスミスライセンスを所得出来る。

 

先に挑戦したレーザーカジキが無事試験を合格し、象牙から発行されたガンスミスライセンスを受け取るのを横目に見つつ、銃使用初心者のビィラックにアドバイスを送る。

 

「ビィラックさん。初心者が銃を扱う時は足を開いて、握る手に空いた手を添えて撃つと、ブレが起きにくく狙いが定まり易いです」

「そうだな。慣れたら片手で撃てるが、やっぱ最初の頃は両手でいった方が良いだろうぜ」

「ん、やってみるけぇ」

 

背丈が足らないビィラックの為に、背が低い者が試験に臨める様に配慮された台座が有ったので、彼女は其れの上に乗って。ペッパーやサンラクの構えを参考に、製作した自身の銃へMPが装填(チャージ)されたのを確認。

 

数度の深呼吸で昂ぶる気持ちを調え、右手でグリップを握り締めて左手を添えながらトリガーを引けば魔力弾が飛び出し、動かない的の左縁ギリギリを掠めて室内の壁に激突する。

 

「ほぉぉお……………!」

「まぁ、最初はこんなもんだ。最初の内は落ち着いて撃てば、大体何とかなるさ」

 

実際生物は狩りをするのも、初めの内は失敗するなんて事は多々有る。大事なのは一度の失敗でも諦めず、何度もチャレンジをする事。何度も何度も続けていけば、何時か必ず出来る様になるのが、知性を持つ者の強みなのだから。

 

今まで鉄や素材を金槌で加工し、武器を作ったビィラックにとっても未体験の要素に、慣れない彼女は自身のMPを大量に消費し。他のメンバーが次々と試験を終えてライセンスを受け取る中で、ペッパー・サンラク・秋津茜(アキツアカネ)は彼女に歩幅を合わせ、既に合格ラインに至ってもマナポーションを飲んで渡して。

 

そして漸くビィラックが十個の的を製作した銃で撃ち抜いた事で、三人は緊張で張り詰めた身体を解す様に息を吐き、ハイタッチを交わした所で象牙が現れる。

 

『おめでとうございます。貴方達はガンスミスライセンス所得に置ける、全ての試験を見事に合格しました。よって規定に則り、貴方達にガンスミスライセンスを発行致します』

 

そうしてペッパー・サンラク・秋津茜・ビィラックの前に『透明なカード』が現れるや、彼等彼女等の中に吸い込まれて。同時にガンスミスライセンス獲得を告げるリザルト画面が表示された後、象牙はこう言ったのだ。

 

『神代の人々が脈々と受け継ぎ。されど一度は途切れた其の道は今、此の時此の瞬間を以て貴方達へと受け継がれました。良くも悪くもデバイスとは、武器としての役割を担うモノ…………。使い方を誤れば、他者にも己にも降り掛かる『厄災』なのです。よく考え、よく理解し、有効に扱って下さいね?』

 

武器を作り、扱う者としての責任を語り終えた象牙。其れに入れ替わる形でビィラックが、ペッパー達にこう言った。

 

「ペッパー、サンラク、秋津茜。レーザーカジキ、サイガ-0、ペンシルゴンよ。ワチ等の御陰で、無事にライセンスを取得出来た。此れから先、ワチは頼まれた他の銃も直していくけ。……………本当にありがとうな」

 

自身の作った銃を抱え、深々と頭を下げたビィラック。同時に六人の前には、ユニークシナリオのクリアを告げる『リザルト画面』が表示されたのだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユニークシナリオ【銃を識りて、銃を紐解く(ガンズノウ&ガンズアライバル)】をクリアしました』

『シナリオクリアにより、ガンスミスライセンス獲得済のNPCの銃の遺機装と機装の修繕速度上昇及び、銃の遺機装と機装の製作が可能になりました』

 

 

 






ライセンス所得完了


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