VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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やって来たのは




結成!S·F·G·F·A!!!

「ほひょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!ラピステリア星晶体の五等星から二等星までの各種に、アムルシディアン・クォーツやクリスタブル乱砂!ローエンアンヴァ琥珀晶に加えてアロンカレス瑠璃硬晶に、他にも水晶巣崖(すいしょうそうがい)のレア鉱石のオンパレードーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!ぴひゃぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

シャンフロ旧大陸、第八の街・エイドルト。此の地を拠点とし、シャンフロで初となる宝石匠(ジュエラー)持ちのプレイヤーとなったラピスが賃貸している物件から、彼女の感極まる喜びの悲鳴が木霊した。

 

ペッパーやコートの中に隠れたアイトゥイル、インベントリアから覗き見るヒトミと影に擬態したノワを含め、弟子入りしたプレイヤー達がドン引きの感情を向ける中、彼女はそんな事知ったこっちゃないとばかりに、宝石や鉱石を掬い上げては頬擦りをし続けている。

 

「因みに水晶巣崖の採掘ポイントたる宝石塔も圧し折ったので、ラピスさん達に差し上げます。所謂『福袋』みたいな物で、何が出るかは削り出すまで解らない『御楽しみ』って所な奴です」

「ほひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

嗚呼、此れは彼女の完全にテンションが変な方向に飛んで行ってしまっている。自分でやっておいて何だが、彼女から自分に対する好感度が、鰻登り所か宇宙まで昇っていっている気がしなくも無い。

 

「ではそろそろ、俺は別の案件で行かないと行けないので…………「あっ、ちょっと待ってペッパーさん!」アッハイ」

 

絶対面倒な事態が起きるのではと身構えていれば、彼女は机に置いたアムルシディアン・クォーツ達を、徐ろに掴んで握り締めるや、黒く艷やかで美しい鉱石に己の持つ『魔力(マナ)』を注ぎ始めて。

 

同時にアムルシディアン・クォーツ達は『ギュムギュム』と、まるで意志を得たかの様に『蠢いて』。其れは軈て回転しながらに『球体』へ、球体から混ざり合って『巨大な球体』へ。そして巨大な球体は……………まるで毛糸玉から糸を引き出す様に『細い糸』へと変質し始めたのだ。

 

「此れは宝石匠となった事で、新たに会得した『宝石統合加工』にして『宝石織』!宝石匠になってからも、幾度のレベルダウンビルドを重ねた先で手にした『同じ種類の宝石達を一つとし』!!其の束ねた宝石を『糸』へと変質させる御業なのよっ!!!」

 

そう自信満々に、高らかに宣言する様に。アムルシディアン・クォーツの球体は、ラピスの意志に呼応して『綺麗な黒糸』へと変化を遂げ、彼女が逆の手でインベントリから取り出した糸掛けにクルクルと巻き付き、軈て其れは裁縫で使われる、糸巻きの其れへと変化を遂げたのだ。

 

「ふぅ…………はい、ペッパーさん。此れは『アムルシディアン・ストリング』って名前の糸。文字通りアムルシディアン・クォーツを宝石匠が加工して、こんな感じに糸へと変えた物になるわ。因みに此れを更に加工して『布』も出来るっぽいけど、ブッ通しでやったらマナ不足の倦怠感でダウンしちゃうから、休み休みで織る形になりそう」

 

猫妖精(ケット・シー)の国の宝石匠ダルニャータは、水晶群蠍(クリスタル·スコーピオン)の素材を糸や布に変えていたが、どうやらラピス自身も其の領域に踏み込みつつ有るらしい。確かベヒーモスの統括AIの象牙(ゾウゲ)は『二号人類種は努力が必ず報われる様に、そう身体が出来ている』と言っていたが、成程こういう事も其れなのかとペッパーは思う。

 

「ありがとうございます」と、アムルシディアン・ストリングを受け取ったペッパーは、物々交換でもするかの様にインベントリアの中から水晶群蠍の素材達の一部を取り出して、ラピスの前に重ねてから言った。

 

「水晶群蠍の素材です。此れを使えば武器や防具にアクセサリーとか、色々作れそうなので御渡しします。あ、御代は要りませんので」

 

ラピス含め弟子入りのプレイヤー達が唖然とする中、ペッパーはパーティーメンバーを全員引き連れ、エイドルトの裏路地へと戻り。ラビッツを経由しながら、当初の目的たるウェポニアのクランハウスを目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラン:ウェポニア。武器狂いの異名として知られ、サンラクとも何かしらのゲームで知り合いの関係に有るSOHO-ZONEをリーダーに据え、同じくシャンフロの武器や防具の性能等を含め、徹底的に研究・解明を理念に掲げる一団である。

 

其のクランハウスに先んじて到着していたサンラクと、ウェポニアのサブリーダーのアヴァランチ。他にはウェポニアのクランメンバーや、ベヒーモス起動時にファステイアに居た『ティーアスちゃんを着せ替え隊』の一部プレイヤー。

 

おそらく検証班だろうライブラリのメンバーに加え、そして此れ等のクランにも属していない、フリーのプレイヤーも含めて少なくとも『二百五十人近く』見られた。

 

そしてプレイヤー達に唯一共通しているのが、腕に巻いたシルバーやらバンダナといった、見易いアクセサリーにアサルトライフルを交錯させた所謂『勲章』の様な物を、トレードマークとして刻んでいる事が挙げられる。

 

「ペッパー、来たか。以前ヤシロバードとSOHO-ZONEが言ってた『話』、覚えてるか?」

「えっと確か………『銃火器が手軽に手に入る様になったら、旅狼(ヴォルフガング)を含む七天極星(グランシャリオ)を有事の際に支援(サポート)する一団を創設する』………って内容だったっけ。…………もしかしてコレ、此処に居る全員が其の一団って事?」

「其の通りです!ペッパーさん、サンラクさん!」

 

ザッと一本前に出たのはアヴァランチ、ベヒーモスで売られていたアサルトライフルを胸に当てながらに、堂々と胸を張って言葉を放つ。

 

「クランリーダーは、ライブラリを始めとした他のメンバーとユニークシナリオへの攻略に赴く為、ヤシロバードさんはベヒーモスにて銃火器でトリガーハッピーになってますので、今回私が代理を務めると共にリーダーとヤシロバードさんからの『メッセージ』を預かっています」

 

「内容はこうです」とカンペの様に手紙を取り出し、一拍置いたアヴァランチがペッパーとサンラクに、武器狂いと銃狂いのメッセージを伝える。其の内容が──────

 

 

 

 

 

 

 

「『ペッパー君、サンラク君。我等との約束を果たし、ベヒーモスという巨大な宇宙船と銃火器を解禁してくれた、其の大いなる功績に応える為こそが我々の恩返しである。此の場所に集った面々は皆、クランやプレイスタイルに差異は有れども銃火器の解禁を待ち望み、そして悲願成就によって銃火器を振るう事が叶った者達だ。

 

我々は此処に、シャンフロ銃火器武装集団こと『SHANGRI-LA FRONTIER GUN FIGHT ARMY's』──────通称『S·F·G·F·A』の発足を宣言。クラン:旅狼を始めとした、七天極星を有事に置いて支援する事を此処に宣言する』……………との事です」

 

 

 

 

 

 

 

シャンフロにて産まれた『S·F·G·F·A』。

 

嘗ての世界(ゲーム)で銃火器を扱い戦った歴戦のガンファイターや、現実世界(リアル)でもサバゲー等に精通したプレイヤーからなる実力派集団。

 

銃火器の解禁によって、彼等彼女等は水を得た魚の如く戦場で八面六臂の活躍を。此の先のシャンフロの歴史に於いて『竜災大戦』や、()()()()()()()()()の中で輝く事になるが……………其れはまだ別の話である。

 

 

 






約束を果たす


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