レスキュー開始
「確認:此のシグモニア
シグモニア前線渓谷の谷底に居るという、エルマ型317号機と彼女が回収したという存在の救助の為、ペッパーとヒトミは万が一にも備えて離れた場所………外縁ギリギリにセーブテントを設営し、救助作戦に向けたブリーフィングを行っていた。
「トレイノルとガルガンチュラは不倶戴天の敵であり、片方が起きればもう一方も起きてくる。下手に手を出すのは避けておきたいが、問題は奴等が『何を求めている』のかが解らないと、文字通り『行って来ます』が『逝って来ます』になるんだよな………。ヒトミさん、何か解っている事って有りますか?」
「残念ながら、当機の保有する情報には此れ以上の事は無い」
「解りました。一先ずヒトミさんはエルマ型317号機との通信を行い、詳細な位置を教えて下さい。判明次第インベントリアへと入り、俺が其の地点まで一気に空中を駆け抜けます」
そうなるとやはりトレイノルとガルガンチュラが何を求め、何故に争っているのかが判らなくては、救助作戦も難しい可能性が高い。
仮に救助出来たとして、
そうなったら面倒な方向に拗れる事は、最早避けられぬ運命と化す。何より自分は此の世界で、
「
「ありがとうございます、ヒトミさん」
ヒトミをインベントリアに避難させ、紅蓮に輝く水晶に照らされたフィールドの状況を鑑みて、ペッパーは離れた場所で身体を動かして心拍数を高め、何時でも
「…………行くぞ!」
「そして、駆け抜け落ちる──────!」
ミルキーウェイ、グラヴィトン・レイ、シューティングスター。三つの星天秘技に加えて、
万が一にも攻撃が襲い掛かった場合に備えたスキルの効果時間の延長に、
其れはまるで、鋭角的な軌道を描きながら反射を続けており。そして其れが
「ッ…………気付いたか、帝晶双蠍!」
サキガケルミゴコロ点火、アサイラム・フェイトによって無数に展開された安全圏へと進むルートに垣間見える、己が死に向かう未来を知覚。思考加速と高速化された情報処理を用いて、
残された陽炎が次々と極太ビームに飲まれて消滅し、代わりとなるが如く陽炎が生まれ、緋色の炎を纏ったペッパーは外縁と渓谷の中間地点を見定め、
だが外縁の削られた地面にビームが直撃し、地面が罅割れて石ころが谷底に転げ落ちていった事で、地面から人間大サイズの雄蜘蛛『アーミレット・ガルガンチュラ』がワラワラと湧き出た。
其のガルガンチュラ種が『フィールドに一定体数以上居る事』をトリガーとしたのか、列車砲顔負けのサイズを持つ『トレイノル・センチピード』が飛び出して、アーミレット・ガルガンチュラ達を押し潰し轢き殺しながら、背中の大砲めいた砲台から毒液を発射。
アーミレット・ガルガンチュラ達を汚染し殺し、其れをゴングとしたのか今度は巨岩に擬態していたガルガンチュラ種の雌個体、要塞蜘蛛と言うべき巨大な身体を誇る『フォルトレス・ガルガンチュラ』が目覚めて。トレイノル・センチピードに向けて背中の穴からアーミレット達を放ち取り付かせ、膨らんだアーミレットは自爆した事で、トレノイルの甲殻には少なくない傷が刻み込まれる。
対するトレイノルは渓谷の壁面を高速で這いながらに肉薄、アーミレットの被弾も許容してフォルトレスの背後へ回り込むや、其の巨体で絡み巻き付き締め上げると、フォルトレスの甲殻から圧力による摩耗によって装甲に亀裂が入り、ギチギチギチギチ!と悲鳴に似た音が零れ。
そして
「マジでバチバチの大戦争じゃねーか!くそ、何処だ!?何処に隠れてるんだエルマ型達は!!?ヒトミさん!」
「
「了、解──────ッッッッッ!!!」
トレノイルの毒液砲撃・アーミレットの連続爆撃・帝晶双蠍のビームの中を、
「あ!きた!きたー!」
「んん!?」
爆音鳴り止まぬ中で一際
「はやく!はーやーくー!」
「今行く!」
穴から見えた人影を目視し、指パッチンで撃鉄を解除。
到達