戦いの果て
ペッパーというプレイヤーは圧倒的な思考深度を持っている。
其れはゲームに置ける敵キャラの情報だったり行動パターン、攻防の様々なモーションに関する物等が挙げられ、其の一挙手一投足からなる動きを見つつも、此迄に獲得した知識やデータを脳内に備えた図書館から引き出し、適時修正を加えて攻略する。
人間は脳内に備えられた記憶容量に予め『限界』を作る事で、頭が情報の濁流による
其れは中学時代に英語で赤点を取り、夏休みの補習で貴重な休みを潰してしまった事が理由にして、睡眠学習の中で『もう二度と同じ過ちを繰り返さない』という、強い決心と共に身に付けてきた彼の『努力の結晶』なのだ。
何度も敗れてきた敵への『リベンジ戦』、事細かに収集した『
「オオオオオ──────リャアアアアアアアア!!!」
何十にも渡るツルハシを用いた攻撃と
されど其の身に滾る闘志は未だに尽きる事を知らず、抱擁タックルからの乱反射ビームを放たんとしている中で、ペッパーはエレメオール・ブレイカーを握り締め、
面と頭部の接触、クリティカルでの直撃。業撃【茨木俱緞】のクリティカルヒット時の効果で、様々なデバフが其の身を襲い。其の中でも気絶・昏倒・脱力・スタンの効果が働き、脚が縺れて転倒した事でビーム攻撃がキャンセルされる。
「此れで…………決めるッッッ!!!」
エレメオール・ブレイカーの面に光が灯る、狙うは帝晶双蠍の胴体のド真ん中。
此のスキルは鎚武器スキルで有りながら、プレイヤーの『戦闘開始時からの
シャンフロエンジンによる重力の物理エンジンからなる恩恵、全身が砕けん程にダメージを負った帝晶双蠍。そして一度の攻撃に付き、火・水・風・土の四属性のダメージ判定を叩き付けるエレメオール・ブレイカーの特性。
此れで仕留める、仕留めきれなければ自分の負けという覚悟を乗せた、乾坤一擲の鎚撃が胴体に直撃し。全身に走った亀裂と罅割れに更なる負荷が掛かり……………破砕。其れは帝晶双蠍の全身が粉々に砕け散り、其の命を完全に叩き潰したという、十全たる事実を四属性の小鎚を通じて彼に伝えた瞬間であった。
「……………帝晶双蠍よ。二色に変わりて限られた世界の中、比類無きビームを凄まじきエイムで放ち貫く、無双の射手よ。次に出逢う時は、リスポーン五回以内で討ち倒してみせるぞ」
恒例となったペッパーの御礼口上の後に帝晶双蠍の身体を構築しているポリゴンが崩壊し、今回のリスポーン時にセットした
「モタモタして居られない…………!さっさとツァーベリル帝宝晶を採掘して帰還しなくっちゃ!」
テリトリー主義者の帝晶双蠍の事だ、恐らく今回の討伐によって此のエリアを根城にしていた蠍が消えた為に、生息範囲にも変化が起きる可能性が非常に高い。戦闘により心臓の鼓動が一定以上のリズムを刻んだ事で条件を満たした
朱炎白光を其の身に纏い、ギルフィード・ブレイカーに切り換えた勇者は一人、残された機動系スキルを全て点火。巨大なツァーベリル帝宝晶の塊へと疲労した四肢と身体に鞭打ち、近隣から鳴り響く地鳴りに嫌な予感を抱きつつ、力の限り小鎚の面を紅蓮に輝ける結晶に叩き込む。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!死なない程度の全力採掘を見せてやるぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!」
周辺から出て来た帝晶双蠍達、甲殻が変色・鋏や針先に光が灯りて放たれる死地圏で、彼は
尚、ペッパーの今回のリザルトは
其の途中、邪魔をしてきた隣の帝晶双蠍の一体にある程度ダメージを与えてた物の、ビームによって右手をブチ抜かれて隻手になり。彼は此れ以上は流石にヤバいと水晶冠から脱出を果たし、何とかゴルドゥニーネ達が隠れる空洞へと帰還に成功したのだった………。
帰るまでが遠足だ
ノワ『ワゥルルル………グルル!!ワンッワンッ!!(意訳:彼から私のマーキングが消えた!黒兎行くわよ!!で、影潜り発動&アイトゥイルを引き摺り込む)』
アイトゥイル「へ?わひゃあ!?(呑気に晩酌してたら影に引き込まれた)」