到来せしは
前回のあらすじ。サンラクがペンシルゴンと各々のパートナーと共に、シグモニア
「ペンシルゴン、何故此処に!?」
「ふっふっふ〜………此のブリュバスってインベントリアの御陰で携帯式の『拠点』になっているのと、プレイヤーのリスポーン地点って基本的に『最後にセーブしたベッドかセーブテント』になる。そしてエムルちゃんやゼッタちゃんのファストトラベルは、『セーブしたベッドが壊れていないなら飛べる』という事に気付いた訳さ。後はサンラク君を問い質して情報を吐き出させ、ブリュバスが在る場所に飛んで来た──────ってね♪」
「まぁ、俺も同じ理由だな。んで、だ……………アレが件のゴルドゥニーネとサイナなるコンテスト・ドールってか?」
「
薄暗い空間の中、ブリュバスから降りたサンラクとペンシルゴンが、互いにパートナーのヴォーパルバニーを頭や脇に抱えて近付いて来るが、エムルとゼッタはゴルドゥニーネ…………ウィンプを見てカタカタと震えている。尤も其のウィンプに至っては『ヘタレ』なので、二人の反応が気になる所では有るが。
「あー…………サンラク、ペンシルゴン。エムルさんにゼッタさん。彼女の名はウィンプさんで、分類は無尽のゴルドゥニーネだが本体とは異なる存在。其れとそちらに居る白い蛇はサミーちゃんさんで、とても強い&此の安全圏を作った張本人ならぬ張本蛇。そして四肢がボロボロになっている征服人形が、エルマ型317号機ことエルマ=サイナさんです」
「ご、ごごご………!?」
「ゴルドゥニーネですわ!?ゴルドゥニーネですわ!?」
「エムル、ゼッタ。もしもの時は、お姉ちゃんが絶対に護るのさ」
彼女達の紹介をすれば、やはりというかエムルとゼッタが叫び、アイトゥイルが鋭い視線で見据えながらに言う。其れを見たウィンプは「ひゃう………」と小声を漏らし、サミーちゃんの影に隠れた。
「なぁ、ペッパーよ。あのウィンプって奴……………もしかしなくても
「うん。サイナさんのスタンガン?的な物で簡単に制圧されたらしい」
「えぇ………………」
仮にもお前ユニークモンスターだろ、何でスタンガン程度で行動不能にされてるの?とでも言いたげな視線を送りつつ、サンラクはサイナの方を向いて言った。
「あー、えっと何だっけ?あぁ、そうだ………………『
ねぇ、何で?どうして??何で其処で喧嘩の火蓋を切る発言をしたんですかサンラクさんや???
「
「うわ学業的な奴でマウント取ってくるタイプだわ、腹立つぅ…………。おぅ、其処のヘタレニーネ。友達は選んだ方が身の為だぞ?」
「わたしとサミーちゃんは、そいつとともだちじゃないわよ!てかヘタレニーネってなによ!?ウィンプよ!というかそもそも、こいつにさらわれたからわたしとサミーちゃんはこんなめにあってるし!!いきなりそらにむかってぶつぶついっててきしょくわるいし、めをあけたままねてるし!!」
「
「そうだな、気色が悪いは間違いだろう。インテリジェンスに拘ってて、実は頭悪いなんて事は『ごまん』と有るしな」
何でそうナチュラルに喧嘩を吹っ掛けて行くんだ、同族嫌悪が常に身体に張り付いてるのか?──────そうペッパーが頭を擡げて思っていれば、ペンシルゴンはやれーやれーとケラケラ笑い。
エムルやゼッタがあわわわ………と狼狽し、ヒトミは呆れた様子でハァと溜息。サイナは喧嘩を買う腹積もりで、サンラクに自己紹介をしてきた。
「………………
「あ?達磨モドキが、やんのかコラ。サンラクだ、よろしく…………嗚呼、其の手じゃ握手出来ないんだったな?」
最早喧嘩まで秒読み所か、数瞬でクロスカウンターしそうな状況でペッパーが動き。双方の間に割って入りながら両腕を上げつつ、サンラクとサイナの眼前に
「喧嘩良くない、二人共仲良く。………………な?」
ゾワリとサンラクにペンシルゴンの身の毛が逆立ち、サイナ含めたNPCもペッパーを見た。こんな所で喧嘩を始めたとして、メリットは皆無のデメリット満載の爆薬庫の中に等しいので、此の場で成果を見せる事により、双方の矛先を己一人に向き直させる。
時に『結果』は啀み合う者達の喧騒を止め、終止符を打つ程の力が在るのを知っているペッパーは、二人の間を中心点として此の場の全員の目に見える位置を意識。インベントリアから討伐やツァーベリル帝宝晶の採掘途中で削り取った、帝晶双蠍の煌めく素材達にツァーベリル帝宝晶達を取り出し、山を作って結果を知ら示す。
「此処シグモニア前線渓谷では、トレノイル種という巨大列車砲百足とガルガンチュラ種という巨大要塞蜘蛛が戦争をしており、双方共に此のツァーベリル帝宝晶が放つ莫大な魔力をエネルギー源にしている。トレノイルとガルガンチュラはエネルギー源が在る場所を攻撃しないという、所謂『種族間での約束事をしている』感じなのでツァーベリル帝宝晶と、其れと同じ材質を持つ帝晶双蠍の素材を持っていれば、少なくとも安全に脱出出来る筈だ」
故にと、ペッパーはサンラク・ペンシルゴンにパーティー申請を飛ばし、此の戦場を越える為の手を打つ。
「ウィンプさん、サイナさん、サミーちゃんさん。俺達のパーティーに加わって欲しい。一人じゃ駄目でも俺達が力を合わせれば、シグモニアの環境を越えていける。俺達は君達が裏切らない限り、俺達も君達を絶対に裏切らないと約束する」
ペッパーの其の目は覚悟から成る物で、此の男ならばやり遂げてしまうと信じさせる様な物でもあり。数瞬置いて三人の前にはパーティー申請画面が開かれ、其の内容に三人は衝撃を受けた。
『八番目のゴルドゥニーネをパーティに加入しますか?【Yes】or【No】』
『エルマ=317をパーティに加入しますか?【Yes】or【No】 』
「………八番、目?」
「えっどゆこと?」
「いやちょっと待てや!?」
ペッパー・ペンシルゴン・サンラクは叫び顔を見合わせ、そして小声で話し合いを始める。
(いやちょっと待って、此れどーゆー事…………?!)
(ベヒーモスで象牙さんが言ってた『無尽のゴルドゥニーネの増殖性質』か?)
(だとしたらコイツ以外に九体…………下手したら『百』は下らなくねぇか?)
全員の視線がサミーちゃんに守られたウィンプの方に向く。事実三人はラビッツ防衛戦にて無尽のゴルドゥニーネの本体と接触、ユニークモンスターとのエンカウント画面を目撃している。
仮に無尽のゴルドゥニーネの本体含めて百居たならば、既に新大陸の生態系は滅茶苦茶になっている筈。しかしながらゴルドゥニーネの本体は『私を脅かす
取り敢えず申請を受諾しなくては話にならないと、エムルやゼッタにアイトゥイルが見守る中で三人は、ウィンプとサイナのパーティー入りを許可し。其れがトリガーとなり、新たな画面が表示されたのである………………。
『NPC『八番目のゴルドゥニーネ』がパーティに加入しました』
『ユニークシナリオEXの条件を達成しました』
『ユニークシナリオEX【果て亡き我が闘争】を開始しますか?【Yes】or【No】』
そして三人は思った。
此れヤバくない?──────と。
ユニークシナリオ発生