VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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ブリーフィングタイム




一人(ソロ)で駄目なら複数(マルチ)で、其れが巨獣狩りの基礎基本故に

「先ず大前提として、此処シグモニア前線渓谷(フロントライン)ではトレイノルとガルガンチュラが生存戦争をして、騒音にブチ切れた帝晶双蠍(アレクサンド·スコーピオン)が上からビームを放って来る地獄絵図の世界だ」

 

サンラクがサイナとの契約を終え、ドールステータスやらを確認。及びインベントリア内から規格外特殊強化装甲【昇滝(ショウロウ)】が顕現、彼女に装着された事で今まで以上に動く事が出来る様になったタイミングで、モンスターハントの為の作戦会議を開始する。

 

「全員ブチのめす………というのは、其れこそユニークモンスターでも厳しいだろう。何せ巨大要塞レベルの物量と、巨大列車の質量が御世辞にも広くない場所で激突、そして上からは高エイムの狙撃が飛んで来る訳だ。ならばどうするか、サンラクとペンシルゴンの意見を聞きたい」

「まぁ順当に行きゃあ第四の勢力として介入(・・)するよりか、トレイノルとガルガンチュラ。どっちかの勢力に味方(・・)して消耗させるのが、一番手っ取り早いだろうな。フォルトレスはノロマな印象だ、なら『トレイノル』に味方してみるか」

「トレイノルとは戦ってみたけど、アレはマジで『速い』ね。図体がデカい癖して結構機敏。地面に落ちてたアーミレットも轢き潰されてた事を鑑みて、狙うなら『フォルトレスの方』が良いかも」

「だな。俺もフォルトレスを狙いつつ、トレイノルを『勝たせる』方向で動くつもりだ。無論トレイノルの討伐も出来れば狙いたいから、上手く立ち回る事は変わりないが」

 

機動力と俊敏性で戦うトレイノルか、物量と範囲爆撃を行うフォルトレスか。サンラク・ペンシルゴンの意見もどうやら一致した様で、今回はトレイノル・センチピード・ドーラに味方しつつ、フォルトレス・ガルガンチュラ・エンプレスを討伐。其の過程でドーラにも程良くダメージを加えて、可能ならば討伐を狙いに行く…………という方向性で話が纏まった。

 

「ゼッタちゃんはこう見えて『付与術師(エンチャンター)』の職業に就いててね。武器に細かな属性を精密に組み込める偉い子なんだ〜」

「成程。ならゼッタには俺達の武器に強化魔法を付与、ヒトミはノワにアイトゥイルの、サイナはエムルと共に俺とペッパーの援護だな」

「ペンシルゴンはウィンプさんのレベリングの為、アーミレットの撃破を手伝ってあげて欲しい。エンプレスとドーラの戦いは範囲爆撃と範囲攻撃である以上、主なダメージソースはドーラに任せて、俺とサンラクでフォルトレスに直接乗り込みダメージを加速させる。要塞崩しは『内部』から崩すのが定石だからな」

 

作戦は大前提として絶対に無茶はしない事と、ヤバいと感じたなら即時空洞へ避難。其の時にはサミーちゃんさんの持つ『ステルス性能』が一番の頼りだ。何せスキルで強化した視覚にすら引っ掛からず、気配探知や匂いを感知しなくては見付からなかった彼(もしくは彼女か)の力は、此の戦場で最も役に立つ。

 

「よし、始めよう。作戦名『オペレーション・フォートレスダウン』──────!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレイノル・センチピード・ドーラ、フォルトレス・ガルガンチュラ・エンプレス。其々が異なる種で有りながら、其々の種の女王たる個体の彼女等は、先ず何よりも『巨大』である事が挙げられる。

 

トレイノル・センチピード・グスタフが巨大な列車砲で在るならば、ドーラは其の五倍近い体格を誇る超弩級列車大砲に等しく。フォルトレス・ガルガンチュラが要塞で在るならば、エンプレスはフォルトレスのおよそ五倍強とすれば脅威と言っても過言では無い。

 

そして巨大という事は当然ながら其の攻撃範囲も馬鹿にならず巨大であり、ドーラがグスタフの『五倍強の範囲』を穿つ毒液を発射するなら、エンプレスはフォルトレスの十倍………下手すれば『五十倍』のアーミレットを放出する。

 

ツァーベリル帝宝晶や帝晶双蠍の素材を皆に分配して持たせた事で、頭たる百足と蜘蛛からの『反撃』は来ない代わりに、此の範囲爆撃と流れ弾が飛び交う空間を立ち回らなくてはならないという、控えめに言って生きて帰れる保証は何処にも無いのでは?と、そう思う者も居るだろう。

 

だからこそ、其の発想を逆転させる。『生きて帰れないなら、逆に自分達が生き残れる環境を作れば良いんじゃないか?』──────と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地響きが鳴る、爆撃が轟く、閃光が差し込み、控え目に言っても世紀末と地獄絵図の融合光景を、凄まじい速度でトレイノル・センチピード・ドーラが毒液砲撃と共に駆け抜ける。

 

フォルトレス・ガルガンチュラ・エンプレスの放った命令に、脚を伝って地面から『砲塔』に入らんとするアーミレット達だが、其れを彼は良しとしない。

 

「『自爆しろ、アーミレット』!」

 

女王に対する反逆、理を反転(・・)させられて範囲内に居たアーミレット達が自爆し、エンプレスの脚関節に決して少なくないダメージが加わる。

 

「よし、良いぞペッパー!其のまま小蜘蛛共に爆殺命令を出してけ!此方は砲塔を潰す!エムル、サイナ!」

「頼んだ!」

「はいな、【マジックエッジ】!!」

「剣撃行動開始、契約者(マスター)に合わせます」

 

八つの蛸足にして触手を靡かせ、片手に剣を片手に円盾を握り締め、ペッパーはミルキーウェイとグラヴィトン・レイを駆使し、エンプレスに這い寄るアーミレット達を言霊の力を以て倒していく。其れを可能にした手札こそ、ペッパーが所有する七つの最強種(ユニークモンスター)に由来或いは模倣したという、此の世界(ゲーム)でも唯一無二とも謂うべき能力を誇る、神代の大いなる遺産達。

 

其の一つにして、ユニークモンスター・深淵のクターニッドの能力を、人の身で『行使』するという権能(チカラ)を持つ鎧『深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)』が持つ能力の一つ『状況改変(じょうきょうかいへん)』が作用し、本来ならばフォルトレス・ガルガンチュラ・エンプレスの放つフェロモンで操られる筈が、ペッパーによって命令系統を改変された事で暴発。

 

そして当然ながら、ほんの僅かな隙が生まれたならば──────!

 

「帝晶双蠍と巨大百足は攻め立てるってな!急いで退避ー!!!」

「御人形の人!」

「当機の名称はサイナが適性です、個体名エムル。離脱機動開始、確り掴まっていてください」

「ぽぴゃあああああ!!!」

「よっしゃ逃げろォ!!!」

 

空中疾走中にペッパーが、夜空に飛び出したサンラクを触手に変換したサッシュで捕まえた直後、トレイノル・センチピード・ドーラの超巨大毒液砲弾と、帝晶双蠍のレーザーの雨がフォルトレス・ガルガンチュラ・ドーラの巨体に直撃。

 

巨大な腹部が地面に倒れ、絶好の好機(チャンス)とばかりに巻き付かんと、戦場の壁沿いと谷底を走るドーラ目掛けてビームが飛び、其の行動は織り込み済みだと言わんばかりに攻城槍を何十倍にした太さの爪先が、ドーラの甲殻を穿って蛇腹な胴体へ風穴を穿つ。

 

「ナイショッ!流石マブダチと百足だせぇ!!エムル、サイナ!最後まで油断すんな、あと命を大事にやるぞ!!」

「引き続きアーミレット誤爆と、程良くトレイノル消耗させよう!」

「はいなァ!」

「了解」

 

長期戦は元より覚悟の上だ、夜明け前には決着を付けに行く!!!

 

「一つ一つ、一手一手!確実に詰めていこう!!」

 

 

 






倒せ、フォルトレス・ガルガンチュラ



おまけ


「ハッハッハー!よぉし、アーミレット共を串刺しにしてブッ殺しまくっちゃうぞー!!」
「に、にんげんこわい…………」
「ペンシルゴンしゃん、こわいでしゅ…………」
「彼女の平常運転だ」
「何時もの事さね」
『グルルン』


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