VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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歩き続けて




アットホーム・アセンション 〜カムバック、梓の家 其の壱〜

新幹線を利用して浜松駅まで進み、其処から別路線を使って目的地たる『磐田駅』に到着した梓と永遠は、水分補給とトイレ休憩を済ませた後、バスを使って北上して行く。

 

バスには自分達以外にも他の利用者が乗り降りをするが、其の殆どは梓と一緒に居る永遠を見ても、まさか彼女が本人だとは気付かず、端から見れば『仲の良い男女がデートをしている』様であり。

 

其れでも極一部の十代で有ろう少女達は、座っている此方を見ながら『もしかして永遠様だったり?』と勘付いた発言やら、或いは『隣に座ってる男の人って一体………?』と鋭利な視線で見つめたりと、プレッシャーが肌身にピリピリと襲い掛かって来る。

 

(バレたら色々ヤバそうだなぁ………。どうリカバリーしていくべきかも、ちゃんと考えなきゃか…………)

 

先々の事を踏まえて思考を続ければ、無意識の反応からか彼の両耳がピクピクと動き。永遠は真剣な表情で思考している梓を近くで見ながら、朗らかな笑みを浮かべたのであった…………。

 

そして午後二時四十分。実家に程近いバス停にて下車からの、二人は徒歩にて移動を開始し、閑静な住宅街を歩いて行く。

 

だが最も暑い時間帯を過ぎれども、日中の夏晴れと陽射しに熱されたコンクリートの道路から昇る熱は、涼し目の服装で有ったとしても避けられず。冷房が効いていたバスから外に出た際の温度差に精神的なダメージを負い、其処からの熱によってジワジワと二人の体力と水分を削っている。

 

「永遠、大丈夫か?」

「折り畳みの日傘差してても、やっぱり暑いね………。あーくんの家ってそろそろかな?」

「次の十字路を左に曲がってから、T字路を二つ真っ直ぐ進んだ先を右に曲がって、其処から道なりに進むと着くよ。もう少し頑張って」

「りょーかーい♪」

 

未だに暑い道の中、二人は足を止めずに前へと進み。十字路を左へ、T字路を二つ分真っ直ぐに進んで右に曲がり、其のまま前へと進み続けて行けば『赤い屋根と白い三階建の住宅』が見え。駐車場には一台のワゴン車が停車、家を示す表札には『五条家』と有った。

 

「お、アレだ。久し振りに帰って来たな、実家に」

「ほぉ〜……。コレがあーくんが引っ越した先の、今現在の実家かぁ〜」

 

周りは二階建てで建ち並ぶ中、三階建て住居として建つ梓の実家。果たして彼の部屋はどんな感じなのだろうかと期待していれば、ガチャリと扉が開かれて中から一人の少女が出て来た。

 

永遠の目に映る彼女は、最近発売された自分が表紙を飾るティーンエイジャー向けのファッション雑誌に掲載された、夏服コーデを一部アレンジした服装をしており。

 

「あ、梓やん。随分と久し振り……や、な………!?」

「あ、久し振り『(あんず)姉さん』…………どうした?」

 

そんな中で彼女は梓が呼んだ杏なる女性が、驚愕と唖然から小刻みに震えているのを目撃し。

 

「梓が女と朝帰りしてきたぁあああああああああああああああああああああああ!?!?」

「うぉい、ちょっと待てぇ!?!?!」

 

御近所に誤解を招く叫びを上げながら、バタム!と家にバックホームからの、玄関の扉を思いっきり閉めた()に叫んだ梓を見て、「面白い御姉さんだねぇ〜」とでも言おうかと悪戯気な笑みを浮かべた永遠。

 

そんな中で梓は永遠の手を引いて玄関へと走り、扉を開いて中に入れば少年が二人の少女が二人、姉の一人たる杏が出迎えて来る。

 

「えーと……………コホン。皆、紹介するよ。此方、俺の彼女の『天音 永遠』です」

 

愚直な程に真っ直ぐな、事実から成る真実を告げるも、やはりというか当たり前というか、『うっそだぁ〜?』な表情をしている少年二人と女子二人。其の二人の少女に関しては永遠本人(・・)だと気付いたのか、ガタガタと震え始めて。

 

「紹介に預かりました、あーくん………五条 梓君の彼女の天音 永遠です。梓君の家族の皆さん、よろしくね」

 

サングラスを取ったニッコリ笑顔で微笑んだ其の瞬間、梓が『とんでもない事』をやって実家に戻って来たのだと、そう確信せざるを得なくなったのである…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『永遠様、サイン下さい!!!』』

「良いよー」

『『ぽぴゃぁああああああああああああ!!!』』

「ねーねー、梓兄さん。マジでカリスマモデルと付き合ってるの?ドッキリ番組じゃないよね?」

「ドッキリじゃないし、此れは現実だよ」

「梓〜。父さんと母さんに、兄さん姉さんにも連絡入れていたわ。いやはやまさか家の弟に彼女が、其れもずっと昔の遊び相手だった人がねー」

「何やってんの(あんず)姉さん!?」

「お、杏ちゃーん♪此の間の()()の時振りだねぇ」

「あー…………。え〜、どーも永遠さん。さっきは女って言ってすいません」

『『えっどういう事なの杏姉(さん)!?!?』』

 

何だ此のカオス…………其れが五条家の四男・五条(ごじょう) (ひかる)が抱く、率直な感想であった。梓兄さんが大学進学に伴って実家から都心の荒波に揉まれに行ったら、日本が世界に誇るカリスマモデルと付き合っていた所か共に実家へ御挨拶しに来た事で、三番目の姉と妹は狂喜乱舞・三番目の兄は質問し。

 

二番目の姉は其のカリスマモデルと知り合いというカミングアウトをした事で、よりカオスな坩堝が展開されている。何ならカリスマモデルじゃなくて『日本最高峰のプロゲーマー』を…………自身が憧れ、何時かは格ゲーで対戦したいと密かに願う『魚臣(うおみ) (けい)』こと『K』でも連れて来て欲しかったと、そう思っていた。

 

「なぁ、杏姉さん。親父と御袋って今何処に行ってるか解るか?」

「父さん母さん?二人なら『病院』行ってるけど?」

「……………OK、状況は大体把握したわ」

「察しちゃうかぁ…………」

「だって、なぁ………?」

「ですよねー………」

 

梓と杏は双子の姉弟であり、何よりも自分達の両親が未だに『盛っている』事を知っているのだ。病院に行った時点で十中八九、ほぼ確実に『御懐妊報告』をするんだろうなと確信している。

 

五条家の騒がしい今日は、ある意味でも御祭騒ぎな形相を呈し、加速し始めたのだから……………。

 

 

 






家族達が大騒ぎ



おまけ

梓「頼むから永遠が家に来たって、ネットには拡散するなよ?」
鈴&雪「「はーい」」

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