VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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一夜を終えて




約束と予定を人肌同士で重ねて

「あーくん…………あーくん」

「ん…………ふぁあ…………」

「やぁやぁ、あーくん。おはよう、といっても現在朝の七時半なんだよね」

「おはよう、永遠。四時間くらいしか寝てないのに、寝た気がするのは『限定的ショートスリーパー』なアレかなぁ………」

 

夏の陽射しが射し込み、朝方ながらジンワリと暑い。瞼を開ければ恋人が産まれた姿で、同じく一糸纏わぬ姿の自分と身体を重ね、一つのベッドで寝ているのだ。

 

「あ、あーくんの元気になってるね………♪」

「そりゃどうも…………」

 

「他の女に興奮しない様に、永遠様が良い子良い子しなくちゃね〜〜〜」と、彼女が口に咥えて舐め回し。軈て湧き上がってきた其れを受け止め、一滴さえ零す事無く己の喉に吸い込み、ゴクリ………と静かに飲み込んだ。

 

「ごちそうさまぁ〜、朝から随分と元気だねぇ?」

「…………すいません」

「謝らない。私が好きでやってるんだからさ」

 

そう言った後に脱ぎ捨てた下着やパジャマを着直し、戦いで出た使用済みの大量のゴムやら、飲み干して空になった精力剤を纏めてくれた。梓も下着と服を着替え直し、ベッドシートの取り替えや昨日の時点で中断していたゲームのセーブし、電源を切った後にソフトをパッケージに収納。ゲーム達が有る本棚に区分けした『攻略中』の場所に差し入れ、纏めたゴミや瓶等の残りの後片付けに追われる。

 

大学こそ夏季休暇で無いが、今日を終えたら明日からはまたバイト、興味が有るレトロゲームやアーケードゲームを買ったりプレイする為にも頑張らねば…………そんな梓を見ていた永遠は、彼的に考えて絶対に『面倒な事』にしかならない様な、飛びっきりの提案をしてきたのだ。

 

「そうそう、あーくん。今夜私達は帰る訳だけど、午前中にショッピングモールで『デート』しない?」

「……………………マジで言ってる?」

「マジ。其れから私、三日後は『一日休み』で住んでるマンションに居るつもりでね。もしもだけど、あーくんが其の日が休みならさ………遊びに来ない?」

 

「ちょっとやりたい事が有ってね?」と付け加えた永遠に、梓は自身の記憶の中に在るコンビニバイトのシフトを思い返し、精査してみれば明後日と明々後日は特に予定も入れていない『一日』なので、確認も含めて彼女に問い掛ける。

 

「解った。明後日の夕方に永遠のマンションに向かうよ。着替えとかゴムやらも持ってった方が良い?」

「そうなんだ………!うふふ………、嬉しいなぁ〜………♥️」

 

正面に立って抱き付くや、長く深い口付けを交わしてきた永遠に、梓もまた応じる形で唇を重ね合う。二人の目覚めから朝食へ向かうまで、此のイチャイチャが続いていた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴミを処理して下へと降りて、二人でシャワーを浴びた後に髪を乾かし。リビングに向かった梓と永遠は「「「ゆうべはおたのしみでしたねぇ〜」」」と、ホクホク笑顔で朝食の準備をしている父親の全逸(ぜんいつ)に、母親の比奈(ひな)と次女の(あんず)からそう言われた。天音家でも同じ事を言われたので、ある意味『デジャヴ』でも有る。

 

「あ、そうだ。親父、御袋。永遠の両親からよろしくって伝えてくれって、言伝を受けてたわ。後、永遠とデートして戻って来たら帰るよ」

「光さんと明日香さんか。解った」

「後で電話入れるわ〜。二人も喜んでるでしょうね〜♪」

 

そうして用意された朝食は、白米玄米麦米の三穀米で炊いた朝一番おにぎり、葱と油揚げとワカメの味噌汁、胡瓜人参辣韮の糠漬け、旬鰹の刺身 〜薬味達を添えて〜 という、食べれば活力が湧き上がる献立となっている。

 

「……………で、気になったんだけど他の皆は?」

「私達以外は『まだ寝てるわ』。フフフ………♪梓と永遠ちゃんの交わりは、あの子達にはちょっと刺激が強過ぎたかしらねぇ〜?」

祐貴(ゆうき)兄と晴香(はるか)姉は久し振りの休日だからって、もうちょっと寝てるみたい。(すず)(ゆき)は何か『悪夢に魘されてる』感じで、(れん)(ひかる)は『熱を出してる』みたいだよ〜」

 

どうやら自分と永遠の行為は、兄弟姉妹に対して思った以上に刺激が強過ぎたらしく、調子を崩してしまった様だ。まぁ確かに『やり過ぎた』とは思っているし、節度を守るべきだったと反省もしている。

 

と、梓と永遠の二人を見ていた全逸は財布を取り出すや、其処から『五枚の諭吉』を取り出して立ち上がり、梓の前に立って言う。

 

「梓、デートなら此れを持って行くと良い。父さんからの『御祝儀』だと思って、此れで永遠ちゃんと御昼に『うな重』でも食べていきな」

「……………ありがとう、親父。大事に使わせて貰うよ」

「杏ちゃん、朝御飯を食べ終わったら他の皆を起こして来て」

「解ったよーん」

 

そんなこんなで梓は全逸から五万円を受け取り、現時点で居る皆で食卓を囲んで「いただきます」と朝食を食べ始め。其れから五分後に晴香が起きて降りて来て、食卓に加わって。

 

当然というか御決まりというか、梓は晴香から「イチャつくのは良いけど節度は守って。後此れ良い歳して其処でイチャついてる二人にも当て嵌まってるから」と、ジト目で注意を食らう事になった。

 

そして朝食を一足先に食べ終えた杏は他の寝坊助達を起こしに行って、梓と永遠は互いに食べ終わるタイミングを合わせ、同時に「御馳走様でした」と合掌。食器をシンクの中に入れて梓が其れを洗っている間に、永遠は歯磨きと顔周りのチェックにトイレを済ませ。

 

梓も食器を片し終えて洗顔と歯磨きをしている最中に、鈴と雪の二人が着替えを済ませてドタバタと降りて来るや、此方をギョロリとした鋭い視線で刺しつつ、パクパクと朝食を食べるのを目撃。

 

おそらく杏は二人に『梓お兄ちゃんが永遠様とデートに出かけちゃうよー?寝坊助で良いのかなぁ?』とでも言って、二人を叩き起こしたんだろうなと想いながらも、永遠に「鈴と雪が来るまで待ってやって欲しい」と御願いしたのだった。

 

そして鈴と雪の二人が、諸々の準備を整え終わる事を待って約二十分。五条 梓と天音 永遠は、五条 鈴と五条 雪を連れてショッピングモールでのデートをしに、五条家を出立したのである……………。

 

 

 






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