VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

679 / 1073


十階層の状況




狂乱、狂喜、御祭騒ぎ

「あ、ペッpアッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」

「ミ"ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」

「フキょポロ!?」

「アッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」

『きゃああああああああああああああああああああああ!!!?』

「ぺ、ペ、ペ………──────!!!」

「「「ペパ子ちゃんだぁああああああああ!!!!」」」

『『『フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』』』

『『『ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』』』

 

もう既に帰りたい…………其れがベヒーモス・第十階層を再び訪れたペッパーが、此の瞬間に心の内にて抱いた感想であった。

 

ラビッツからファステイアの裏路地を経由し、ベヒーモスの第十階層にパスを用いてトラベルした彼女()が見たのは、自身がシャンフロの掲示板に投下した事でレベルキャップの解放、或いはガンスミスライセンスを取得するべく、ベヒーモスを踏破して此の場所にやって来たプレイヤー達であり。

 

レベルキャップ解放装置には長蛇の列が出来上がり、今か今かと順番を待つ者や、ベヒーモス統括AIの象牙(ゾウゲ)の案内で、ガンスミスライセンスを所得するべく第六階層へ向かう者。第六階層で念願叶って手にした戦術機を直す者等で、とんでもなく賑わっていた。

 

そして其処に、情報を提供したペッパーが『女の姿』で来訪し、シャンフロ内では見た事も無い『くノ一装束を纏った状態』で現れた為に、ペッパー(女の姿)によって性癖を破壊された者達は、大なり小なり漏れ無く脳波に異常が発生。

 

特にヤバい異常を起こした者は、シャンフロシステム側からの強制ログアウトによって此の場から次々と消えていき、あと少しでレベルキャップを解放出来そうだった者達も、性癖が破壊済だったのか同じ末路を辿り、順番を詰める様に他のプレイヤーが前へと進んでいるのが見えた。

 

「やぁやぁ、()()あーちゃん。相変わらず女性状態はエグい破壊力だねぇ。流石は『性の最大火力(セクシャル·アタックホルダー)』って所かな?」

「あ、ペンシルゴン………何故に『男』の姿に?というより性の最大火力って何なの?」

「おや、知らない感じ?今のあーちゃんの姿に対する『異名』だよ。因みに『ペパ子ちゃん』も異名の中に当て嵌まるから」

「えぇ…………」

 

またしても不名誉な異名を賜った事にペッパーは頭を抱え、青い聖杯の力で男性姿と成り、男性用の衣装と伊達眼鏡で御洒落をしたペンシルゴンは、ニッコリ笑顔で答える。

 

横目で見ればクラン:旅狼のメンバー全員や、ウェポニアのリーダーのSOHO-ZONEとサブリーダーのアヴァランチ含むメンバーに、SF-Zooの園長・Animaliaと仲間達、聖女ちゃん親衛隊こと聖盾輝士団と、黒剣(シュバルツシルト)のムラクモやマッシブダイナマイトを始めとした団員達。

 

他にもライブラリのリーダー・キョージュとサブリーダーのセート含めた面々に加えて、シャンフロ内唯一の宝石匠(ジュエラー)のラピスと三人の弟子プレイヤー等々、ペパ子ちゃんの性癖破壊の一撃を前に持ち堪えた者達の姿が見え、事態が収まるタイミングで話し掛ける算段を付けている様にも見える。

 

「どうやら君は目を離していると、知らない装備を纏って御洒落をしているらしいな…………。全く、油断も隙も無い」

「あ、えっと…………え?」

 

声がした方を向けば、『クッソイケメンな赤短髪の男性』が立っていた。装甲が付いたロングコートには『剣のエンブレム』、頭上を見れば『サイガ-100』と掲げられており、ペッパーは思わず二度見してしまう。

 

「やっほ〜、()()ちゃん。聖杯で随分なイケメンになったじゃない?」

「…………()()()の名前で呼ぶなよ、ペンシルゴン。……………まぁ、クターニッドを倒した報酬で手に入れた品の御陰でな。ベヒーモスでのアバター自体のリビルド以外で、性別を切り替えられる様になった辺り、やはりユニークモンスターを撃破した時の恩恵は、本当に凄まじい限りだよ」

 

どうやらサイガ-100はクターニッドの聖杯から、性別反転の力を宿した青の聖杯を手に入れた様で、アバターや立ち振舞からしても『大当たり』であるらしい。

 

「さて……………『ペッパー』、どうだろうか?似合っているか?」

「『ペンシルゴン』も。『サイガ-100』も。どっちもカッコいいです」

「嬉しい事言ってくれるねぇ、あーちゃん♪」

「そ、そうか………其れなら、嬉しい限りだよ」

 

勝ち誇る様にドヤ顔をしたペンシルゴンに、男の状態ながら『雌の気配』を纏ったサイガ-100に、周りに居たプレイヤー達の脳内に莫大な電流が迸って、ビッグバンじみた大爆発が起こり。ある者は呆然、ある者は驚愕、またある者はニヤニヤニマニマとし、さらにある者は温かい視線を送り、他にもリア充爆ぜろやら様々な感情の嵐に発展。

 

其れに呼応するかの様にペッパーの足元の影から、リュカオーンの分け身たるノワが現れて、ペンシルゴンとサイガ-100に『ガルルルルルルッッッッッッ!』と威嚇をしたので、ペッパーはノワを抱き上げて二人に負けない程の愛情と共に、思いっきり頭を撫で撫でした所、大層御満悦な様子で『クゥン♪』と鳴いたのである。

 

「やぁ、ペッパー君。ベヒーモスでガンスミスライセンスが所得出来る事や、レベルキャップ解放。スキルの育成のコツに関しての情報を流した、というのは本当かね?」

 

続いて話し掛けて来たのは、ライブラリのリーダー・キョージュで。其の目は真剣な気配を纏っており、此れは何かしらの説教をされる事を覚悟した彼は、其の問いに答える。

 

「えぇ。ジークヴルムさんとの戦いを含めても、クランメンバーと話し合った結果、開示した方が良いと結論に至ったので。…………駄目でしたか?」

「いいや。私やライブラリからすれば、君達が開示された情報に対して、ちゃんとした『報酬』を支払いたいくらいだよ。尤も明後日7/31は完成した新大陸行きの三隻の船が、フィフティシアの港より出港する」

 

故に。と、キョージュはペッパーに『本題』を話す。

 

「明日の午後九時からフィフティシアの聖盾輝士団の拠点………即ち『慈愛の聖女 イリステラが居る教会で色々と話を聞きたい』のだが………時間を貰えるかな?無論、此の件に関しては輝士団の団長並びに他の連盟クラン、及びサブリーダーにも話は通してある」

 

聖盾輝士団の活動拠点たる教会を話し合いの会場にしつつ、慈愛の聖女 イリステラを立てることによって、旅狼(ヴォルフガング)が開示した情報の秘匿性を高める事が狙いなのだろう。

 

「解りました。其の御話、受けましょう。ペンシルゴン、良いか?」

「OK、おねーさんに任せなさぁい♪」

「うむ、感謝するよ」

 

七極天星(グランシャリオ)のリーダー格の面々相手に、出来得る限りの情報を引き出させる腹積もりだろうが、此方も黙ってイニシアティブを持って行かれるつもりは毛頭無いとばかりに、ペンシルゴンはキョージュへ視線を送っている。

 

ペッパーは一先ず明日の事を考えつつも、キョージュとの話し合いを終えて。遠くで様子を見ていたラピスを手招き、動物狂いのAnimaliaとSF-Zooに聞こえぬ様に耳打ちで、以前キャッツェリアでダルニャータから言われたアムルシディアン・ストリングの事を伝え。

 

其の後はサンラク達に自分が来るまでに起きていた事を聞き、ルストからは「ベヒーモスで手にした戦術機と強化装甲やオプションパーツに武装を、五人で共有しているインベントリアに詰め込ませて」と頼まれて、オプションパーツやら含めて第六階層に有った物品達を其々『ダース単位』で収納した事を聞き。

 

SOHO-ZONEからはアトランティクス・レプノルカのレンズ状の頭蓋骨………冥王鯱の照鏡骨を渡され、彼に「コレを使って、以前ペッパー君が見せた冥王の鏡盾(ディス・パテル)を製作して欲しい!報酬は幾らでも払う!」と、ギンギラギンの情熱と血走った目で言われたらしく、取り敢えず受けたのと完成まで時間を貰うと伝えたのだとか。

 

ペッパーは旅狼のメンバー全員を集めつつ、ビィラックの手によって修繕が為された狙撃銃・大砲・機関銃・アサルトライフル達を振り分けを行い、各々望んだ銃の遺機装(レガシーウェポン)を手にして残った分をSOHO-ZONEを通じ、ヤシロバードに渡す事を頼みつつ、ルストに光帝の籠手(サナラ・ブリル)の感想を聞いて。

 

彼女から「ビームを放てるから素晴らしい。コレを使わせて欲しい」と言われたので、ペッパーはクランの戦力面を考えて「耐久限界になったらクランチャットに連絡して」と言い、所有権がペッパーからルストへと移り。

 

秋津茜には「ビィラックさんから秋津茜へ、貴女を見ていたら天啓を貰ったので作ったから使ってくれと、預かっていた品です」と耳打ちしつつ、黒之十束(クロノトツカ):百刻式(ヒャクコクシキ)刻毒銃(ウォーポイド):強暴過乱(イシュアナ)を一丁渡して。

 

最後にSOHO-ZONEからは…………「シャンフロに銃を。そして神代製の銃を作る為の方法を解き明かしてくれて、本当にありがとう。此の御礼はシャンフロの武器防具クランの威信に掛けて、必ず御返しする事を約束する」…………と、武器防具に関しては本当に真摯な姿勢を貫くが如く、礼を述べたのであった。

 

 

 

 






任務完了


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。