ペッパーが喋った事
「さぁてさて、
「明らかに皆さんの圧が凄いんだけど………?」
新大陸の地図を取り出し見せつつ、勇者関係シナリオについての話をしたら、参加者全員が硬直していた。ある者は驚愕、ある者は疲労感に、またある者は頭を擡げて、全員の視線が話し手のペッパーに注がれている。
そんな中、一番始めに口を開いたのは考察クラン・ライブラリのリーダーたるキョージュだった。
「………………ペッパー君。前々からずっと思っていたのだが…………君は私達の知らない情報でラッシュを叩き付け、ノックアウトするのが趣味なのかね?」
「いや、何ですか其れ…………」
サンラクからも同じ事を言われたのを思い出していれば、周りのメンバーも無言で頷いている。
「此の際だから言っておくよ、ペッパー君。我々とて此のシャングリラ・フロンティアという
「えぇ…………」
ペッパーの予想以上に事が大きくなっているらしく、ペンシルゴンが「報酬支払いに関しては
「ペッパー。勇者関係クエスト【勇ましの試練】の次段階テキストに在る『黄金の手が守りし地殻の扉を開け』と有るが、黄金の手と言うのが黄金のマグマか?」
「おそらく。
「…………さらっと私達が知らない不世出の存在を倒してるじゃん、
「通常種の金晶独蠍もずっと強い上に、水晶群蠍達を従えてる個体で、サイガ-100さんを始めとした『職業:剣聖持ちのプレイヤーのモーションを色濃く反映された』、とんでもない強敵だったよ。本当に倒すの大変だったからな」
「団長のモーションが反映されてるってマジ?」
「マジです、草餅さん」
「ペッパー君、其の黄金のマグマとやらの特徴は解るかい?」
「実物は見てないので解らないけれど、名前通りなら黄金色のマグマであり、其れを掬い上げるなら皇金世代の甲殻を使ったバケツが必要って言ってました」
「バケ、ツ………………!?」
「小学校の掃除用具入れに入ってる、あのタイプのバケツですね」
「……………其れでホントに掬えるんですか…………?」
「自信満々に言ってたので、おそらく抜かりは無いかと」
溜息・目眩・頭痛に襲われ、此れは流石に旅狼や彼に対して、何かしらの協力やら報酬を払わなくては不味いのでは?という、ある種の『強迫観念』に駆られている気がする程度には、ペッパーの口から出てくる情報の一つ一つが、彼等彼女等からすれば破壊力が有り過ぎたのだ。
「──────はぁ………。ペンシルゴン、ペッパーは相変わらず我々の予想の斜め上どころか、築いた壁をも軽々と越えていってるんだな………」
「家のクランメンバーって、大概頭のネジが外れてる子が多いんだよねぇ……………茜ちゃんとカジキ君はまだマトモだけど」
ジト目のサイガ-100に、やれやれ顔で首を振るペンシルゴンを見、ペッパーは何処か遠い目をしていて。そんな状況が暫し続いた所、キョージュとカローシスUQがペッパーが取り出した新大陸の地図を見て言った。
「ペッパー君。以前ライブラリが依頼した新大陸の上空写真、其のコピーを撮らせて貰っても良いかね?無論、報酬を支払わせて欲しい」
「此れが有れば、新大陸のプレイヤー達も探索が大いに捗るからね…………」
「了解です。あ、其れと新大陸のレベルキャップ解放が出来る場所が樹海の此の辺りで、赤竜に関係が有る火山は此処です」
「すまないね、助かるよ」
此れによって新大陸の開拓は、更なる熱と進展を迎える事となっていくのだが、其れはまた別の話であり。そして其れからペッパーに様々な質問審議が行われ、午後十一時に漸く会談は御開となったのだった…………。
此れにて閉幕