灼熱の槍の穂先が過ぎて
「──────『
嘗て竜殺しの槍の穂先としてドルダナに握られ、紆余曲折からサンラクへと受け継がれた、竜殺しの槍の穂先が灼熱を帯びて白く光り輝いて。
黒雷と共に灰混じりの夜空に流星を描くや、其の一突きが赤竜ドゥーレッドハウルの左腕を食い破って、半裸の鳥頭は勢い其のまま何処かへと飛んでいってしまい。
『ぬ、がッ………!?あ、ああぁ!?う、うう、腕ぇ!腕がぁ!!?』
アラドヴァルの竜特効による破壊力と、サンラク自身の加速力が加わった結果か、片腕をもがれたドゥーレッドハウルの動きが止まり──────其の隙を彼女は決して見逃さなかった。
『
SF-Zooの
深淵のクターニッドとの一戦に置いて、仮初の血肉によって肉体を持った想像態・第二形態の動きを止め、サイガ-100の最大魔法【
『ごぬぅ!?よ、よぐもぉお!!!虫共がぁああああああ!!!』
「いっけぇ!!」
「朱雀、行くよ!」
『了解シマシタ』
「オラオラオラオラオラオラァ!!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
「我等の怒りを思い知れぇ!」
「友の仇ぃいい!!!」
草餅が握るフェイルノートが、ルストが握る
噴射口に仕掛け鏃が刺さり爆発する、光帝の籠手の放った赤い閃光が刺さり盛大に爆ぜ、ベヒーモスで手にした狙撃銃をカスタマイズし続けて威力が上がった魔力の弾丸が、仇討ちに燃える赤い竜人族の攻撃が、次々とドゥーレッドハウルの身体に撃ち込まれる。
「一旦攻撃中止!筋肉マダムの御通りだーーー!!!」
「一気に接近して速攻で離脱するから、そしたら攻撃の再開を!」
「うふふ…………滾るわぁ!!」
攻撃の雨がペンシルゴンの一声で止まる。砂塵舞う戦場を貫き現われたのは、鉄鞭を握ったマッシブダイナマイトを騎馬戦で騎馬役を行うが如く支え、今再び凄まじい速度で突撃して来るペッパーの姿で。
『また貴様かぁあああああああああ!!?』
「アイルビーカムバックってね!マッシブダイナマイトさん!!!」
「行くわよぉ………………渾身のッ!『ハーキュリー・ブラスター』!!!」
ドゥーレッドハウルの叫び声に真正面から突撃し、タイミングを合わせて繰り出された『神の名を冠したスキルシリーズ』の一つ、筋力を参照する極大衝撃を叩き付けるスキルが、本来ならば打ち出した後に回避に移るのも手一杯であった重戦士に、天地無用の高速疾走を可能にするプレイヤーの脚を得た速度で、ドゥーレッドハウルの顔面に叩き込んだ。
筋力に極振られた其の一撃はゴシャアッ!!!か、或いはゴボォン!!!!か、はたまたブァグオン!!!とでも言うべき、あまりにも絶大な衝撃によってドゥーレッドハウルの頭部が減り込んで首骨がイカれ。鷲掴む冥府の腕による固定にも関わらず、地面『其の物』が後退したかの様にズレ動き、剰え物理的に固定が剥がれそうになる程の威力であったのだ。
『ぐ、ぶぇ……………がっ……………!??!?』
「あらあら…………此れでも【
「攻撃再開、御願いしますッッッ!!!」
「此方も準備は完了している……………【
『ごぁあぬ、ぐぉあああああああああ、アアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?』
マッシブダイナマイトによって大ダメージを負い、動きが明らかに弱まったドゥーレッドハウルの上空より、サイガ-100の完全詠唱によるフルパワーの雷魔法が叩き付けられる。
引き裂く様な雷が全身を迸り、雷光が消えて砂塵の中からプスプスと黒煙を上げるドゥーレッドハウルだが、其の巨体は未だに倒れ沈む事は居らず。
だが未だ一分経たない中で尚、動きを固定されているならば──────其の機を逃さぬのが『
「噴射口には遠距離、四肢には打撃系武器やスキル!!腹と各部から炎噴き出すから、打撃を狙うなら足首と手首が最適解!!!」
「ブチかませ!!!」
前線に立ったオイカッツォが大声を上げて、戦場に集った強者達に情報を伝え、其れを元にして攻撃がドゥーレッドハウルに叩き込まれていく。
「一分切るわ!」
「全員一度退避を!此処まで叩いた以上、ドゥーレッドハウルの形態が移行する可能性が在る!注意して!!」
「発狂か、形態変化か…………何にせよ一旦離れて様子見だ!」
わぁと蜘蛛の子を散らすが如く、開拓者達に竜人族と鉱人族がドゥーレッドハウルから離れる。そして鷲掴む冥府の腕によって生まれた巨腕が、土塊の様にボロボロと崩れ落ちていって。
『おの、れぇ…………!おのれおのれおのれおのれおのれェェェェエエエエエエエエ!!!許さん、許さんぞ……!!!許さんぞ虫共がぁああああ!!!』
果たして其れが如何なる叫びか……………其の応えを示す様に拘束を解かれたドゥーレッドハウルの叫び、其の遺された肉体が突如として『罅割れる』。
そして其の罅割れから『ドス黒い炎』が溢れ出し、自身の力にすら耐えられぬ程の悲鳴に似た咆哮を轟かせ、同時に開拓者達の前に新たな画面が表示させた事で、其の答えは知らされた。
『赤竜ドゥーレッドハウルの肉体が、生命の危機に煮えたつ』
『
「多分ドゥーレッドハウルの発狂状態!攻略は詰めの段階に入ったと見て良い!」
「あからさまにヒビ入って炎噴き出したの、サンラクとペッパーの親戚か何かって思うよねー」
「おぅ、カッツォ呼んだか?」
「おかえり、サンラク。随分と派手にカッ飛んでったね」
「てか、さっきの両手武器って何?!何か凄い燃えてなかった?!」
「イムロンさん!?」
ドゥーレッドハウルが形態移行したと同じ頃に戻って来たサンラクに、ペッパー・オイカッツォが声を掛けたと思えば、何時の間にか前線に出て来たイムロンが素の声で話し掛けてくる。
『許さねぇ………!許さねぇぞ、虫がああああ!!!』
「サンラク、オイカッツォ、イムロンさん!奴は俺を狙ってる!ちょっとブチ噛まして、攻撃を止めてくる!!」
言うが速いか
『
「蹴り砕き、誇示せよ──────
──────激突した。
大詰めへ