サンラクが成してきた事
好きな数だけの連結や属性が異なるスキルや魔法の連結を可能にし、任意のタイミングで解除が出来るという其の特性はサンラクからしても奥深い物では?と考えていた。
そもそも此のゲーム、シャングリラ・フロンティアはスキルと魔法を用いて戦うハイサイエンスファンタジーのVRゲームであり、ペッパーの話によれば魔法は解らないがスキルに関しては『覚え直し』が可能であると
そしてサンラクが使用した機動系
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時は今より遡り、ベヒーモスにてレベルキャップを解放した後、サンラクは一度ラビッツに戻ってエフュールの元でアクセサリースロットを解放。エムルを御留守番からのエイトルドにファストトラベルで向かったのは、表向きはカフェ『蛇の林檎』、そして己の職場にして
言われるまでも無く聖杯で性別を変更し、女物の衣服を来た
「時にティーアス先生、一つ『御願い』があるのですが」
「……
「先生の絶技──────サバイバアルや其の周りの者が高らかに言う、噂の『
同調連結スキルは様々有れど、其れを完成させるには兎にも角にもプレイヤーやNPCにモンスターを問わず、目的とするスキルのイメージを固める為には『実物の観測』が必要不可欠だと言う。
エルクは『斬撃の同調連結スキルの最高峰はペッパーが作り出し、今の鳥の人でも作れる条件は揃ってる』と言っていた事から、少なくとも『墓守のウェザエモンの最終奥義:
「弟子は師を越える者では有りますが、其れ以前に師の背を見て育つ者です。賞金狩人最速の背中を、今の自分でどれだけ追う事が出来るのか……そう考えてしまうのです」
「……いいよ」
パチンと指を高らかに鳴らせば、カフェのマスターが二段重ねのケーキを持ってきて。其れとは別にケーキを一切れ皿に乗せてやって来るや、テーブルの上に置いたのだ。
「サンラク、
「うっす」
椅子から立ちつつも、警戒態勢を厳にして身構えた瞬間。
皿に乗せられたケーキが消えており、自分の頬にホイップクリームが付いていた。
「…………は?消えた?しかもクリーム………うん甘いわ」
「…………
「へ?」
其処にはティーアスが立っていた。
「…………
「えっ、此処で?」
「そう。
ドヤ顔で宣ったティーアスに、サンラクもまた無言でレベルキャップ解放によって進化した、数多のスキル達をベルトコンベアで流れて来る荷物をイメージしながらに、連続で起動していく。
数秒間に限り使用者の敏捷・器用を二倍にする『リミットオーバー・アクセル』。
使用者に発生する重力作用を軽減する『
使用者の任意で重力の方向を変更する『
一定時間もしくは被弾するまで空中疾走を可能にする『ヘルメスブート』。
雷の如き加速を発揮する『
複数の同系スキルを起動すると筋力・敏捷を強化していく『ボルテージ・ブースター』。
十秒という効果時間終了の代わりに敏捷を三倍にする『リミットオーバー・アクション』。
百秒間空中に踏み止まりスケートの様に三次元の滑走を可能にする『カルマティール・フロート』。
地上から空中に両足が離れている状態が長い程に敏捷が上がる『アナザー・リステンション』。
体力が10以下になった
そして駄目押しに使用者に最適な攻撃ルートを視界に示す『
「──────いざ!」
「──────『
サンラクが一歩目を踏み込んだ瞬間に、世界の流れが止まった。
「………………は?」
身体が動かない、声は出せる、即ち思考は出来る。まるで思考のみが先へと進み、身体だけが自分から置き去りとされた様な感覚が、今のサンラクを襲っており。
もしゃもしゃもしゃもしゃ……………
「──────あ」
音が聞こえる方に目を向ければ、其処には
(周りの速度を遅くして、自分だけが速くなってるのかコレッ──────!)
「…………はい、おすそわけ」
りんごの一切れが口に突っ込まれ、世界は再び元の流れに戻って。
「うぉご!?ぶべら!?」
顔面から壁に突っ込んで、其処から背中を強打。幸運の御陰か死ななかった物の、ティーアスの…………シャンフロ運営最強の賞金狩人の実力を、骨身に染み込み犇々と感じ、そして知る事となり。
「
「一生付いていきます、ティーアス先生!」
三桁スキルを用いて辛うじて『自覚』出来るだけで、其処からのフルボッコにはどう足掻いても対応出来ない。此れが最強の賞金狩人かと、改めて認識させられたのだった…………。
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「よぅ、エルク。最速の世界を見て来たぜ」
「あらぁ〜、早速始めちゃう〜?」
「応よ、
「あっはぁ!毎度あり〜!!!」
此方が何を求めているのか、其れとも金の匂いに惹かれたか。何にせよ話は早いとカウンターに七億マーニの山を置けば、テンションが跳ね上がったエルクが飛び乗り頬擦りし、匂いを嗅いで暫く後に手をぽふぽふと叩けば、着物姿のヴォーパルバニー達がマーニの山をワッセワッセと運んで行った。
「うふふ〜、サンラクさんはお金が成る木ねぇ〜………。其れじゃあ、此方に来て〜」
「あいよ」
エルクに案内されてやって来たのは店の奥、床には大きく刻まれた『八芒星』と、奇妙ながらも神聖な空間で。エルクがぽふぽふと手を叩き、やって来たのは七つの盃を持ったヴォーパルバニー達。
そして八芒星の角部分に一つずつ置いて、サンラクとエルクに会釈して帰って行ったので、サンラクもまた会釈を返した所でエルクの声が聞こえる。
「───それでは開拓者よ、繋ぎ紡ぐ技を想起せよ」
「……………リミットオーバー・アクセル、
七つのスキルを言霊に乗せて紡げば、エルクが七つの言霊を以って述べる。
「───
「───世界の律より解きたれしもの」
「───神速への挑戦」
「───
「───軽やかなる神足の律動」
「───雷の覇速を越える脚」
「───重ねて繋ぐ、無尽蔵の衝動」
用意された盃に赤い水が湧き上がる、其れはサンラクの身体を流れる血の如く。溢れた赤い水は魔法陣を赤く染め上げて、サンラクの足元へと這い寄っていく。
「───底の底の果て、遠き空をも孕むもの。無垢なる慈悲に語り乞う、捧ぐは対価、価値の輝き」
其の赤も軈て混ざって黒となり、サンラクの身体に染み込み、彼の中で其の力と己が一つとなる感覚を覚えて。
「───繋げ、紡げ、混ざる事なく重なり合って、別離の定めを受け入れて尚結び束ねよ。──────七つ輝き、重なり光るは唯一つの光。【
そして彼は力を束ねて一つにし、新たなる力である『七連結同調:
臨界速は一歩を踏むモーションを行う度に、爆発的な加速が発生する事、発動した瞬間に体力が1まで削れる事。臨界速の効力は五歩目まで適用されて、初手最高速に一歩毎に乗算累積される極端な加速強化、空中ジャンプや壁走りに天井走りも同様、更には着地時などの反動無効や加速中のダメージ軽減といった、擬似的な無敵状態になる事を理解し、修練を積み重ね続けて。
其の努力は
称号【
其れはサンラクの切札