戦況激動
サンラクが放った
『ブチ、噛ませぇ!!!』
其の叫びが届くと同時…………否、其れよりも前に剣が飛んで、魔法が放たれ、矢が放たれ、衝撃が貪る大赤依を襲う。そして何より、彼等彼女等もまたずっと戦況を見つめ続けながら手が出せずに居た者達も、此の状況で動いたのだ。
「撃てぇ!」
「赤竜は討たれた!我等の願いを聞き届け、其の死骸を取り込んだ赤い怪物と戦う者達を援護するんだ!!」
「投石行くぞぉ!!!」
赤系
「いけっ──────【
「とっておきだよぉ……………【
サイガ-100の極大なる雷魔法で生まれた雷獣と、ディープスローターが発動した大地の巨大拳が、
背中で渦を巻く赤のバッタ達であろう粒は、生み出された赤いキメラを倒さず放置していると、一定時間で竜巻の中へと戻ってしまっていた。此方が赤いキメラを撃破する事でリソースを削れていき、最終的に貪る大赤依本体を撃破する事で戦闘が終了する流れなのだろう。
『Wieeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!?!』
攻撃が直撃し続け、貪る大赤依が苦渋の声を上げている。其の声も甲高かったり低かったりと、かなり疎らな印象が有る為に、プレイヤー達は『貪る大赤依にも弱点が有るのか?』と疑いの目を向け始めて。
「貪る大赤依の胸部の奥の方に『核みたい』のが見えました!」
「ペッパー君、おそらく其れが貪る大赤依…………いや赤竜ドゥーレッドハウルの『弱点』だ!そして色竜達も其の核が共通の弱点である可能性は『非常に高い』!そして──────」
「貪る大赤依はベースにしたモンスターの弱点や脆弱性も、
「──────正解だ。流石と言っておこう!」
戦闘中ながらも考察を続けたキョージュと、其の手の類を得意としているペッパーにより、貪る大赤依というレイドモンスターへの理解度合、そして対策法が構築されていく中でAnimaliaもまた叫んだ。
「SF-Zoo!此処が気合と踏ん張りの見せ所、奴を引っくり返すわよッッッ!!!」
「ラジャー!!!せーのっ!」
「「「「「ファランクス!!!!!」」」」」
同じスキルを同時に発動する程に、盾の耐久及びアーマー値が増加するという防御スキルが発動し、貪る大赤依の巨体と激突する。
シャングリラ・フロンティアというゲームに置いて、デバッファーが大半を占めるピーキーなクランメンバーを守り抜く、カウンタースキル以外で攻撃方法を持たない『タンク職の鑑』といえる五人のプレイヤーが、始源のキルランキング三位の座に在る貪る大赤依の突撃を撥ね退け──────引っくり返して見せた。
「マジかよ、引っくり返しやがったアイツ等!?」
「わぁお、さっすがぁ!!」
「胸周りを抉り出します!!!」
クターニッドと力を分けた鎧を纏ったペッパーが空を駆け、触手に握り締めた
「残存魔力80%!破損一歩手前になるだろうが、切札は此処で切らずに何時切るんだ!いくぞ!煌蠍の籠手、
グラヴィトン・レイで空中の重力方向を変え、
「刺して、固めて、砕け散れッッッッッッ!!!」
煌蠍の籠手の超過機構たる超排撃は素材となった
Q,超過機構を使って殴ったら、相手はどうなる?
A,核まで到達し得れば、文字通り相手は死ぬ。ただし幸運やらの食い縛り含めた乱数だけは、加味しない物とする。
『VliaeaAAAAAAaaaaaaaaaAAAAAAAuuuuuuuuuuuuAAAaaaAAAAAAAAAAAAA!?!!!!?!?』
「うぬぁ──────!!」
「あーくん!!!」
「ペッパー(君)ッッッ!!!」
残存魔力80%の全ブッパ、核まで届き得る一撃によって着弾箇所周辺が水晶化して、内部から爆砕。煌蠍の籠手が破損一歩手前まで耐久が削れ、鎧の権能たる触手を通して多大な反動がペッパーの全身を襲い、圧倒的な反動ダメージと共に衝撃によって身体が真上へと吹き飛ぶ。
(鎧の力で体力が5万上がってるのに、80%の超排撃一発の反動ダメージで5000近く消し飛ぶか…………!)
諸に食らった時の事は想像するに容易い上、あの時戦った深淵のクターニッドもこんな気持ちを抱いていたのかと思いながら、
吹き飛ぶ身体をコントロールしてミルキーウェイで空中を踏み締め、何とか体勢を立て直しながら回復ポーションをガブ飲みして、削れた体力を満タンになるまで戻す。理由は回復していない状態で一式装備を解除した場合、増大した体力の減少が元々の体力から確実に徴収されて、底を尽き果てて死ぬ事になると確信しているからだ。
「あ、貪る大赤依は──────!?」
そして彼が見つめた先で、他のプレイヤーやNPCが持ち得る最大火力のスキルや魔法が、爆砕して露わになったドゥーレッドハウルの核だろう球体へ殺到する光景で。
『『『『『『いけぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!』』』』』』
爆発、衝撃、轟音、砂塵が舞い上がり。
『Li、Weiiiiiiiiiiiiiii…………──────』
嘗て生きた神代人類を醜悪なる『赤』へと変えた、始源の『血』たる
其の巨体を構築していた赤が端から粉になったかの様に、ボロボロと崩れ落ちていき。まるで血が鉄分が固まって瘡蓋に変化していくのと同じく黒へと変わり、粉と化して夜風に吹き流れ、散って消えて。
「………………貪る大赤依よ。生きとし生きる生命を喰らい、其の身に置換し変換する赤き飛蝗よ。また相対する時が来たならば、俺達開拓者が再びお前を討ち取る為に立ち上がる」
空中を踏みながら地に降りたペッパーの言葉をトリガーとして、プレイヤー達の前に貪る大赤依の討伐を報せる、システム画面が表示されたのである……………。
『赤き血の狂乱はここに伐された、しかして血脈は途切れることなく……』
『モンスター
『討伐対象:
『レイドバトルが終了しました』
『参加人数:24/45』
『次レイド開始:ワールドクエストの進行に伴い解放されます』
本当の決着