VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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目的を果たそう




勇者は黄金のマグマを求める

一昨日の赤竜ドゥーレッドハウル討伐戦、続けてレイドモンスター・貪る大赤依との決戦の後、地下都市ホルヴァルキンに戻った後にラビッツへとサンラク・サイガ-0・ペンシルゴンと共に帰還し、ヴァイスアッシュに貪る大赤依の討伐を報告から各々手にした一品を見せた所、彼から為になる話を聞いてログアウト。

 

船旅計算で五日目は連戦からシャンフロにログインはせずに睡眠による集中回復に努めて、其処から六日目たる日の午後八時にログインしてアイトゥイル・ノワ・ヒトミを連れ、ペンシルゴン・ゼッタ・サンラク・エムル・サイナ・サイガ-0・エクシス・ウォットホッグと共にホルヴァルキンを訪れれば、やはりというか鉱人族(ドワーフ)と赤系竜人族(ドラゴニュート)達が赤竜討伐による祝杯で、ドンチャン騒ぎをしており。

 

其の中にはやはりというか、勇者武器(ウィッシュド·ウェポン)所持者に他のプレイヤー達も苦笑を浮かべた状態で酒の席に座っており、辺りを見渡したがカローシスUQ・ヤシロバード・ジョゼット・ディープスローター・Animaliaとタンク五人衆の姿が見えなかった事から、おそらくログインしていないのだろうと伺える。

 

そして赤竜討伐に大きく貢献したペッパーの来訪に鉱人族と赤系竜人族が大いに盛り上がる中、彼等彼女等は「どうもどうも」と答えながらにサイガ-100達と合流する。

 

「やぁやぁ、モモちゃん達〜大変そうだねぇ〜?」

「酒の席には大体慣れてはいるが、こうも騒いでいると…………な」

「嫌いでは無いですけどね」

「シャンフロのお酒って、脳を炙ってく感じがしないのがなぁ…………。感覚では芋焼酎?」

「あぁ、其れだ。何か飲み覚えが有ると思ったら其れだった」

 

火酒夏(カシューナッツ)とイムロンがワイワイ話している事から、二人は成人している事が判る。ゲームでなら飲酒は出来るのだろうが、システム的な観点からシャンフロであれ、美食舌持ちプレイヤーにも感じ方には制限が掛かっているでは?と、ペッパーは思い。

 

サンラクがサバイバアルと話していたりするのを横目にしつつ、此処に勇者武器所持者を招いた最大の目的を果たすべく、言葉を発した。

 

「此れから『黄金のマグマ』を採りに行くんですが、皆さんはどうします?」

 

黄金のマグマ……………勇者武器と()()()()を宿した素材にして、そもそもペッパーが金晶独蠍(ゴールディー·スコーピオン)"皇金世代(ゴールデンエイジ)"を討伐から、其の素材を加工する為の物質をビィラックに聞いた事が始まりで。

 

黄金世代の甲殻を用いて作られた『皇金桶(おうごんとう)カイザーバケット』を用いて採取・持ち帰る事で彼女の手で始めて加工され、武器や防具として発揮を出来るのである。

 

「勇者関連であるなら、此方が出向かない道理は一つとて無い」

「団長に従います」

「気になりますねー」

「よし、今直ぐに行きましょ!」

 

他のプレイヤー達も何だ何だと興味を示し、ペッパーの説明で黄金のマグマを一目見るべく、移動するのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神殿の如く聳え立つ門を潜り、回廊と言える場所を進んで行けば、勇者武器誕生に関わるプロセスが記録された壁画が出迎えて。キョージュがスクショアイテムで一枚一枚丁寧に撮影と保存を行う最中に、鉱人族の王にして当代のミダスたる、金色の腕を持つミダス28世が出迎える。

 

「約束を果たし、良くぞ参られた。勇者の盾たる聖盾(せいじゅん)イーディスを所持せし、ペッパー・天津気(アマツキ)殿。そして彼と共に戦いし、勇敢なる開拓者達よ」

 

全員の視線が一斉に注がれたので、ペッパーは内心溜息を零しながら聖盾イーディスを取り出し。そしてサイガ-100に草餅(くさもち)、ペンシルゴンとイムロンに火酒夏も各々の勇者武器を手に取ってミダス28世に示せば、スキンヘッドの青年は此の様に言葉を紡ぐ。

 

「我ら守り人、赤き竜より隠し通せし黄金を第二十八代ミダスの名に於いて確かに勇者へ届けるものなり。『星を救う者(セイヴァースター)』に成り得る勇者達よ、どうか試練に挑まれ給え」

 

ミダス28世の言葉がトリガーとなり、ペッパー・ペンシルゴン・サイガ-100・草餅・イムロン・火酒夏の目の前に画面が現れる。

 

「おっ」

「勇者専用ユニークシナリオ【勇ましの試練】が進行したみたいですね〜」

「内容は『鎧の器と共に灼熱を超えろ』、ねぇ………………」

 

後ろから「ユニーク………ユニーク………!」と歯軋り&ぼやく声が聞こえるが、此ればっかりは勇者武器所持者関係なので割り切って欲しい所だ。

 

ふと周りを確認すれば、サイガ-0とサンラクが離れて何か話しており、サイガ-0の視線から纏っている鎧と関係が──────即ち彼女に関わる『何かしらの事柄が発生した』と見れる。

 

「すいません、ちょっと………用事が出来たので、離れ………ます」

 

そう言ってサイガ-0は単身ホルヴァルキンの方へと戻って行き、残りの面々はミダス28世の案内で件のマグマが沸く、赤竜より秘匿され守られてきた『泉』へ──────ホルヴァルキン大祭殿最奥『黄金の泉』に案内されたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホルヴァルキン大祭殿最奥『黄金の泉』。

 

真上から見た時の構造は、直径100m程の『普通のマグマ』が満たした円形の泉であり、其の中心に1mの『黄金のマグマ』が存在する場所だ。

 

何故此処まで詳しく知る事が出来たのか?簡単な話がペッパーとサンラクがマグマに飛び込んだり、空中を駆けている間に熱で焼き焦がされて死んで、泉全体の構造を把握・情報を共有して纏めたからに他ならない。

 

「愚者のスリップダメージ倍加がシャレになんねぇ………」

「マグマの中を泳ぐにしても長時間漬けてたら、勇者武器も焼き溶かされるのは自然な事だからなぁ…………。かと言って背泳ぎやらすると、先に頭が焼き溶けて死ぬ事になるのも厄介だ…………」

 

 

泉から離れた位置に建てたセーブテントから這い出し、どう攻略するかを思考する。僅か1の黄金のマグマと、其の周りを囲む49の普通のマグマ、そして其処に至る迄にマグマの発熱によるスリップダメージ、泳ぐにしても生半可な対策で取らせないという、運営からの意志を感じずにはいられないフィールドだ。

 

「サンラク、愚者(フール)神秘(アルカナム)って外せないのか?其れを開ければ、多少のスリップダメージは抑え込めるんじゃない?」

「アルカナムを外す?ちょいとやってみる…………あ、出来たわ…………」

 

アルカナムは元々『アイテム』扱いのサブ職業(ジョブ)限定のジョブだ、どうやらサンラク自身は神秘は外せない物と思っていたらしい。

 

「諦めない事が大事だからね。やろうと思えば必ず出来る、其れがゲーマーって奴なのさ」

 

此処からはマグマで身体が燃えるまでの時間や、スリップダメージの分量を確認して攻略法を導くのが、開拓者の責務であり仕事なのだから。

 

 






マグマ採取を目指して


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