VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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取り敢えず合流を




女の子の『オ・ネ・ガ・イ』は核弾頭級の破壊力

トットリ・ザ・シマーネ及びカルネ=175ことカルネ=イナコ、其の同行者たる森人族(エルフ)達と出逢ったペッパーは彼等彼女等を連れ、道中事情を説明しつつサンラク達と合流を果たした。

 

「トットリさん、此方が家のクラン:旅狼(ヴォルフガング)のメンバー・サンラクとエムルさんにサイナさん、アイトゥイルにリュカオーンの分け身のノワとヒトミさん。そして先程も説明しましたが、前線拠点まで護衛しないと最悪の場合は森人族の人権が危ぶまれ、其れを阻止する鍵を握っている王族のトルヴァンテ国王陛下とアーフィリア王女殿下になられます」

「サンラク…………って、まさかモノホン!?」

「訳有って此の状態だし、リュカオーン相手に初見でマーキング二つを身体に着けられるそんな真似が出来る奴なら、迷い無くフレンド登録したい所だがな………」

「久し振りだな、カルネ=175号機………いや、契約者(マスター)の話ではカルネ=イナコで良いか」

「久し振りだ。カルネ=103(ヒトミ)。其れからエルマ=317号機ことエルマ=サイナ」

「随分と久し振りです、カルネ=イナコ。貴方も契約出来た様ですね」

 

困惑気味のトットリを相手に少し肩を揺らしたサンラクと、カルネ型二機とエルマ型による会話を挟み、合流した事によって総勢百以上のNPCが一ヶ所に集う中、ペッパーとサンラクによって改めて事情説明と情報共有が行われる。

 

「……………合流してパーティーを組むメリットは、そっちは『王様と王女の安全の確保』。此方は『差別主義者の新王からエルフ達を護る』…………か」

「どうでしょうか?」

「………………亜人種達との交流は他のプレイヤー達もずっと待ち望んでいるし、何より18禁みたいな展開を防げるなら、其れに越した事はねぇよ」

 

至極あっさりと契約が成立し、ペッパー達はトットリのパーティーへと合流し、改めて前線拠点を目指す事になる。

 

「因みにトットリさんは、何か森人族の方々から依頼を受けた形で?」

「…………ユニークシナリオ【森人族の大移転(イミグラント・エルフ)】ってのを受注してな。『エルフ達とパーティーを組んで、前線拠点まで連れて行く』ってのがクリア条件だ」

「此方は聖女ちゃん直々のクエスト【聖女の刃剣(ソード.オブ.セイント)】っうヤツでな。多分なんだがそっちとの『合流を前提』としてたんじゃね?」

 

サンラクの言葉を聞いてトットリは少し考え、何か思い当たる節が有ったのかこう言った。

 

「……………エリナ、そう言えば『天啓』とか『予感』とか言ってたよな?もしかして()()()()事だったり?」

「……………?うん、そうよ?」

「……………そういう事かぁ。まぁ、良い…………エルフ達の未来が掛かってる以上、此方は完遂に持っていくだけだ」

 

掲示板の情報によればカルネ=イナコと契約出来たのも、パーティーを組んで自他含めてノーデスを貫いたかららしく、此の時点でパーティーリーダーとしての適性が有る。

 

何より彼曰く『パーティーに加えていないエルフ達は全員漏れ無くヘタレるらしく、モンスターと遭遇すれば真っ先に逃走するので自分が殿を務めないと、何時の間にか屍になってる…………なんて冗談は流石に笑えない』──────と、そう述べた。

 

「ただ大多数で進むと『ヤツ』と遭遇する危険が在るんだよな…………」

「ヤツ?」

「俺が受注しているユニークシナリオ、多分だけど『ボスモンスター』が居るらしくてな。一度は前線拠点の目前まで来れたんだが、行軍を邪魔されて撤退せざるを得なくされた。オマケに一度振り切らんと、まぁ『しつこく』追っ掛けて来るしで堪ったもんじゃない…………」

「……………もしかして『傷だらけ(スカー)』だったり?」

「そう。多分アイツをブッ飛ばさないと、新大陸の開拓すらマトモに出来ない可能性が在るんだよな」

 

しかも前に編成されたプレイヤーによる討伐隊で挑んだが、見事に全滅に追い込まれた程度にはヤバい──────そう遠い目で語ったトットリに、ペッパーとサンラクはどうするべきかと考える。

 

大多数による移動は最重要NPCを護れるというメリットと引き換えに、一騎当千のケルベロスティラノと激突する危険が確実に付き纏う。ならばどうするべきか…………そう考えていた二人にトットリはこう言う。

 

「ただ………、ペッパーの御陰で『ちょいと状況』は変わってるんだよな」

「えっ、俺?」

「実はペッパーが撮影した空中写真がシャンフロの掲示板に投稿される少し前に、前線拠点が『ノワルリンド』のモンスタートレインと『傷だらけ』のダブルパンチで壊滅的な大打撃を負ったんだよ。で、今の拠点は『反ノワルリンド&傷だらけ派閥』が屯してる」

「……………オイオイ、トットリ。お前『まさか』とは思うが………!?」

「其の『まさか』だよ。大多数での行動で奴が確実に現れるなら、逆に『誘き出してリベンジして貰おう』──────って奴さ。其れにレベルキャップを解放して、暴れたがってる連中も多い。利用しない手は無いだろ?」

 

ニヤリと。されども悪い笑みを浮かべたトットリに、ペッパーとサンラクも若干引いた顔をする。ともあれ彼の言う通り見方を変えれば、プレイヤー達には『傷だらけ討伐チャンス』というモチベーションが齎され、三桁越えのスキルやステータスで簡単に倒される事は無くなるだろう。

 

「となると、だ…………。其れを実行するに当たって、プレイヤーのモチベーションをブチ上げる『鶴の一声』が必要になるな…………」

 

此処ぞと言う時にプレイヤーは、あと一歩といった所で『踏み留まってしまう事』は多々在る訳で。そんな時に必要になるのはネームバリューに溢れた者が放つ、絶大なアドバンテージを含んだ言葉が必要だとペッパーは考えている。

 

「…………………」

「…………………」

「…………………」

 

だがそんな中、サンラクやトットリにトルヴァンテがペッパーの方をジッ……と静かに、無言で見つめており。

 

「………………ん?あの、皆さん、どうしまし…………た?」

「ペッパー・天津気(アマツキ)よ、御主の声ならば開拓者達を動かせるのでは無かろうか?」

「え"っ」

「賛成です、国王陛下」

「ちょっ!?」

「ペッパーの御陰で助けられた開拓者って、実は新大陸に先に渡ったプレイヤーの中には結構居るんだぜ?」

「えぇ……………」

 

国王の言葉に加えて、プレイヤー二人の同意。そして数多の多種多様なNPCの頷きという同調によって、ペッパーは前線拠点に居る『傷だらけ討伐派閥のプレイヤーを焚き付ける』という、重大な任務を背負う事となり。

 

そうして一同は再び行動を開始からの、ペッパーが先行して前線拠点への突撃及び傷だらけの位置確認をしながら、青色の聖杯を使用で女体化。『ペパ子ちゃんのダメ元オ・ネ・ガ・イで傷だらけ足止め作戦』を展開しに行くのだった……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、作戦自体の効果は抜群に付き、前線拠点に居た傷だらけ討伐派のプレイヤー達が湧き立ち、其の直後に傷だらけの咆哮によって一斉に行動を開始。

 

一部のプレイヤーが前線拠点に築城された装骨天守スカルアヅチに伝令として走り出し、其の数分後には他のプレイヤー達が傷だらけに殺到している間に樹海を突破した、サンラクとトットリに王様と王女、二羽のヴォーパルバニーにノワと征服人形三機、そして森人族達が誰一人欠ける事無く合流した。

 

遂に彼等彼女等は、目的地たる前線拠点に辿り着いたのである。

 

 

 






知恵を使って突破せり



※一連の流れはこう。



「皆、助けて!!」
「えっドチラ様!?」
「いや待て、…………其の装備は………!?」
「ペ、ペパ子ちゃん!?」
「エルフ達が傷だらけに襲われてる!犠牲者は未だ出ていないし、トットリさんが食い止めてくれてるけど、何時まで持ち堪えられるか解らない!御願い、皆の力を貸して!!」
『『『『良いですともッッッ!!!!』』』』


──────といった流れ。色々要求されると思っていたが、まさかの快くOKで行動開始という状態になった。

ネームバリューって凄まじいね。


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